アニメ

機動戦士ガンダム

「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」村瀬修功 評価:2点|普遍的なサスペンスに見せかけたガンダムオタク向け作品【アニメ映画】

1979年から続く「機動戦士ガンダム」シリーズの最新映画で、1989年に発売された同名小説が原作となっております。 いわゆる「ガンダム世界内の歴史」においては「逆襲のシャア」という映画の続編にあたり、初代ガンダム(ファーストガンダム)が宇宙世紀79-80年を描いた作品であるところ、本作は舞台は宇宙世紀105年、つまり約35年後の世界。 とはいえ、私が鑑賞した限りでは「逆襲のシャア」を知らなくても鑑賞に問題はないと思われました。 しかし、本作の問題は別の場所にあります。 気取らないドキュメンタリー調の演出や素晴らしい作画は褒めることができますが、物語の筋があまりにも意味不明で、市街地戦は迫力がある一方でモビルスーツ同士の戦闘は魅力に欠けます。 また、登場人物たちの寒い言動も影響してか、どうしても「子供が考えた『大人の世界』を描いた映画」という印象を抱いてしまいます。 あらすじ 宇宙世紀105年。 人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、すでに半世紀と35年が経過した世界。 地球に居住できるのは選ばれた特権階級とその生活を...
エンタメ

御伽原江良の引退に捧ぐ

2021年3月をもってVtuber事務所「にじさんじ」からの卒業を発表したバーチャルユーチューバー「御伽原江良」。 YouTubeチャンネルの登録者数は50万人を突破し、一時は「にじさんじ」内でも2位につけるなど、看板ライバーの一人でした。 2020年4月にはNBCユニバーサル・エンターテイメントからメジャーデビューを果たし、まさに成功者への道を歩んでいた途上における突然の引退。 Vtuberファン界隈が騒然としたのも不思議ではありません。 「あーゴミカスゥ、〇ね」のような小気味の良い暴言。 「我にじさんじぞ」のような独特の罵り文句。 3Dお披露目配信における「ギバラギバラ高収入」という掛け声。 同じく3Dお披露目配信における昆虫食のような捨て身の企画とそれに対するリアクション。 ゲーム実況の技量や歌唱力というより、その純粋なエンターテイメント性で人気を博していた点が私好みなVtuberだったこともあり、個人的にも喪失感はひとしおです。 4月にはチャンネル及び全アーカイブの削除が行われ、インターネットの伝説となった御伽原江良。 ...
新世紀エヴァンゲリオン

【苦肉の大団円】映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」庵野秀明 評価:2点【アニメ映画】

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」の感想はこちら あらすじ フォースインパクトの発生後も葛城ミサト率いる反NERV組織WILLEは各地を転戦。 旧NERVユーロ支部を解放することでEVA2号機の修理パーツと8号機改造のための追加パーツを入手するなど、NERVとの最終決戦に備えた行動を執っていた。 一方、シンジとレイ、アスカの三人はニアサードインパクト後に生存者が寄り集まって出来た「第3村」へと辿り着く。 大人になった鈴原トウジや相田ケンスケと再会した三人だが、反応はそれぞれ異なっていた。 トウジの家に居候しながら恋愛関係を育むアスカ、第3村のコミュニティに入って農業に勤しむレイ。 そして、自身がニアサードインパクトを起こしてしまったという罪悪感に耐えられず、無気力に日々を過ごすシンジ。 周囲に励まされながら少しずつ自分を取り戻していくかに見えたシンジだが、NERVを離れたレイの身体には危機が迫っていて.......。 感想 どうにかこうにか「エヴァ」を終幕させた作品でした。 内容的には大絶賛できる代物ではあり...
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新世紀エヴァンゲリオン

【駄作への急落】映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」庵野秀明 評価:1点【アニメ映画】

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」の感想はこちら あらすじ エヴァ初号機と第10使徒との交戦により発生したニア・サードインパクトから14年が経過。 葛城ミサトは反NERV組織WILLEを率い、NERVによる人類補完計画を阻止するべく戦いを続けていた。 そんな中、14年振りに目覚めた碇シンジはWILLEの旗艦Wunder内部で葛城ミサトや式波・アスカ・ラングレーと再開する。 ところが、二人がシンジに向ける言葉や行動は非常に冷たく、シンジは異常を感じ取る。 WILLEの艦隊がNERVによる強襲を受けると、シンジは綾波レイ搭乗のエヴァ初号機と接触。 初号機に連れられてWunderを脱出し、レイとともにNERVへと向かうのだった。 NERVでレイとも顔を合わせ、新しい友人である渚カオル(なぎさ かおる)とも親しくなったシンジ。 ようやく元気を取り戻しかけたシンジだが、4年前に起こったニア・サードインパクトとその後の顛末を知ることになり……。 感想 何もかもぶち壊しにしてしまったという印象です。 シンジがエヴァン...
新世紀エヴァンゲリオン

【大人になれ、オトコになれ】映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」庵野秀明 評価:4点【アニメ映画】

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」の感想はこちら あらすじ エヴァンゲリオン初号機のパイロットとして幾度かの戦闘に参加し、戦果を収めてきた碇シンジ。 彼の住む第3新東京市に新しいエヴァンゲリオンとそのパイロットが現れる。 エヴァンゲリオン2号機と共に現れた少女の名前は式波・アスカ・ラングレー。 シンジとアスカ、そして零号機のパイロットである綾波レイは共闘して使徒と戦い、勝利を得る。 深まる三人の友情と、各所から寄せられる称賛にシンジは充実感を覚えていた。 そんなある日、アスカがエヴァンゲリオン3号機起動実験のテストパイロットとして起用されることになる。 しかし、3号機は突如暴走を開始。 シンジ搭乗の初号機が3号機を止めるために出撃するのだが……。 感想 「序」に引き続き、少年がどのように大人になっていくかが描かれます。 最序盤では精神的に幼いシンジと周囲との差が間接的に描写されることが印象的でした。 3人目のパイロットとしてアスカが来日するのですが、アスカはレイとシンジのことをそれぞれ「えこひいき...
新世紀エヴァンゲリオン

【大人になれ、オトコになれ】映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」庵野秀明 評価:3点【アニメ映画】

1990年代に放映されたアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の劇場版であり、原作を再構築(リビルド)した作品として製作されております。 90年代の作品ではあるものの、凄まじい人気はいまでも健在。 現実世界でも様々なコラボが行われているため、アニメ好きという方でなくとも名前くらいは知っているのではないでしょうか。 そんな名作のリメイクである映画シリーズは4部作となっており、これまで3作品が公開されております。 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」 舞楽における幕構成の概念「序破急」からタイトルが取られており、公開年はそれぞれ、2007年、2009年、2012年と、長い時間をかけて製作されているシリーズになっております。 ファンの方々の忍耐強さと、人気の根強さが伺えますね。 そんな三作品を視聴してみたのですが、特に「序」と「破」は良作だと感じました。 頼りなくて幼稚な自己認識・世間理解しか持っていなかった少年が大人の「オトコ」になっていく。 その過程を生々しく迫力満点に描写してい...
映画/アニメ特集

【アニメ映画】おすすめアニメ映画ランキングベスト5【オールタイムベスト】

本ブログで紹介したアニメ映画の中からベスト5を選んで掲載しております。 私の好みもあり、バトルやファンタジー、ハーレムというよりはヒューマンドラマをテーマとした作品が中心となっております。 第5位 「聲の形」山田尚子 【「いじめ・再生・聴覚障がい」異色の青春物語】 ・あらすじ 石田将也(いしだ しょうや)は活発な性格の小学6年生。 日常をそこそこ面白く過ごしていたが、どこか退屈でもあった。 そんなある日、将也のクラスに西宮硝子(にしみや しょうこ)という転校生がやってくる。 彼女は重い先天性の聴覚障がいを抱えており、声によるコミュニケーションを上手くとることができない人物だった。 将也のクラスでは硝子へのイジメが始まり、イジメの強度は次第に深刻化していく。 そして、硝子が不登校になってしまった日、クラスで学級裁判が行われることになる。 学級裁判の中で、将也はクラスメイト全員から裏切られ、唯一の主犯へと祭り上げられてしまうのだった。 翌日からイジメの新しいターゲットになってしまった将也は、過酷な状況に耐えな...
ジョゼと虎と魚たち

【青春恋愛】アニメ映画 「ジョゼと虎と魚たち」 監督:タムラコータロー 星2つ

1. ジョゼと虎と魚たち 2020年12月25日に公開されたアニメーション作品。 1984年に著された田辺聖子さんの短編小説が原作で、映画通のあいだでは2003年の実写映画版が名作として知られているようです。 とはいえ、印象的なベッドシーンやヒロインが抱える障がいに独特の焦点を当てたことで評判になった実写版とは異なり、アニメ映画はクリスマスに相応しい清らかな純愛ものに仕上がっています。 加えて、主人公とヒロインの声を俳優の中川大志さんと清原果耶さんが務め、お笑い芸人である「見取り図」の二人もチョイ役で参加しているところからも、大衆受けを狙ったのだろうなという感じは拭えません。 そして、そういった大衆受け純愛路線が結果的に奏功していたかと問われれば、かなり失敗していたのではないかと感じました。 著しく退屈というわけではないけれども、どうにも底の浅い凡庸な映画に仕上がってしまっていたというのが感想の大枠です。 2. あらすじ 主人公は男子大学生の恒夫(つねお)。 大学では海洋生物学を専攻しており、趣味は海に潜ること。 メ...
☆☆(映画/アニメ)

アニメ映画 「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 監督:石立太一 星2つ

1. 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 京都アニメーションが手掛ける同名テレビアニメシリーズの映画版で、2020年9月18日に公開されました。既に100万人近い動員数と10億円以上の興行収入を記録しており、十分に大ヒットだと言えるでしょう。 しかし、個人的にはやや凡庸な映画だったという印象を受けました。 もちろん、美麗なアニメーションや音楽は流石の高品質だったのですが、欠点として、戦争描写の非現実性や、物語の最終目的が「愛している」の意味を知るという点が鼻につきます。 手紙の代筆を通じて家族や恋人を繋ぐ役割を果たす代筆屋の物語、という比較的リアル路線の部分が感動への訴求点となっている作品だったので、なおさら、時おり露呈するいかにも「深夜アニメ」や「ラノベ」的側面が本作の足をかなり引っ張っているように思えたのです。 2. あらすじ 4年間に渡る大陸戦争が終結してから幾何かの時間が経過し、世界には久方ぶりの平和が訪れていた。 ライデンシャフトリヒ国の首都ライデンに住む18歳の少女、ヴァイオレット・エヴァーガーデンもそんな平和を享受...
☆☆(映画/アニメ)

アニメ映画 「劇場版 SHIROBAKO」 監督:水島努 星2つ

1. 劇場版 SHIROBAKO 2014年から2015年まで放映されたTVアニメ「SHIROBAKO」の続編として制作された映画で、2020年2月の公開です。監督はTVシリーズに引き続き水島努。「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード」や「ガールズ&パンツァー」の監督として有名です。 TVシリーズの方は本ブログでも記事を4つ書いてしまうほど珠玉の出来で、近年のテレビアニメ全体の中でも屈指の名作となっております。TVシリーズの感想は以下の通り。 また、主人公たちの高校時代を描いたスピンオフ漫画も発売されており、こちらも中々の出来栄えでした。 これほど質の高い作品の続編映画というだけあって、相当程度の期待をもって劇場に足を運んだのですが、結論としては凡庸な作品に落ち着いていたといわざるを得ません。 アニメ業界の大変さやそれでもアニメを作っていこうとする熱い気持ちを伝えようとしているのは分かるのですが、それを(TVシリーズのように)アニメ業界以外に従事する人々に対して訴求できては...
☆☆☆(映画/アニメ)

「天気の子」新海誠 評価:3点|美麗な音楽と情景描写、ハイテンポな物語が見どころの青春ファンタジー【アニメ映画】

「君の名は。」で記録的な大ヒットを獲得し、アニメーション映画監督としての名声を一気に高めた新海誠監督3年ぶりの新作。 今月(2019年7月)に封切られたばかりの作品ですが、既に「君の名は。」を超える速度で興行収入を伸ばしているという情報まであるほどで、映画ファンの新海誠監督に対する期待の高さが伺えるところです。 凡庸な少年と天気を自在に操ることのできる少女のボーイ・ミーツ・ガール物語という触れ込みでしたが、公開初日に大雨からの晴れという天気が実際に起こったりと、まさに現代日本を覆う異常気象の片鱗とマッチした点でも天命に恵まれた作品になりました。 当ブログでも「君の名は。」については2回ほど記事にしており、本作「天気の子」についても公開を楽しみにしておりました。 また、同監督の作品では2013年公開の「言の葉の庭」も記事にしております。 そんな「天気の子」ですが、感想としてはストーリーが中の上、キャラクターの魅力は中の中から中の下といったところでしょうか。 ただ、演出やテンポといった面では相当優れていたほかうえ、他...
アナと雪の女王

「アナと雪の女王」クリス・バック 評価:4点|巧みな比喩表現で語られる「真の愛」【ディズニー映画】

2013年に公開されたディズニー映画。 世界中で大ヒットした超有名作です。 日本でも興行収入歴代3位となる255億円を記録しており、2019年現在でさえ本映画の名前を知らないという人の方が少ないでしょう。 松たか子さんが歌った劇中歌の"Let it go"(の日本語訳版)もブームになりました。 私は今更ながらに初視聴してみたのですが、評判に違わずいい映画だったというのが正直な感想。 シンプルに「愛」や「勇気」についての物語として観ても面白いですし、これまでのディズニー、あるいは旧い社会の固定観念を振り払うためのメタ社会的な物語としても深みがあります。 表面をさらっても楽しむことができ、それでいて真理や深遠さも備えている。そんな作品の一つです。 あらすじ 舞台はアレンデール王国、主人公は二人の王女アナとエルサ。 姉であるエルサは幼少の頃から氷の魔法に長け、その魔法を使ってアナと一緒に遊ぶことが多かった。 しかしある日、エルサは誤って氷の魔法をアナに命中させてしまい、アナは意識不明の重体となってしまう。 トロール...
ペンギン・ハイウェイ

【真夏のファンタジィ冒険譚】映画「ペンギン・ハイウェイ」石田祐康 評価:1点【アニメ映画】

人気小説家である森見登美彦さんの同名小説を映画化した作品。 「台風のノルダ」(文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞受賞、2016年地上波放送)や「陽なたのアオシグレ」(第17回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員会推薦作品)で頭角を現してきた新進気鋭の石田祐康氏が監督を務めています。 制作も2011年設立のスタジオコロリドが手がけるなど、インディーズ色の濃い布陣。 こういった映画が大手から配給され、上映館数もそれなりに確保できるのは近年のアニメ映画ブームによるところが大きいのでしょう。 そんな本作、全体的な感想としてはイマイチだったというのが正直なところです。 とはいえ、そもそもジブリや人気版権もの(ポケモン、ドラえもん、コナン、クレしん、アンパンマン)ではないアニメ映画なんてこんなものである、といったところでしょうか。 あらすじ アオヤマ君は非常に研究熱心な小学4年生。 気になったことは何でもノートに書き留め、観察と探求を怠らない。 そんなアオヤマ君にも気になる人がいて、それは同級生のハマモトさん、では...
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