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【政治雑記】日本は残存する大選挙区制(中選挙区制)を全て廃止するべきである

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つまり、立憲民主党と共産党が統一候補を立てていれば、やはりトップ当選できているのではないかと考えられるのだ。

昨今の国政における政治状況や、各党が掲げている政策志向を考えれば、立憲民主党の西崎氏を支持する人々の多くは公明党の斎藤氏が当選するくらいなら共産党の星見氏が当選して欲しいと思っていただろうそ、星見氏の支持者の多くも公明党の斎藤氏が当選するくらいなら立憲民主党の西崎氏が当選して欲しいと思っていたのではないだろうか。

もちろん、立憲民主党支持者の中にも、共産党に投票するくらいなら別の党に入れるか棄権する、という支持者もいないことはないだろう。

しかし、西崎氏と星見氏の得票数合計は32,082票とぶっちぎりのトップ当選を確保できる数字であり、統一候補が立つことによる票の移動や棄権があるにせよ、斉藤氏の16,515票を下回る事態は考え難い。

そこで、立憲民主党と共産党の統一候補、いわゆる野党統一候補が立てられていたとして、もう一度選挙結果をシミュレーションすると結果は以下の通りとなる。

当選 立+共 統一候補 32,082票
当選 自民党 統一候補 23,851票
当選 都民フ 伊藤悠 23,117票
落選 公明党 斉藤泰宏 16,515票
落選 無所属 平松健詩 2,662票

昨今の政治情勢を鑑みれば、多くの有権者にとって、実際の選挙結果よりもこのシミュレーション結果の方が遥かに党派や政治思想別の民意を反映していると感じられるのではないだろうか。

つまり、現実の選挙結果は、党派や政治思想を反映しているというよりも、自民党・立憲民主党・共産党の選挙制度利用が下手だったために、公明党へと議席を献上してしまったという、選挙制度利用の巧拙が決定的な分岐点となっただけの結果だといえよう。

このように、大選挙区単記非移譲式の選挙制度が民意を正しく反映するためには、政党間の複雑な候補者調整が選挙前の段階で(実際の選挙においてどれほど得票できるか分からないうちに!)円滑に行われなければならず、その成否によって貴重な議席数が左右されてしまうのである。

実際、公明党はこの東京都議会議員選挙において得票率を4.5%も上回る議席を獲得しており、それは彼らが全く共倒れをすることなく、効率的に議席を稼いだ結果なのである。

「党派別前回比較のダウンロードはこちら(CSVファイル)」より筆者作成
https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/togisen/2021/

とはいえ、東京都議会議員選挙はまだ各党の得票率と議席獲得数の乖離が小さいほうである。

以下は直近(平成31年)の東京都北区議会選挙結果である。

「選挙の記録(抜粋版)」より筆者作成
https://www.city.kita.tokyo.jp/senkan/kuse/senkyo/kekka/kekka/documents/31_kugikucho_bassui.pdf

自民党、立憲民主党、あたらしい党が得票率に対して過少に議席を獲得し、公明党、共産党が過大に議席を獲得している様子が見て取れる。

実はこの選挙、議員定数が40議席のところ、得票順位41位から45位までが全て自民党の候補者なのである。

「選挙の記録(抜粋版)」より筆者作成
https://www.city.kita.tokyo.jp/senkan/kuse/senkyo/kekka/kekka/documents/31_kugikucho_bassui.pdf

つまり、自民党はより多く得票できると予想したために候補者を過剰に立ててしまい、四人が共倒れするという結果を招いてしまったのである。

自らを過剰評価していた愚かな自民党が無様に負けた、と言ってのけるのは簡単ではあるが、それはこの選挙結果に対する正しくない評価だろう。

自民党が得票率を5%近く下回る議席しか得られなかった理由は、ひとえに得票数予想の計算違いであり、現実の北区において政策の実施を失敗したわけでもなく、これから実行したい政策についての伝達を失敗したからでもない。

有権者の代表である議員は、実行した政策への評価や、実行しようとしている政策への期待に応じて選ばれるべきである。

票読みの巧妙さが選挙結果を左右してしまうのは、有権者の政治家/政策に対する正当な評価を歪ませており、正当性/正統性を欠いている。

40位から45位までの党派名を見れば、最下位当選だった日本共産党の野口まさと氏はどう考えても本来当選するべき候補ではなかったはずである。

社会問題
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