映画/アニメ

新世紀エヴァンゲリオン

【大人になれ、オトコになれ】映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」庵野秀明 評価:3点【アニメ映画】

1990年代に放映されたアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の劇場版であり、原作を再構築(リビルド)した作品として製作されております。 90年代の作品ではあるものの、凄まじい人気はいまでも健在。 現実世界でも様々なコラボが行われているため、アニメ好きという方でなくとも名前くらいは知っているのではないでしょうか。 そんな名作のリメイクである映画シリーズは4部作となっており、これまで3作品が公開されております。 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」 舞楽における幕構成の概念「序破急」からタイトルが取られており、公開年はそれぞれ、2007年、2009年、2012年と、長い時間をかけて製作されているシリーズになっております。 ファンの方々の忍耐強さと、人気の根強さが伺えますね。 そんな三作品を視聴してみたのですが、特に「序」と「破」は良作だと感じました。 頼りなくて幼稚な自己認識・世間理解しか持っていなかった少年が大人の「オトコ」になっていく。 その過程を生々しく迫力満点に描写してい...
菊次郎の夏

【大人になりたい夏の旅】映画「菊次郎の夏」北野武 評価:3点 【日本映画】

1999年公開の映画で、監督は北野武。 主演である菊次郎役も北野監督本人が勤めております。 暴力性の強い映画で知られる北野監督ですが、本作は不良中年男と小学生の少年がひと夏の不思議な旅を経験するロードムービー。 北野監督独特のクセが強いながらも、基本的には人情感動路線の作品です。 そんな本作を鑑賞してみたのですが、なかなか魅力的な映画でした。 物事について一面的な見方をせず、酸いも甘いもある「人間」を描こうとしている意欲作。 あまりにも清潔になりすぎた現代社会では失われてしまった人間臭さと、その中にある「大切だったかもしれないもの」について思いを馳せられる作品です。 あらすじ 小学三年生の正男(まさお)は、東京の下町で祖母と二人で暮らしている。 家庭は貧しく祖母は毎日働きに出ており、両親もいないため、夏休みだというのに正男は旅行に行くこともできない。 父親は正男が小さい時に他界し、母親は遠くに働きに出ている。 祖母からそう聞かされていた正男だったが、あまりにも惨めな状況にいてもたってもいられなくなり、正男は僅...
自転車泥棒

【貧困と誇りと惨めな哀愁】映画「自転車泥棒」ヴィットリオ・デ・シーカ 評価:2点 【イタリア映画】

1948年公開のイタリア映画。 猥雑で混沌とした終戦直後のイタリアを舞台に、父子が盗まれた自転車を探すという物語です。 写実性(つくりものっぽくなさ)を重視した「ネオ・レアレズモ」という当時の潮流を代表する作品の一つで、アカデミー賞の名誉賞(現:アカデミー国際長編映画賞)を受賞しています。 とはいえ、普通の映画だった、というのが率直な個人的感想です。 ようやく仕事にありついた男が仕事道具である自転車を盗まれ、それを必死に探して回るというやりきれない筋書きや、哀愁溢れるラストシーンなどは良かったものの、ひたすらにローマの街中をうろうろするだけの部分はやや退屈でした。 あらすじ 舞台は終戦直後のローマ市街。 失業中のアントニオ・リッチだが、ついに役所のポスター貼りという仕事を得ることができた。 仕事道具として自転車が必要だと言われたアントニオは、何とかお金を工面して質屋から自転車を取り戻し、意気揚々と仕事を始める。 しかし、開始早々、アントニオの自転車は泥棒に盗まれてしまう。 慌てて追いかけるも泥棒の姿を見失ってしまい、...
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トゥルーマンショー

【偽物の世界から脱出せよ】映画「トゥルーマン・ショー」ピーター・ウィアー 評価:3点 【アメリカ映画】

1998年公開のアメリカ映画。 ある凡庸な男の人生が本人には知らされることなく全世界に放映されている、という突飛な設定が関心を惹く作品です。 監督は「いまを生きる」等の作品で知られるピーター・ウィアー。 “Yes Man”の主演等で知られるジム・キャリーが主人公のトゥルーマンを演じています。 全体的な感想としては、初期設定の面白さはよく効いていたものの、その突飛な設定から展開される面白さ以上の工夫がやや薄く感じられました。 あらすじ 主人公の名前はトゥルーマン・バーバンク。 離島に存在する小さな町、シーヘブンで保険会社に勤務する30歳の男性である。 凡庸ながら幸福な日常を送る彼の人生には、他の人の人生とは決定的に異なっている点があった。 それは、このシーヘブンという街自体がリアリティ番組のセットであり、彼の人生は30年に及ぶリアリティショーとして世界中に放映されているという点。 トゥルーマンは30年間この事実に気づかないでいたが、番組側のミスが重なり、トゥルーマンは徐々に世界の「おかしな」在り方に気づいていく。 ...
映画/アニメランキング

【実写映画】おすすめ実写映画ランキングベスト4【オールタイムベスト】

本ブログで紹介した実写映画の中からベスト4を選んで掲載しています。 私の好みもあり、ヒューマンドラマをテーマとした作品が多くなっております。 第4位 「ローマの休日」ウィリアム・ワイラー 【決して色褪せない恋愛映画の世界的名作】 ・あらすじ ヨーロッパ某国の王女アンは公務でのヨーロッパ周遊中にローマを訪れていた。 しかし、あまりに束縛が激しく自由がない公務生活に辟易していたアンは、監視の目をくぐり抜けて夜中のローマへと逃亡する。 そんなアンに街中で出会ったのは新聞記者であるジョー・ブラッドレイ。 アンが王女であることを見抜いたジョーは、アンとの一日デートを取り付け、その様子を密かに撮影することで大スクープを狙うことにする。 デートが始まり、意気揚々とアンにローマを案内するジョー。 どう考えても、ジョーの陰謀は全て順調に進んでいた。 二人が恋に落ちる、そのときまでは......。 ・短評 誰もが名前くらいは聞いたことがあるであろう恋愛映画の古典的名作です。 激務に耐えかねた王侯貴族が監視の目を盗...
ジョゼと虎と魚たち

【青春恋愛】アニメ映画 「ジョゼと虎と魚たち」 監督:タムラコータロー 星2つ

1. ジョゼと虎と魚たち 2020年12月25日に公開されたアニメーション作品。 1984年に著された田辺聖子さんの短編小説が原作で、映画通のあいだでは2003年の実写映画版が名作として知られているようです。 とはいえ、印象的なベッドシーンやヒロインが抱える障がいに独特の焦点を当てたことで評判になった実写版とは異なり、アニメ映画はクリスマスに相応しい清らかな純愛ものに仕上がっています。 加えて、主人公とヒロインの声を俳優の中川大志さんと清原果耶さんが務め、お笑い芸人である「見取り図」の二人もチョイ役で参加しているところからも、大衆受けを狙ったのだろうなという感じは拭えません。 そして、そういった大衆受け純愛路線が結果的に奏功していたかと問われれば、かなり失敗していたのではないかと感じました。 著しく退屈というわけではないけれども、どうにも底の浅い凡庸な映画に仕上がってしまっていたというのが感想の大枠です。 2. あらすじ 主人公は男子大学生の恒夫(つねお)。 大学では海洋生物学を専攻しており、趣味は海に潜ること。 メ...
いまを生きる

【青春学園】映画 「いまを生きる」 監督:ピーター・ウィアー 星4つ

1. いまを生きる 1989年のアメリカ映画で、第62回アカデミー賞で脚本賞を受賞した作品でもあります。 厳格な進学校に赴任してきた型破りな教師の授業から、生徒たちが「人はどう生きるべきか」の本質を学び、実践していくという内容。 テーマの普遍性から今日でも人気の衰えない作品であり、元サッカー日本代表で現在はJ1ガンバ大阪の監督を務めている宮本恒靖さんが座右の銘に「いまを生きる」を採用するなど、まさに多くの人々の生き方に影響を与えた作品になっております。 いまとなっては古典となった本作をこの令和の時代に鑑賞してみたのですが、やはり感動はひとしおでした。 規則や形式に囚われず、物事を様々な側面から捉え、なにより自分のやりたいことを大切にしながら生きる。 そんなメッセージが激動のドラマ的展開によって鮮烈に表現された、まさに「映画」の見本となるような作品です。 2. あらすじ 舞台は全寮制の名門進学校ウェルトン・アカデミー。 「伝統」「名誉」「規律」「美徳」の四柱をモットーとする厳格なこの学校に、一人の英語教師が赴任してくる。 ...
野ブタ。をプロデュース

【青春学園】テレビドラマ 「野ブタ。をプロデュース」 監督:釼持誠 星2つ

1. 野ブタ。をプロデュース 2005年に放送され、大ヒットした学園ドラマ。 亀梨和也さんと山下智久さんのダブル主演に加え、いまはもう芸能界を引退した堀北真希さんがヒロインを務めておりました。 主演の二人が歌う主題歌「青春アミーゴ」が200万枚以上を売り上げ、甲子園の入場曲になるなど、まさに社会的インパクトがあったドラマです。 その人気は現在も衰えることなく、2020年には特別編の再放送があり、話題となりました。 そんな本作ですが、さすがに大人になってから見返すと痛々しくて見ていられないような場面や演出も多く、第2話までの鑑賞が限界でした。 しかし、寒いノリだけに頼った凡百のドラマとは違い、確かに大ヒットドラマになるべきだと思わされるような深い要素も多く、語るべき側面がある作品であるとも感じられました。 2. あらすじ 主人公は高校2年生の桐谷修二(きりたに しゅうじ)。 明るい性格でクラスの人気者だが、それは彼自身が演じている虚像に過ぎない。 彼の本当の性格は、計算高い冷徹漢。 常にゲーム感覚で生きており、教...
映画/アニメランキング

【映画/アニメ】高評価映像作品一覧【オールタイムベスト】

当ブログをご覧いただきありがとうございます。 記事数が多くなってまいりましたので、そろそろお薦め作品を纏めた記事があってもよいだろうと思い、本記事を作成することにいたしました。 全体的に辛い評価が多いと思われる当ブログですが、本記事で紹介するのは珠玉の名作ばかり。 是非、紹介記事をご覧いただき、鑑賞して頂ければと願っております。  (並び順はタイトル名五十音順です) 「アナと雪の女王」 監督:クリス・バック 評価:4点  【愛の形を問う、ディズニーの「新しい」名作】 「アルモニ」 監督:吉浦康裕 評価:4点 【心揺さぶる短編学園アニメーションの名作】 「いまを生きる」 監督:ピーター・ウィアー 評価:4点 【型破りな教師の授業から学ぶ本当の「生き方」】 「イヴの時間」 監督:吉浦康裕 評価:3点 【人間とアンドロイドを「区別しない」カフェ】 「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」 監督:押井守 評価:3点 【アニメ映画史に残る時間系SFの古典的怪...
☆☆(映画/アニメ)

アニメ映画 「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 監督:石立太一 星2つ

1. 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 京都アニメーションが手掛ける同名テレビアニメシリーズの映画版で、2020年9月18日に公開されました。既に100万人近い動員数と10億円以上の興行収入を記録しており、十分に大ヒットだと言えるでしょう。 しかし、個人的にはやや凡庸な映画だったという印象を受けました。 もちろん、美麗なアニメーションや音楽は流石の高品質だったのですが、欠点として、戦争描写の非現実性や、物語の最終目的が「愛している」の意味を知るという点が鼻につきます。 手紙の代筆を通じて家族や恋人を繋ぐ役割を果たす代筆屋の物語、という比較的リアル路線の部分が感動への訴求点となっている作品だったので、なおさら、時おり露呈するいかにも「深夜アニメ」や「ラノベ」的側面が本作の足をかなり引っ張っているように思えたのです。 2. あらすじ 4年間に渡る大陸戦争が終結してから幾何かの時間が経過し、世界には久方ぶりの平和が訪れていた。 ライデンシャフトリヒ国の首都ライデンに住む18歳の少女、ヴァイオレット・エヴァーガーデンもそんな平和を享受...
天使にラブソングを

【場末の歌手と厳格な教会】映画「天使にラブソングを」エミール・アルドリーノ 評価:4点【アメリカ映画】

1992年に公開されたハリウッド映画で、大ヒットしたために日本でもよく知られているタイトルとなっております。 金曜ロードショウでも合計6回放送されており、最新の放送は2020年の5月と、近年でもその人気は衰えておりません。 そんな本作を今回初視聴したのですが、非常に満足できる映画でした。 テーマもテンポも物語の起伏も素晴らしく、常にわくわくしながら観ていられる作品です。 あらすじ ナイトクラブで歌手をしているデロリスはマフィアのボスであるヴィンスの愛人でもあった。 ある日、ヴィンスから貰ったコートにヴィンスの妻の名前が入っていたことにデロリスは激怒する。 怒り心頭のデロリスがヴィンスの部屋を訪れたとき、マフィアの下っ端が裏切りの濡れ衣を被せられてヴィンスとその側近に始末される現場をデロリスは目撃してしまう。 必死の逃亡を図って警察署に駆けこんだデロリスは警察の保護下に置かれることになったものの、殺人現場の目撃者としてマフィアから狙われているデロリスを匿う場所を選ぶのは難しい。 そんな中、デロリスの警護担当となったサウザー警...
☆(映画/アニメ)

映画 「月光の囁き」 監督:塩田明彦 星1つ

1. 月光の囁き 原作は週刊ヤングサンデーに連載されていた同名漫画ですが、私が本作の名前を知ったきっかけは小説家の綿矢りささんがかつて好きな映画に挙げていたという情報を得たことです。1999年公開と20年以上も前の映画で、おそらく当時においても無名な映画だったでしょう。近所のTSUTAYAには置いていなかったため、DMMの郵送レンタルサービスを使って視聴したほどです。 さて、そんな本作の感想ですが、あまりの超展開についていけなかったというのが正直なところです。特異な性癖を持った高校生男女の一風変わった恋愛物語なのですが、全体的にかなりニッチなところを突いた映画になっていて、いわゆる映画好きの人たちには受けるのかもしれませんが、尋常の感性で楽しめる作品ではないでしょう。 2. あらすじ 高校生の日高拓也(ひだかたくや)と北原紗月(きたはらさつき)は剣道部に所属する同級生。お互いに惹かれあっていたもののなかなか進展を見せない二人の仲だったが、紗月が拓也の友人からラブレターを貰ったことを契機に好意を打ち明けあい、二人は付き合うようになる。 当初は真っ当...
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