【実写映画】おすすめ実写映画ランキングベスト4【オールタイムベスト】
映画/アニメ
アニメ 「プラネテス」 監督:谷口悟朗 星2つ
1. プラネテス幸村誠さん原作の漫画をサンライズがアニメ化した作品。サンライズといえば「ガンダム」シリーズが有名ですが、同じ宇宙を舞台にしていても激しいロボットバトルではなく、リアル志向のお仕事アニメになっています。幸村さんは現在連載中の「ヴィンランド・サガ」で有名ですが、その硬派な作風はこの「プラネテス」にも表れています。監督の谷口悟朗さんは「コードギアス 反逆のルルーシュ」が代表作として知られているのではないでしょうか。コードギアスのようなぶっ飛びエンターテイメントから本作のような堅いヒューマンドラマまで作風の広さが伺えます。感想としては、なにもかも「普通」で、捻りがなさすぎるのではないかと思いました。2003~2004年にかけて放送された作品なので、当時としても凡庸だったのではないかと感じます。「ハルヒ」以前ではありますが、「エヴァ」以降ではあり、ただ分かりやすいだけのストーリーが受け入れられる環境は過去のものになっていたはずです。人が抱える割り切れなさ、単純ではない社会を、それに相応しい手法で描かなければならない、という前提に立つ段階まで日本アニメの脚本レベルは求められていたは...
「ボヘミアン・ラプソディ」ブライアン・シンガー 評価:3点|「クイーン」のボーカル、フレディ・マーキュリーの情熱と悲愴を描いた伝記映画【海外映画】
1970~1980年代に活躍したロックバンド、「クイーン」のボーカルだったフレディ・マーキュリーの生涯を描いた伝記映画。現在も日本全国で公開中ですが、既に2018年を代表する大ヒット映画と呼べるほどの興行収入を挙げている作品です。公開後にSNSで大きく話題になったことから、公開から日を重ねるごとに観客が増えていくという現象が起きているらしく、まさに二十一世紀型の大ヒットだと言えるのではないでしょうか。平成最後の年だから思うのかもしれませんが、インターネット隆盛時代だからこそのヒットコンテンツなのかもしれません。というのも、本作はストーリーよりもライブシーンに強く惹かれるタイプの作品であり、まさに「臨場感」が売りの作品だといえるからです。消費が「モノ」から「コト」に移っているとも評される今日ですが、実際、音楽業界でもCDの売り上げが落ちならがらもライブの売り上げが伸びているようです。伝統的な祭りが衰退し、日常でも空気感による抑制で羽目を外しづらくなったいま、「集まって騒ぐ」という機会が希少価値として高まっているのかもしれませんね。個人的にもライブシーンには感じるものがありましたが、やはり...
アニメ映画 「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」 監督:こだま兼嗣 星2つ
1. 名探偵コナン ベイカー街の亡霊1994年に週刊少年サンデーで連載を開始して以来、その名前を知らない人はいないというくらいに国民的作品として認知されるようになった「名探偵コナン」。アニメも長らく大人気で、映画も毎年制作されております。最新作の「名探偵コナン ゼロの執行人」では興行収入が100億円を越えるなど、その人気は今日でも右肩上がりに上昇しているようです。そんな映画シリーズの中でも、特に高い評価を得ているのが本作品。歴代作品をランキングづけしているサイトも多くありますが、上位3つには必ず入っていると言っても過言でないくらい定番の作品となっています。とはいえ、単独の映像作品として作られた数々の作品と同じ俎上に並べてしまえば星2つが限界です。悪くはなかったのですが、小さな子供から大人までが肩の力を抜いて見られる娯楽として作らなければならないという側面と、何か映画として高尚なメッセージを残さなければならないという意識の板挟みの中で中途半端になってしまっている印象が強く、普遍的で古典になり得るような作品にはなっていませんでした。劇場版 名探偵コナン ベイカー街(ストリート)の亡霊【Bl...
アニメ映画 「茄子 アンダルシアの夏」 監督:高坂希太郎 星3つ
1. 茄子 アンダルシアの夏自転車競技を題材にした珍しいアニメ映画で、スタジオジブリ作品のスタッフに原画や作画関連で名を連ねることが多い高坂希太郎さんが監督。近年では人気の児童小説「若おかみは小学生」の映画版でメガホンを取っています。また、以前に本ブログで紹介した「王立宇宙軍 オネアミスの翼」でも原画を務めるなど、アニメ映画界の中心的人物の一人だと言えるでしょう。本人も大の自転車好きということが本作をつくるきっかけとなったようです。映画といっても45分という短時間の作品なのですが、人間の情熱を描いた王道の作品で、テンポも小気味よく飽きさせません。深みという点においては居並ぶ名作たちと比較すると一歩劣りますが、佳作という評価がぴったりの映画だと思います。茄子 アンダルシアの夏posted with カエレバ大泉洋 (C)2003「茄子アンダルシアの夏」製作委員会Amazon楽天市場
アニメ映画 「王立宇宙軍 オネアミスの翼」 監督:山賀博之 星3つ
1. 王立宇宙軍 オネアミスの翼「ふしぎの海のナディア」や「新世紀エヴァンゲリオン」で知られるアニメ制作会社、ガイナックスが最初に制作した作品。というより、ガイナックス自体が本作の制作を目的に立ち上げられたのですが、本作により莫大な借金を背負ってしまったことからその返済のために経営を続けることになったというのが事の顛末。上述した2作品も禍を転じて福と為す形で生まれたと思うと感慨深いですね。キャラクターデザイン:貞本義行、作画監督:庵野秀明、美術監督:小倉宏昌、音楽監督:坂本龍一と後のレジェンド達が一つの作品に結集しているということも1987年という年代の為せた業でしょう。評価としては「『良い』未満にはなり得ない作品だが、」というあたり。生き方に惑う青年が馬鹿にされながらも宇宙を目指すという王道のストーリーながら、下手に主人公に媚びるようなヒロインや取り巻きを出していないのがいいですね。日常を普通に過ごしていると近視眼的な享楽を求めがちなところ、ただ漫然と生きていてよいのかということに主人公が気づき、たとえ無為なことに思えても人生というものに情熱を燃やし始める。そこは上手く描かれていると...
アニメ映画 「コクリコ坂から」 監督:宮崎吾朗 星5つ
1. コクリコ坂から宮崎駿さんの息子である宮崎吾郎さんが監督を手掛けたスタジオジブリの作品。とはいえ、企画・脚本は宮崎駿ですから、ほとんど共作といってよいでしょう。1980年に発売された同名少女漫画が原作。とはいえ、映画の内容はかなりオリジナル成分の強いものです。ファンタジー要素のない普通の学園ものをジブリが制作するのはなかなか珍しいことですが、名作に仕上がっています。スケールは大きくないながら非の打ちどころのない作品で、 話の盛り上げ方や見せ方など、他の作品に範として欲しい要素が多く含まれています。コクリコ坂から posted with カエレバ宮崎吾朗 ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 2012-06-20Amazon楽天市場
「虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜」宇田鋼之介 評価:2点|AI搭載の転校生がもたらす波乱万丈の青春学園物語【アニメ映画】
川口雅幸さんの同名小説を映画化した作品。子供向けアニメシリーズの映画化以外ではアニメ映画がまだ珍しかった2012年の公開作品です。挑戦的な作画とテーマで挑んでいるからか、興行的には振るいませんでした。個人的にはそういった挑戦的な部分はかなり気に入ったのですが、いかんせん物語の進行や小道具の使い方が拙く感じました。特にラストシーンは全てをぶち壊すような酷い出来で、これさえなんとかすればもう少し良い評判を得られたのではと思います。あらすじ小学6年生のユウタはバスに乗り、山奥まで昆虫採集に出かける。そこで出会ったのは一人の老人。喉の渇きを訴える老人にスポーツドリンクを渡すと、彼は礼を言って去っていった。そして帰り道、突然の豪雨に襲われたユウタは途中で足を滑らせて崖から転落してしまう。転落のさなか、老人の声を聞いたユウタ。目覚めると、ユウタは無傷で高原に寝そべっていた。そこで出会ったのはさえ子という少女で、高原からは存在するはずのない村が見下ろせるのだった。後にユウタが気づくのは、その村が、現代ではダムに沈んでしまった、かつて存在した村だということ。ユウタはタイムスリップし、その村のそばに降り...
【真夏のファンタジィ冒険譚】映画「ペンギン・ハイウェイ」石田祐康 評価:1点【アニメ映画】
人気小説家である森見登美彦さんの同名小説を映画化した作品。「台風のノルダ」(文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞受賞、2016年地上波放送)や「陽なたのアオシグレ」(第17回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員会推薦作品)で頭角を現してきた新進気鋭の石田祐康氏が監督を務めています。制作も2011年設立のスタジオコロリドが手がけるなど、インディーズ色の濃い布陣。こういった映画が大手から配給され、上映館数もそれなりに確保できるのは近年のアニメ映画ブームによるところが大きいのでしょう。そんな本作、全体的な感想としてはイマイチだったというのが正直なところです。とはいえ、そもそもジブリや人気版権もの(ポケモン、ドラえもん、コナン、クレしん、アンパンマン)ではないアニメ映画なんてこんなものである、といったところでしょうか。あらすじアオヤマ君は非常に研究熱心な小学4年生。気になったことは何でもノートに書き留め、観察と探求を怠らない。そんなアオヤマ君にも気になる人がいて、それは同級生のハマモトさん、ではなく、近所の歯科医院に勤める「お姉さん」。歯科医院に通うアオヤマくんとの仲は、喫茶...
【永遠不朽のデートムービー】映画「ローマの休日」 ウィリアム・ワイラー 評価:4点【海外映画】
1953年の公開以来、世界的名作としてその名を轟かせているビッグタイトル。オードリー・ヘプバーンの初主演映画としても有名で、この作品でいきなりアカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得しています。他にも、最優秀衣装デザイン賞や最優秀原案賞を獲得するなど、大きなセンセーションをもたらした作品です。いま観るとベタにも見えるストーリーなのですが、それは本作が新しい「ベタ」をつくりだした作品だから。「『ローマの休日』的物語」という王道を編み出した元祖作品であり、そのベタさは称賛に値すべきなのです。そして、物語だけでなく役者たちの演技も超一流。常に視線を釘づけにされ、画面から目が離せなくなってしまいます。色褪せない新しいスタンダードを築いた輝かしい古典作品。必見の一作と言えるでしょう。あらすじヨーロッパ某国の王女アンは公務でのヨーロッパ周遊中にローマを訪れていた。分単位のスケジュールと、決まりきった形式的対応を迫られる生活に辟易するアン。ローマ滞在初日の夜、我慢ならなくなったアンは、監視の目をくぐり抜けて街へと脱出する。そんなアンに街中で出会ったのは、新聞記者であるジョー・ブラッドレイ。ジョーは当初、ア...
アニメ映画 「時をかける少女」 監督: 細田守 星4つ
1. 時をかける少女民放とNHKで延べ12回放映されているアニメ映画で、すっかり夏の定番となった作品と言えるでしょう。筒井康隆さんの有名原作に、「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム」で頭角を現していた細田守さんを監督として迎え、「新世紀エヴァンゲリオン」のキャラクターデザインを務めた貞本義行さんと、「もののけ姫」の美術監督だった山本二三さんが脇を固めるという豪華布陣。ミニシアターでの上映から異例のロングランを成し遂げた出世映画でもあります。非常に凝った脚本が素晴らしく、演出も「静」と「動」のバランスがとれていて、これからも定番中の定番であり続けて欲しいと思わせられる映画になっております。 2. あらすじ紺野真琴(こんの まこと)は高校2年生。男友達の間宮千昭(まみや ちあき)や津田巧介(つだ こうすけ)とキャッチボールやカラオケで放課後の時間を過ごすような平凡な日々を送っている。そんなある日、真琴はひょんなことから自身がタイムリープの能力を得ていることに気づいてしまう。タイムリープの能力を得た真琴は、テストを受けてからテストを受ける前の時間に戻って好成績を収めたり、カラオケで...
アニメ映画 「千と千尋の神隠し」 監督: 宮崎駿 星5つ
1. 千と千尋の神隠し言わずと知れた名作中の名作。アカデミー賞受賞作品で日本における歴代興行収入第1位。金曜ロードショーでの初回放映時視聴率は46.9%を記録し、まさに伝説的映画と呼ぶべき作品です。大衆人気はもちろん映画通からの評価も高いようで、普段は分裂しがちな一般人気と映画好きからの支持を両方得ることに成功した稀有な作品でもあります。内容も文句のつけようがない素晴らしいもので、今後、この「千と千尋」を超える作品が日本映画から現れるのかと思わせられるほどでした。千と千尋の神隠し posted with カエレバ宮崎駿 ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 2014-07-16Amazon楽天市場
アニメ 「SHIROBAKO」 監督:水島努 その④:夢に立ちはだかるもの 星5つ
1. SHIROBAKO その④:夢に立ちはだかるものアニメ「SHIROBKAO」の感想第4弾。今回は本作品の(おそらく)メインテーマである「夢」について所感を述べたいと思います。といっても、夢については比較的わかりやすく表現しているのがこの作品(5人で一緒にアニメを作る・アニメに関わり続けていく)。特徴的なのは、夢を阻むものとして出てくる事例、そして、アニメという分野の中でもどのようなジャンルに夢を託そうとしているのか、そういった点だと思います。長くなってしまいましたが、これ(その④)が最終回ですので、お付き合いいただければと思います。その①~その③はこちらになります。2. あらすじ(第19話)外注したレイアウトは最低基準のクオリティも満たせず、そのことを指摘すれば外注先は逆切れして仕事を放棄する始末。ようやく仕事を承諾してくれたと思ったベテランの背景描きは突如行方をくらまし、新人や太郎といった他の制作進行もデスクである宮森あおいに次々に困難な判断を求めてくる。手詰まりの予感に「万策尽きた」と言いかける宮森。その時、先輩制作進行である矢野エリカが武蔵野アニメーションに帰ってくる。急病...
アニメ 「SHIROBAKO」 監督:水島努 その③:小さな真実・大きな嘘・大きな真実 星5つ
1. SHIROBAKO その③:小さな真実・大きな嘘・大きな真実コミカルな作風ながらアニメ業界の光陰を絶妙に表現しているアニメ「SHIROBAKO」。その感想第3弾です。その①では主人公格の5人、その②では周囲の脇役(特にベテラン勢)を中心に記述いたしましたが、今回はもう少し視点を広く持ち、「お仕事」アニメとしてのSHIROBAKOに焦点を当てていきたいと思います。宮森あおいが「武蔵野アニメーション」に就職し、アニメ業界人/社会人としての苦しみや喜びを体験していく、というのがこの物語の最も簡潔な紹介になることは前編でも述べましたが、アニメーション業界に関わらず、「仕事」一般にまつわる多くの真実を抉りだしているのがこの作品の特徴。リアルな事例を出して視聴者に生々しさを感じさせながら、フィクションのエンターテイメントとしての見せ方も優秀であり、むしろその相乗効果が傑作に仕立て上げているといえるでしょう。Shirobako 1 / posted with カエレバシロバコ Section 23Amazon楽天市場