【経済ビジネス】おすすめ経済ビジネス雑記5選【雑記まとめ】
アニメ
「千年女優」今敏 評価:2点|大女優が歩んだ数奇で大胆な人生の記録【アニメ映画】
「パプリカ」等を手掛け、アニメーション映画界では著名な今敏監督の作品。込み入った手法は面白く、オタク受けする作品であることは間違いないでしょう。しかし、単純なエンターテイメント性には欠けるうえ、人生の深さを描くという純文学的な意味でも曖昧に過ぎ、相当程度オタク的な「解釈」なしに楽しめる作品ではなかった点が残念。テンポの良さや映像美は高品質ですが、テーマや脚本も含めた映画作品としての総合評価としては凡庸な作品だったという印象です。あらすじ真夏の山道を歩くのは映画制作会社社長の立花源也と、カメラマンの井田恭二。彼らは山奥にある藤原千代子の家を訪れようとしているのだった。藤原千代子という女優。既に引退してから長い時間が経っているものの、日本映画界を支えてきた名女優としての名声は計り知れない人物である。インタビューの冒頭、立花は千代子に「鍵」を手渡す。それは千代子が長年大事にしてきた「鍵」であり、千代子の人生に大きな影響をもたらしてきた「鍵」だった。立花から渡された「鍵」をきっかけに、千代子は自分の人生を語りだす。数奇な運命を辿った大女優の人生とは.......。感想ストーリーの入れ子構造や、...
「紅の豚」宮崎駿 評価:3点|退役軍人パイロットの孤独と勇気と恋愛を描く大人のエンターテイメント作品【スタジオジブリ】
押しも押されぬスタジオジブリの有名作品の一つ。「飛ばねぇ豚はただの豚だ」の名台詞でもお馴染みですね。その内容はまさに「大人の(男性の)ためのエンターテイメント作品」といったところ。敏腕パイロットの誇り。酒場を取り仕切る美女。元気印の技術屋少女。悪役はどこか憎めないハリウッドスター。一瞬たりとも飽きさせない、ベタだけれどそこが良いと言える作品です。あらすじ舞台はイタリア。時代は二つの大戦の戦間期。元イタリア空軍のパイロットであり、現在は豚の姿となっているポルコ・ロッソは空賊を相手に戦う賞金稼ぎとして生計を立てていた。そんなある日、ポルコが打ち負かした空賊たちがドナルド・カーチスというアメリカ人パイロットを雇う。ポルコにやられた借りを返すために雇われたカーチス。彼は整備のためミラノに向かっていたポルコ機を追跡して撃墜してしまう。飛空艇を失ったポルコは昔なじみの工房ピッコロ社を訪れる。そこで出会ったのは、ピッコロの孫娘で17歳のフィオ・ピッコロ。すったもんだの末、ポルコはフィオの設計した機体でカーチスとのリベンジマッチに挑むことになる。男の誇りを賭けた戦い。果たして勝利するのはどちらなのか。...
【近未来SF】アニメ 「イヴの時間」 監督:吉浦康裕 星3つ
1.イヴの時間人間とアンドロイドが共存する近未来を舞台にしたアニメで、「アルモニ」を手がけた吉浦康裕さんが監督を務めております。インターネット上のみで配信された作品となっており、全6話で、最終話以外は15分、最終話だけ30分という「テレビ」アニメではあまり見ない構成になっております。そんなマイナーな出所の作品ながら界隈では評価が高く、第9回東京アニメアワード優秀賞OVA部門を受賞し、第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の審査員推薦作品にも選ばれた作品です。その人気の高さから2010年には劇場版も製作され、公式DVD及びBlue-rayも発売されました。Blue-rayの海外版についてはクラウドファンディングが成功し、8か国語の字幕に加え、英語吹替版も製作されるなど、飛躍を果たした作品だといえるでしょう。私としても、「アンドロイドたちが人間の心を理解しようと葛藤する」というなかなか珍しい切り口に感心し、また、その切なく柔らかい物語に感動した次第です。 2. あらすじロボットが実用化されて久しく、アンドロイドが実用化されて間もない時代。アンドロイドは生活に浸透しつつあるものの、一...
アニメ 「アルモニ」 監督:吉浦康裕 星4つ
1. アルモニ文化庁の事業である「若手アニメーター育成プロジェクト」の一環として開催された、「アニメミライ2014」で公開された30分弱のアニメーション作品。現在はスタジオ・リッカの代表を務めていて、当時は「イヴの時間」などの作品により新進気鋭の若手アニメーターとして注目を集めていた吉浦康裕さんが監督です。30分弱という短い時間の中に巧妙な起承転結とアニメーションによる不思議な世界観を詰め込まれており、隠れた名作という言葉がぴったり当てはまる作品でした。2. あらすじ本城彰男(ほんじょう あきお)は高校二年生。普段はクラスメイトである吉田や渡辺とアニメやラノベについて語り合って過ごしている。そんな彰男とは別世界にいるのが、クラスメイトの真境名樹里(まきな じゅり)。マユミやリョーコ、後藤とともにクラスの最上位に君臨する存在だ。そんなある日、授業中に真境名の携帯電話の着信音が鳴ってしまい、真境名は携帯電話を教師に取り上げられてしまう。そして、聞いただけで曲の音をすぐに覚えられるという特技を持つ彰男はその着信音を暗記し、気まぐれに学校で演奏してしまう。しかし、その演奏を聞いた真境名の反応は...
【おもひでぽろぽろ】郷愁感は十分だが物語としてはイマイチなスタジオジブリの駄作 評価:1点【高畑勲】
高畑監督によるスタジオジブリの映画作品。その他の作品と比べればマイナーですが、テレビ放送は8回を数えます。主人公が少女時代を振り返るパートでは頷けるところもありましたが、全体の筋書きは首をひねってしまうものでした。あらすじ1982年の夏、タエ子は有休をとって姉の夫の実家に行くことにした。都会の喧騒を離れ、田舎暮らしをしてみたかったのだ。山形に向かう新幹線に乗り込むと、タエ子の心に小学五年生の頃の思い出が浮かび上がってくる。帰る田舎のない夏休み、初恋の相手、不味いパイナップルの味、演劇で活躍したこと、生理の話、父親に殴られたこと、貧乏な転校生の「あべくん」。ありし日の姿と、東京のOLとして働く自分と、田舎の風景。山形の農家としてタエ子を迎えるトシオとの関係。タエ子の明日はどちらに......。感想小学生の頃の記憶は良いですね。家族の理不尽な感じがとても懐かしく感じます。特に、パイナップルを食べるシーンで「不味い」と言いずらい雰囲気や、年少の者が押し付けられてたくさん食べる羽目になるのは辛い想い出が蘇りました。分数ができなくて人格まで否定され、得意な演劇の道は諦めさせられたりと、ああ、親っ...
「響け!ユーフォニアム」石原立也 評価:4点|せつなく激しい人間関係が交錯する、波乱万丈の吹奏楽スポ根一筋縄ではいかない人間関係が交錯する波乱万丈の吹奏楽スポ根【青春アニメ】
2015年に放送された、高校の吹奏楽部を舞台にしたアニメーション作品。「涼宮ハルヒの憂鬱」や「けいおん!」を手掛け、深夜アニメ界隈では評価の高い京都アニメーションの制作です。原作は武田綾乃さんが著した同名小説であり、ライト文芸が全盛の文芸界ではありますが、どちらかというと昔ながらのジュブナイル青春小説という装いの作品です。「吹奏楽」がテーマなので、音声を入れられる映像表現でさらに磨きをかけられると思ったのかもしれませんが、ライトノベルでもライト文芸でもない原作で勝負をかけてくるところに、京都アニメーションが他のアニメ制作スタジオと一線を画そうとしている気概を感じます.そんな本作ですが、近年の深夜アニメでは稀にみる出色の作品であると感じました。昔ながらの「スポ根」的な要素を上手く現代に蘇らせた作品であり、なおかつ、人間関係を主軸としたヒューマンドラマを魅力的に描けている作品でもあります。時おり挟まる過度な、いわゆる「百合」描写を除けば、そのまま午後6~7時台で放送されていてもおかしくないような、そんな王道青春部活物語になっております。あらすじ舞台は京都府宇治市、主人公は高校の新入生である...