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【政治雑記】日本は残存する大選挙区制(中選挙区制)を全て廃止するべきである

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自民党の支持者であっても、公明党との連立を嫌っていて、保守政党同士の連合を好む有権者は、自民党の2名に加え、公明党の斉藤氏に代えて都民ファーストの会の伊藤氏を選出するのも良いかもしれない。

(現実に連記制を採用した場合、各政党/政党連合は定数(Xとする)に合わせた数の候補者をX人一組で立候補させるだろう。過少に立候補させた場合、余った票が敵対政党に流れる可能性があり(目黒選挙区の場合、野党連合支持者は西崎氏と星見氏以外の誰かにも投票しなければならない。そういった事態を先読みして、三人目の野党連合候補立てるだろう)、逆に、過剰に立候補させた場合、得票が分散して共倒れを起こす危険がある)

このタイプの連記制を採用した場合、選挙結果はやや弱めの小選挙区と同様の形になる。仮に有権者の選好には「保守」と「リベラル」の二つしかないとすると、保守派の有権者が多い地域では保守派の候補が定数を独占し、リベラル派の有権者が多い地域ではリベラル派の候補が定数を独占するからである。

もちろん、党派や政治思想というよりも人物重視で投票するという有権者は党派や思想が混在したX名を選出するかもしれず、特異なシングルイシューを重視する有権者も混在選出を行う可能性があるだろう。

そういった要素が入る余地がある分、純粋な小選挙区制よりは勝者総取りとはなりづらく(定数3の選挙区に自民党候補が3人、野党連合候補が3人立候補して、自民党から2人、野党連合から1人当選という組み合わせもありうるだろう)、その意味で「やや弱めの小選挙区制」と形容できる。

このタイプの連記制下においては、票読みや候補者数調整のような、本質的でない選挙コンサルティングの技術による議席獲得数の上下はほぼ消滅する。

各政党/政党連合にとっては、期待得票数や票の集中・分散度合によらず、定数と同じ数の候補者を立候補させることが合理的だからである。

また、同一政党の公認候補や近い思想を持った候補同士による票の奪い合いも起こりずらい。

事実上、各政党/政党連合からはX人一組で出馬する形になり、各有権者もX票を持っているうえ、特定の候補に2票を入れるなどということはできないため、各政党/政党連合内で票の奪い合いを行うことは不毛であり、無党派層の掘り起こしや、対立政党/政党連合からの票の収奪が効率的な戦術となる。

(「あの人にではなく自分に投票してください」ではなく「自分に加えて、あの人とあの人に投票してください」という訴えかけをすることになるため、政治思想が近似している候補者同士は連携するインセンティブを持つ)

それにより、現在よりもずっと、政治思想や政策志向の違いが真っ向からぶつかるような選挙戦を期待できるようになるだろう。

ただし、大選挙区制(定数2以上)であることを変えないことによって残存する弊害もある。

例えば、ある選挙区(定数3)に独立系の極右候補が1名立候補したとする。

自民党支持者の中でも右寄りの有権者の中には、この極右候補に1票を入れ、残りの2票を自民党候補に投じるという選出を行う有権者も現れるだろう。

それなりの数の有権者がこの選出をすると予想できる場合、定数3であれば自民党は3名の候補者を出しているはずなので、誰か一人が落選することになる。

すると、自民党候補者たちの思考枠組みは、定数2に対して自民党候補者3名という形になるため、結果的には大選挙区単記非移譲式のように、同一政党公認候補同士による票の奪い合いが始まる可能性がある。

これはもちろん、リベラル派/左派にも同じことが言える。定数3に対して野党連合が3名の公認候補を出馬させている状況で、野党連合に与しないリベラル派/左派系の政党、例えば「れいわ新撰組」が一人だけ公認候補出馬させ、その候補がリベラル派/左派の有権者にとって一定の魅力がある場合には、事実上、定数3を4名で争う形になる。

そういった「さらに右」「さらに左」の候補者以外でも、例えば有名なタレント候補が無所属で立候する場合には、政党所属候補にとって事実上の定数が小さくなるのと同じ効果を及ぼすことが予期される。

とはいえ、「さらに右」「さらに左」のパターンはそれほど影響がないだろうと予測できる。

現実の選挙においては、どの政党に所属しているかという情報が持つ威力こそが一般有権者に対して相当程度強く、一人一人が掲げる政策をつぶさに観察したうえで、極右や極左の候補に「票を割く」ような有権者はそれほど存在しないのではないだろうか(そのような戦略投票をするのは相当な政治オタクであろう)。

また、有力タレント候補の立候補が予期される場合には公認候補者数を減らすなどの対策を打つこともできるだろう。

有名タレント候補に加えて自分たちを選出してください、という選挙戦を行う限り、内輪で票を奪い合うという現象は起こらないはずだ。

そんな連記制ではあるが、致命的な欠点として、①定数の多い選挙区の有権者が過剰な力を持ってしまう、②定数が多すぎる選挙区では非現実的、という2つの特性を抱えている。

①定数の多い選挙区の有権者が過剰な力を持ってしまう、の具体例として、東京都議会議員選挙における各選挙区の定数を見てみよう。

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