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【政治雑記】日本は残存する大選挙区制(中選挙区制)を全て廃止するべきである

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繰り返し述べている通り、(より良い政策を主張したり、より良い実績を残した候補が優遇されるというわけではなく)票読みと票の分散が巧妙で、共倒れも票の集中も避けられるような選挙戦術巧者が議席を積み増し、共倒れが多く発生させてしまったり、逆に候補者数を絞り過ぎた不器用な政党が議席数を損するという、理不尽なブレが選挙結果に反映されてしまうのである。

全く政策本位でない、選挙コンサルティング力の差で得票率と議席率が乖離するのならば、得票率と議席率が完全に一致する比例代表制の導入は単にその乖離を訂正できるという意味でノーリスクミドルリターンであるように思われる。

さらには、大選挙区単記非移譲式が持つその他のデメリットも比例代表制によって解消される。

例えば、同一政党公認候補や、思想が近い候補同士での票の奪い合いである。

同一選挙区に自民党公認候補が2人立候補していて、それ以外はリベラルな思想を持つ候補者だった場合、保守的な思想を持つ有権者は自民党候補のどちらかに投票することになる。

この状況はつまり、自民党から出馬している2人の公認候補者からすると、リベラルな思想を持つ有権者を振り向かせるよりも、この保守的な思想を持つ有権者にライバル自民党候補ではなく自分に投票するよう説得することが当選への近道となってしまう。

(極めて少数の得票で当選できるという特性も相まって、様々な思想を持つ人々からの広範な支持を得ようとするよりも、規模は小さくとも非常に強固な自分だけの基盤を築くことが当選への近道であり、なおかつ、得票数が足りないと思えば自分と思想が近い候補から奪いに行くのがまた近道なのである)

繰り返しになるが、こうした奪い合いの近時におけるもっとも醜悪な例こそ、2019年参院選広島選挙区における河合案里氏の汚職事件である。

定数2の広島選挙区において河合氏が当選を目指そうとすれば、その唯一の現実的手段は、野党共闘候補の支持者に訴えかけて投票先を変えてもらうなどという困難極まる手段ではなく、同じ自民党の公認候補である溝手顕正氏の支持者を賄賂で買収することだったのである。

当然、不法な手段を行使することはいかなる場合でも批難に値するが、しかし、選挙制度そのものがこういった不法手段に候補者を向かわせるような特性を持っていることもまた事実である。

(定数2の選挙区ではあるが)もし、広島選挙区の当選者が比例代表によって選ばれるというルールだったならば、溝手氏と河合氏は自民党名簿への投票を増やすために全面協力したのではないだろうか。

自民党支持者は全員自民党名簿に投票するのだから、行うべきことは、二人がかりで無党派層や野党連合の支持者を一人でも自民党支持者に変え、同時に自民党支持者の野党連合への流出を防ぐことである。

こういった構図をつくりだしてはじめて、政治思想や政策志向の違いが真っ向からぶつかるような選挙戦を期待できるのではないだろうか。

さらには、広大な単一選挙区に対して比例代表制を導入することで、ごく少数の偏った支持層を固め続けての連続当選を阻止することも期待できる。

地方自治体の領域を選挙区という形で分割せず、全県選挙区・全市選挙区単位で比例代表制を導入すれば、さすがに極めて狭い地域だけの支持を獲得したり、偏狭な思想を持つ人々だけから支持を獲得するだけでは、議席の獲得が難しくなる。

もちろん、1議席、2議席を獲得するだけならできるかもしれないが、広範な支持を獲得する包括政党が多くの議席を獲得するため、結局、多数決の際には個別利益に執着する偏狭な意見が反映されづらくなるだろう。

現状の問題は、ほとんど全ての議員が、地域的・属性的に非常に偏った集団からの得票で当選しているため、それぞれが守るべき個別利益を譲ることができず、あらゆる妥協が詰まった総花的な政策しか実行されないか、政策が何も実行されないという事態が頻発していることである。

選挙コンサルティング巧拙による議席配分のブレを正し、同一政治思想候補同士による無為な票の奪い合いを阻止し、偏狭な個別利益を代表するような議員によって議場が独占されるような状況も抑制される。

漸進的な改善案として、比例代表制導入の妥当性は高いだろう。

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6. 改革案③ 連記制

最後に検討するのは連記制の導入である。

連記制には様々な形態があるが、ここでは、有権者はその選挙区の定数分だけ当選して欲しい候補をピックアップして投票できるという制度を想定しよう。

例えば、定数3の東京都議会議員選挙目黒選挙区においては、3人の候補に対して1票ずつを投じることができるようになる。

https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/togisen/2021/49592/

そのため、保守的な有権者が保守的な候補たちの中から一人だけを選んで投票しなければならないとか、リベラルな有権者がリベラルな候補たちのうちから一人だけを選んで投票しなければならないという事態は解消される。

この目黒選挙においては、政権与党の枠組みを支持する有権者は自民党の鈴木氏、栗山氏、公明党の斉藤氏の三名に投票すればよく、野党連合を支持する有権者は立憲民主党の西崎氏と共産党の星見氏に加え、都民ファーストの会の伊藤氏に投票するか、小池知事の政党は事実上の第二自民党だと考えるのであれば 無所属の平松氏に投票すればよいだろう。

社会問題
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