音楽

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谷川流

「涼宮ハルヒの動揺」谷川流 評価:2点|伝説的なライブ回の原作から長編に繋がる布石編までを収録したサブエピソード集【ライトノベル】

中短編集だった第5巻「涼宮ハルヒの暴走」に続く第6巻ですが、本作も中短編集となっております。内容としても前作と同様、夏・秋・冬を中心とした作品が収録されており、長編でいえば「涼宮ハルヒの溜息」や「涼宮ハルヒの消失」の前後に起こった話となっております。感想としては、見どころのある話とそうではない話の差が大きく、それらを平均して評価2点(平均かそれ以下の、凡庸な作品)をつけております。なお、第1巻及び前作(第5巻)の感想はこちらです。あらすじ・ライブアライブついにやって来た文化祭当日。艱難辛苦の末になんとか撮影及び編集を終わらせたSOS団映画「朝比奈あさひなミクルの冒険 Episode00」の上映を尻目に、主人公であるキョンは自分なりの文化祭を楽しんでいた。そんなキョンがふと訪れたのは講堂であり、そこでは数々のバンドが出演するライブが行われている。騒々しいロックバンドが退場したのち、現れたガールズバンドの構成員にはなぜかSOS団の団長である涼宮すずみやハルヒと、その団員である長門ながと有希ゆきの姿があり......。・朝比奈ミクルの冒険 Episode00バニーガールスタイルで商店街の宣伝...
雑記特集

【エンタメ】おすすめエンタメ評論雑記4選【雑記まとめ】

変革するツッコミの役割タイトル?うっせぇわ。恋も2度目なら俺たちのインターネットが帰ってきた当ブログを訪問頂きありがとうございます応援クリックお願いします!
天使にラブソングを

【場末の歌手と厳格な教会】映画「天使にラブソングを」エミール・アルドリーノ 評価:4点【アメリカ映画】

1992年に公開されたハリウッド映画で、大ヒットしたために日本でもよく知られているタイトルとなっております。金曜ロードショウでも合計6回放送されており、最新の放送は2020年の5月と、近年でもその人気は衰えておりません。そんな本作を今回初視聴したのですが、非常に満足できる映画でした。テーマもテンポも物語の起伏も素晴らしく、常にわくわくしながら観ていられる作品です。あらすじナイトクラブで歌手をしているデロリスはマフィアのボスであるヴィンスの愛人でもあった。ある日、ヴィンスから貰ったコートにヴィンスの妻の名前が入っていたことにデロリスは激怒する。怒り心頭のデロリスがヴィンスの部屋を訪れたとき、マフィアの下っ端が裏切りの濡れ衣を被せられてヴィンスとその側近に始末される現場をデロリスは目撃してしまう。必死の逃亡を図って警察署に駆けこんだデロリスは警察の保護下に置かれることになったものの、殺人現場の目撃者としてマフィアから狙われているデロリスを匿う場所を選ぶのは難しい。そんな中、デロリスの警護担当となったサウザー警部補がデロリスの隠匿場所として選んだのは聖キャサリン修道院。修道院になど絶対に馴染...
うたえ! エーリンナ

漫画 「うたえ! エーリンナ」 佐藤二葉 星2つ

1. うたえ! エーリンナ星海社(講談社100%子会社)が運営する4コマ漫画サイト「ツイ4」で連載されていた作品。古代ギリシアの女学校を舞台に、詩人を目指す女学生エーリンナの学校生活と合唱祭での奮闘を描くという異色のテーマとなっており、著者である佐藤さんがギリシア悲劇に造詣が深く、古代ギリシアの竪琴「リュラー」の演者でもあることからこそ描けたテーマだと言えるでしょう。そういった作品ではありますので、「古代ギリシア(の女学校)文化」にまつわる部分は興味深く読めました。ただ、物語自体は凡庸で、いかにも「漫画っぽい」展開をなぞっただけという感が否めません。百科事典的な面白さだけが評価できる作品でした。2. あらすじ舞台は古代ギリシアのレスボス島。ギリシア史上最高の女詩人サッポーが運営する女学校には嫁入り前の女性たちが集められ、日々、花嫁修業に励んでいた。そんな女学校に入学したエーリンナだったが、機織りのような花嫁修業科目には全く興味なし。彼女の夢は詩人になることであり、サッポー先生には特別な敬慕の念を抱いている。しかし、古代ギリシャにおいて女性が自由に振舞えるのは学校に通っている時期だけ。...
響け!ユーフォニアム

「響け! ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~」石原立也 評価:3点|スポ根要素と人間関係要素の両輪が魅力の青春吹奏楽アニメシリーズ続編映画【アニメ映画】

同名の小説を原作とするアニメシリーズの第3期に相当する部分ですが、TVシリーズとしてではなくアニメ映画として公開されました。原作の著者は武田綾乃さん。アニメ版は京都アニメーションが手掛けています。原作はともかくアニメ版は私もファンでありまして、本ブログでも継続して取り上げている作品の一つです。アニメ版の第1期、第2期のレビュー及び原作小説のレビューは以下の通りです。序盤~中盤にかけての部活人間関係&スポ根の在り方という本作の原点にまつわる展開の良さに敬意を表しつつも、2冊分の小説を1つの映画に纏めているからか、終盤を中心に粗雑さや異様な駆け足感もあってやや「濃密さ」の不足を感ましたので、評価は3点(全体のレベルが一定以上、なおかつ胸を揺さぶる要素が一つ以上ある佳作)といたしました。お勧めできる作品ではあります。面白かった前半部、イマイチだった後半部に分けて感想を述べていきます。【前半部】あらすじ悲願の全国大会出場を果たした北宇治高校吹奏楽部だったが、全国大会での評価は最低ランクである銅賞。悔しさを噛みしめながらもさらなる躍進を胸に秘める部員たち。しかし、3年生が引退したいま、目下の課題...
ボヘミアン・ラプソディ

「ボヘミアン・ラプソディ」ブライアン・シンガー 評価:3点|「クイーン」のボーカル、フレディ・マーキュリーの情熱と悲愴を描いた伝記映画【海外映画】

1970~1980年代に活躍したロックバンド、「クイーン」のボーカルだったフレディ・マーキュリーの生涯を描いた伝記映画。現在も日本全国で公開中ですが、既に2018年を代表する大ヒット映画と呼べるほどの興行収入を挙げている作品です。公開後にSNSで大きく話題になったことから、公開から日を重ねるごとに観客が増えていくという現象が起きているらしく、まさに二十一世紀型の大ヒットだと言えるのではないでしょうか。平成最後の年だから思うのかもしれませんが、インターネット隆盛時代だからこそのヒットコンテンツなのかもしれません。というのも、本作はストーリーよりもライブシーンに強く惹かれるタイプの作品であり、まさに「臨場感」が売りの作品だといえるからです。消費が「モノ」から「コト」に移っているとも評される今日ですが、実際、音楽業界でもCDの売り上げが落ちならがらもライブの売り上げが伸びているようです。伝統的な祭りが衰退し、日常でも空気感による抑制で羽目を外しづらくなったいま、「集まって騒ぐ」という機会が希少価値として高まっているのかもしれませんね。個人的にもライブシーンには感じるものがありましたが、やはり...
響け!ユーフォニアム

アニメ 「響け!ユーフォニアム2」 監督:石原立也 中編(第5話) 星5つ

1.響け!ユーフォニアム2 中編(第5話)高校吹奏楽アニメ「響けユーフォニアム2」の感想、前編に続き中編です。といっても第5話だけを取り上げるのですが、関西大会本番での演奏を描いたこの話は前後の「吹奏楽部の猛練習と繊細な人間関係という日常」とは別の角度からも語るべき題材で、前編の内容と混ぜるのは良くないと思い分けました。近年のアニメシーンの中でも傑出したいわゆる「神回」と形容すべき話で、これ以降TV放映の30分アニメを作成するにあたっては必ず参照されるべき作品に「響け!ユーフォニアム」を押し上げた話だといえるでしょう。2. あらすじ関西大会まであと1日と迫った北宇治高校吹奏楽部。夏休み中に指導にあたった橋本真博(はしもと まさひろ)と新山聡美(にいやま さとみ)の退任が発表されるとともに練習は終わり、ついに本番を迎える。本番当日、副部長である田中あすかが大会にかける思いを部員の前で話し、部長である小笠原晴香(おがさわら はるか)の掛け声で気合を入れる部員一同。舞台裏でも、思い思いの方法で演奏へと精神を昂らせてゆく。そしてついに、北宇治高校の演奏順が訪れる。顧問である滝昇(たき のぼる)...
響け!ユーフォニアム

「響け!ユーフォニアム2」石原立也 評価:4点|せつなく激しい人間関係が交錯する、波乱万丈の吹奏楽スポ根 前編(第1話~第4話)【青春アニメ】

高校の吹奏楽部を舞台にした青春部活物語。大学生で作家デビューを果たした武田綾乃さんの原作を、深夜アニメ界隈では大きなブランド力を持つ京都アニメーションがアニメ化した作品です。第1期の出来が素晴らしかったため、個人的にも非常に期待していた第2期でした。第1期の感想はこちら。この第2期は、正直なところ第1期よりは良いとは言えず、終盤の失速は残念でした。しかし、それでも並大抵のアニメよりは十分に良いと言える作品だったことは間違いありません。深夜アニメ的すぎる要素を排して更なる工夫を加えれば、午後7時前後やゴールデンの時間帯に流しても評価を得られるような、そのれくらいのポテンシャルがあると感じる作品です。あらすじ主人公、黄前久美子(おうまえ くみこ)は京都府立北宇治高校に通う高校一年生。同じ中学校からの進学者が少ないというだけの理由で北宇治高校進学を決めた久美子は、中学校で所属していた吹奏楽部に引き続き入部する気もなく、また、入学時に聴いた吹奏楽部の演奏は酷いもので、当初は北宇治高校の吹奏楽部そのものに良い印象を抱いていなかった。しかし、同級生である川島緑輝(かわしま さふぁいあ)や加藤葉月(...
夜明け告げるルーの唄

【音楽の映える青春アニメ】映画「夜明け告げるルーの唄」湯浅政明 評価3点【アニメ映画】

あらすじ舞台は田舎の港町、日無町。主人公のカイは音楽以外にハマるものはなく、無気力な生活を送っていた。そんなある日、動画投稿サイトに自らが打ち込んだ音楽をアップしたことをきっかけに、カイは同級生である遊歩と国夫のバンド「セイレーン」に誘われる。バンドの練習の帰り道、密漁を行う青年二人に襲われかけたところを、カイたちは人魚の少女ルーに助けられる。音楽を通じた交流により打ち解け合っていくカイとルー。町の人々にも好意的の受け入れられていくルーの存在だが、ある日、町おこしのためにルーを使うことが企画され……。悩みを抱える少年少女と小さな人魚の、町を巻き込んだひと夏の物語。感想序盤からこんなにもぐいぐいと引き込まれる映画は久しぶりでした。フラッシュアニメーションによる独特の絵柄がかえってリアル感を増していて、いわゆる「アニメ絵」とは一線を画す表現に生々しさがあります。テンポもたいへん良いものながら展開にも無理がなく、ルーがクーラーボックスを飛び出して砂浜で踊るシーンあたりまでは傑作だと信じて疑いませんでした。しかし、その後はやや冗長。人間の「恐ろしさ」を感じたルーの混乱と、それを助けようと町に乗...
武田綾乃

【吹奏楽スポ根】小説 「響け! ユーフォニアム」 武田綾乃 星1つ

第1巻の感想1. 響け! ユーフォニアム京都アニメーション制作のアニメ「響け! ユーフォニアム」の原作小説です。著者は刊行当時現役大学生だった武田綾乃さん。吹奏楽経験者だからこそという表現や瑞々しい感性という点では良い面も見られたのですが、ストーリーや文章力といった作品の幹となる部分がイマイチという印象でした。アニメ版は非常に良かったために意外な残念さを感じてしまいます。2. あらすじ主人公は高校一年生の黄前久美子(おうまえ くみこ)。京都府立北宇治高校に進学した久美子は中学校に引き続き吹奏楽部に入部するか迷っていたが、同じクラスになった友人たちの勧めもあり、流されるままに入部する。そんな久美子を待っていたのは、新しく顧問になった滝昇(たき のぼる)による厳しい練習。元々はぬるま湯だった北宇治高校吹奏楽部。当初は部員たちも彼に反発するが、上手くなっていく楽しさに気づき、吹奏楽部はコンクールに向け奮い立っていく。そんな中、花形であるトランペットのソロパート決めで波乱が起こる。部内オーディションの結果、三年生の中世古香織(なかせこ かおり)ではなく、一年生の高坂麗奈(こうさか れいな)がソ...
坂道のアポロン

【青春・恋愛・ジャズ】漫画「坂道のアポロン」小玉ユキ 評価2点【青年漫画】 

「このマンガがすごい! 2009」オンナ編で1位となり、アニメ化もされた本作。ジャズという珍しいテーマと、1960年代という時代設定は確かに面白いと思いました。ただ、ストーリーに捻りがないのは非常に残念。ベタ展開に次ぐベタ展開で起伏がなく、最後も高校生活の枠内で納めきれずに駆け足で大学→社会人としてしまったところに作者の力量不足を感じてしまいました。あらすじ主人公、西見薫(にしみ かおる)は父の都合で横須賀から佐世保の高校へと転校することになった。幼いころから転校ばかりだった西見は秀才だが人見知り。そんな西見がひょんなことから出会ったのが不良として知られる川渕千太郎(かわぶち せんたろう)。正反対の二人だが、千太郎の趣味であるジャズに薫が惹かれ始めたことをきっかけに、二人はかけがえのない友人となっていく。しかし、二人を巡る恋模様は複雑。薫は千太郎の幼馴染である迎律子(むかえ りつこ)が好きだが、律子は千太郎に想いを寄せており、その千太郎は上級生の深堀百合香(ふかほり ゆりか)に恋をしている。そんな百合香の想い人とは、「淳兄(じゅんにぃ)」と千太郎から慕われている桂木淳一(かつらぎ じゅ...
響け!ユーフォニアム

「響け!ユーフォニアム」石原立也 評価:4点|せつなく激しい人間関係が交錯する、波乱万丈の吹奏楽スポ根一筋縄ではいかない人間関係が交錯する波乱万丈の吹奏楽スポ根【青春アニメ】

2015年に放送された、高校の吹奏楽部を舞台にしたアニメーション作品。「涼宮ハルヒの憂鬱」や「けいおん!」を手掛け、深夜アニメ界隈では評価の高い京都アニメーションの制作です。原作は武田綾乃さんが著した同名小説であり、ライト文芸が全盛の文芸界ではありますが、どちらかというと昔ながらのジュブナイル青春小説という装いの作品です。「吹奏楽」がテーマなので、音声を入れられる映像表現でさらに磨きをかけられると思ったのかもしれませんが、ライトノベルでもライト文芸でもない原作で勝負をかけてくるところに、京都アニメーションが他のアニメ制作スタジオと一線を画そうとしている気概を感じます.そんな本作ですが、近年の深夜アニメでは稀にみる出色の作品であると感じました。昔ながらの「スポ根」的な要素を上手く現代に蘇らせた作品であり、なおかつ、人間関係を主軸としたヒューマンドラマを魅力的に描けている作品でもあります。時おり挟まる過度な、いわゆる「百合」描写を除けば、そのまま午後6~7時台で放送されていてもおかしくないような、そんな王道青春部活物語になっております。あらすじ舞台は京都府宇治市、主人公は高校の新入生である...
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