【エンタメ】おすすめエンタメ評論雑記4選【雑記まとめ】
映画/アニメ
アニメ映画 「もののけ姫」 宮崎駿 星4つ
1. もののけ姫言わずと知れたジブリの名作です。未見だったことを恥じる傑作でした。もののけ姫 posted with カエレバ宮崎駿 ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 2014-07-16Amazon楽天市場
「紅の豚」宮崎駿 評価:3点|退役軍人パイロットの孤独と勇気と恋愛を描く大人のエンターテイメント作品【スタジオジブリ】
押しも押されぬスタジオジブリの有名作品の一つ。「飛ばねぇ豚はただの豚だ」の名台詞でもお馴染みですね。その内容はまさに「大人の(男性の)ためのエンターテイメント作品」といったところ。敏腕パイロットの誇り。酒場を取り仕切る美女。元気印の技術屋少女。悪役はどこか憎めないハリウッドスター。一瞬たりとも飽きさせない、ベタだけれどそこが良いと言える作品です。あらすじ舞台はイタリア。時代は二つの大戦の戦間期。元イタリア空軍のパイロットであり、現在は豚の姿となっているポルコ・ロッソは空賊を相手に戦う賞金稼ぎとして生計を立てていた。そんなある日、ポルコが打ち負かした空賊たちがドナルド・カーチスというアメリカ人パイロットを雇う。ポルコにやられた借りを返すために雇われたカーチス。彼は整備のためミラノに向かっていたポルコ機を追跡して撃墜してしまう。飛空艇を失ったポルコは昔なじみの工房ピッコロ社を訪れる。そこで出会ったのは、ピッコロの孫娘で17歳のフィオ・ピッコロ。すったもんだの末、ポルコはフィオの設計した機体でカーチスとのリベンジマッチに挑むことになる。男の誇りを賭けた戦い。果たして勝利するのはどちらなのか。...
【近未来SF】アニメ 「イヴの時間」 監督:吉浦康裕 星3つ
1.イヴの時間人間とアンドロイドが共存する近未来を舞台にしたアニメで、「アルモニ」を手がけた吉浦康裕さんが監督を務めております。インターネット上のみで配信された作品となっており、全6話で、最終話以外は15分、最終話だけ30分という「テレビ」アニメではあまり見ない構成になっております。そんなマイナーな出所の作品ながら界隈では評価が高く、第9回東京アニメアワード優秀賞OVA部門を受賞し、第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の審査員推薦作品にも選ばれた作品です。その人気の高さから2010年には劇場版も製作され、公式DVD及びBlue-rayも発売されました。Blue-rayの海外版についてはクラウドファンディングが成功し、8か国語の字幕に加え、英語吹替版も製作されるなど、飛躍を果たした作品だといえるでしょう。私としても、「アンドロイドたちが人間の心を理解しようと葛藤する」というなかなか珍しい切り口に感心し、また、その切なく柔らかい物語に感動した次第です。 2. あらすじロボットが実用化されて久しく、アンドロイドが実用化されて間もない時代。アンドロイドは生活に浸透しつつあるものの、一...
アニメ映画 「木を植えた男」 監督:フレデリック・バック 星4つ
1. 木を植えた男フレデリック・バック監督によって同名の小説を映像化した作品。1987年のアカデミー短編アニメ賞受賞作でもあります。木を植えた男/フレデリック・バック作品集 posted with カエレバフレデリック・バック ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 2011-07-20Amazon楽天市場
アニメ 「アルモニ」 監督:吉浦康裕 星4つ
1. アルモニ文化庁の事業である「若手アニメーター育成プロジェクト」の一環として開催された、「アニメミライ2014」で公開された30分弱のアニメーション作品。現在はスタジオ・リッカの代表を務めていて、当時は「イヴの時間」などの作品により新進気鋭の若手アニメーターとして注目を集めていた吉浦康裕さんが監督です。30分弱という短い時間の中に巧妙な起承転結とアニメーションによる不思議な世界観を詰め込まれており、隠れた名作という言葉がぴったり当てはまる作品でした。2. あらすじ本城彰男(ほんじょう あきお)は高校二年生。普段はクラスメイトである吉田や渡辺とアニメやラノベについて語り合って過ごしている。そんな彰男とは別世界にいるのが、クラスメイトの真境名樹里(まきな じゅり)。マユミやリョーコ、後藤とともにクラスの最上位に君臨する存在だ。そんなある日、授業中に真境名の携帯電話の着信音が鳴ってしまい、真境名は携帯電話を教師に取り上げられてしまう。そして、聞いただけで曲の音をすぐに覚えられるという特技を持つ彰男はその着信音を暗記し、気まぐれに学校で演奏してしまう。しかし、その演奏を聞いた真境名の反応は...
映画 「生きる」 監督:黒澤明 星1つ
1. 生きる黒沢監督のヒューマニズムが頂点に達したとされる映画作品です。癌を宣告された市役所職員が人間として目を覚まし、命を削って最後の仕事を全うするという王道ストーリー。21世紀の視点だからかもしれないですが、やや凡庸で物足りなかったです。 2. あらすじ市役所で市民課長をしている渡辺勘治が主人公。住民の意見をキャッチするために作られた市民課だったが、実態はお役所仕事な部署間のたらい回しを行うだけ。渡辺はすっかり職員としての情熱を失っていた。ある日、渡辺は癌を宣告される。息子夫婦からも冷たくされ、自分は何のために生きてきたのかと迷う渡辺。そんな渡辺は、偶然居酒屋で出会った小説家に連れられ、街を遊んでまわる。さらに、市役所をやめ、おもちゃ工場に転職した女性、小田切とよとの親交も深めていく。人間として生きる実感を欲しはじめた渡辺。住民たちの要望を前に、市役所組織相手に立ち上がる。3. 感想冒頭の「この男は死んでいる」は余計ですね。そこは映画表現で表さないとしらけてしまいます。また、ストーリーも凡庸で、人間は余命が数か月になったら必死になるというありきたりさ。しかし、主人公を演じる志村喬の...
【おもひでぽろぽろ】郷愁感は十分だが物語としてはイマイチなスタジオジブリの駄作 評価:1点【高畑勲】
高畑監督によるスタジオジブリの映画作品。その他の作品と比べればマイナーですが、テレビ放送は8回を数えます。主人公が少女時代を振り返るパートでは頷けるところもありましたが、全体の筋書きは首をひねってしまうものでした。あらすじ1982年の夏、タエ子は有休をとって姉の夫の実家に行くことにした。都会の喧騒を離れ、田舎暮らしをしてみたかったのだ。山形に向かう新幹線に乗り込むと、タエ子の心に小学五年生の頃の思い出が浮かび上がってくる。帰る田舎のない夏休み、初恋の相手、不味いパイナップルの味、演劇で活躍したこと、生理の話、父親に殴られたこと、貧乏な転校生の「あべくん」。ありし日の姿と、東京のOLとして働く自分と、田舎の風景。山形の農家としてタエ子を迎えるトシオとの関係。タエ子の明日はどちらに......。感想小学生の頃の記憶は良いですね。家族の理不尽な感じがとても懐かしく感じます。特に、パイナップルを食べるシーンで「不味い」と言いずらい雰囲気や、年少の者が押し付けられてたくさん食べる羽目になるのは辛い想い出が蘇りました。分数ができなくて人格まで否定され、得意な演劇の道は諦めさせられたりと、ああ、親っ...
アニメ映画 「耳をすませば」 監督:近藤喜文 星2つ
1. 耳をすませば 柊あおいさんの原作漫画をスタジオジブリが映画化した作品。登場人物たちが歌う「カントリーロード」も有名ですね。 当時の団地や学校の雰囲気はよく伝わってくるものがあり、夢を見つけ、そのために一生懸命になるという姿は素敵なものでしたが、 あまりに純情すぎる登場人物たちやひうねりのないストーリーはいまいちでした。 耳をすませば posted with カエレバ 本名陽子 ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 2002-05-24 Amazon 楽天市場
「本能寺ホテル」鈴木雅之 評価:1点|若い女性と織田信長、束の間の交流が生み出す人生の転機【日本映画】
監督は「プリンセストヨトミ」を手掛けた鈴木雅之さん、主演は綾瀬はるかさんという映画。京都を訪れた若い女性が「本能寺の変」が起こる直前の本能寺と現代の京都を行き来しながら自分の人生を見つめ直すという、歴史的事件を梃に使ったヒューマンドラマとなっております。全体的な感想としては、面白くなくはないのですが、これといって取り上げるべき特長もない、どこまでも凡庸な作品だったという評価です。娯楽の選択肢が少なく、暇つぶしに映画を見る時代であればこれでよかったのかもしれませんが、厳選された一部作品だけに焦点が当たる今日の状況において流行る映画ではないでしょう。あらすじ結婚を控え、彼氏である吉岡恭一(平山浩行)の実家がある京都を訪れた倉本繭子(綾瀬はるか)。しかし、予約に手違いがあり、繭子は当初予定していたホテルに泊まれなくなってしまう。そこで、偶然目についたホテルに泊まることにする。その名は「本能寺ホテル」。繭子がホテルのエレベーターに乗ると、なんと戦国時代の本能寺に辿り着いてしまう。しかも、日時は「本能寺の変」の前日。織田信長(堤真一)はその懐の広さによって繭子の存在を受け入れ、繭子は信長や森蘭丸...
映画 「何者」 監督:三浦大輔 原作:朝井リョウ 星2つ
1.何者人気作家、朝井リョウ氏の直木賞受賞作の映画化です。就職活動をテーマに、大学生から社会人になろうとしている若者の心理を描き出した群像劇で、構成にも演出にも見どころがあると感じました。何者posted with カエレバ佐藤健 映画「何者」製作委員会 2017-05-10Amazon楽天市場
アニメ映画 「君の名は。」 監督:新海誠 星2つ
1. 君の名は。今年最も売れた映画の座を確実にしつつある本作。興行収入はついに150億円に迫り、ジブリ映画を次々と抜き去って日本アニメ映画界の記録にもその名を残すことになりました。個人的にも、エンターテイメント性溢れるストーリーと美麗な作画は楽しむのに十分値するものだったと思いますし、人気が出るのも分かるのですが、あまりに綺麗すぎるのではないかという印象も抱きました。君の名は。posted with カエレバ神木隆之介 「君の名は。」製作委員会 2017-07-26Amazon楽天市場
「響け!ユーフォニアム」石原立也 評価:4点|せつなく激しい人間関係が交錯する、波乱万丈の吹奏楽スポ根一筋縄ではいかない人間関係が交錯する波乱万丈の吹奏楽スポ根【青春アニメ】
2015年に放送された、高校の吹奏楽部を舞台にしたアニメーション作品。「涼宮ハルヒの憂鬱」や「けいおん!」を手掛け、深夜アニメ界隈では評価の高い京都アニメーションの制作です。原作は武田綾乃さんが著した同名小説であり、ライト文芸が全盛の文芸界ではありますが、どちらかというと昔ながらのジュブナイル青春小説という装いの作品です。「吹奏楽」がテーマなので、音声を入れられる映像表現でさらに磨きをかけられると思ったのかもしれませんが、ライトノベルでもライト文芸でもない原作で勝負をかけてくるところに、京都アニメーションが他のアニメ制作スタジオと一線を画そうとしている気概を感じます.そんな本作ですが、近年の深夜アニメでは稀にみる出色の作品であると感じました。昔ながらの「スポ根」的な要素を上手く現代に蘇らせた作品であり、なおかつ、人間関係を主軸としたヒューマンドラマを魅力的に描けている作品でもあります。時おり挟まる過度な、いわゆる「百合」描写を除けば、そのまま午後6~7時台で放送されていてもおかしくないような、そんな王道青春部活物語になっております。あらすじ舞台は京都府宇治市、主人公は高校の新入生である...