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【大人になれ、オトコになれ】映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」庵野秀明 評価:3点【アニメ映画】

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ヱヴァンゲリヲン新劇場版序
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シンジにとって最初の使徒を倒し、国連軍やNERVの在る世界へと入ったシンジは、次々と迫りくる使徒たちに対して勝利を収めていき、その中で、自分の心理との闘いを経験し、人間としての「真理」に気づいていく。

「最後の戦いに勝利した英雄は女王or女神と結婚する」に至らないまま「序」は幕引きとなりますが、今後、4部作がどのような展開をしていくか楽しみですね。

次に述べるのは、テレビ版との比較です。

中学生の頃の朧げな記憶と比較するしかないのですが、テレビ版と比べれば全体的に明るい雰囲気が漂っている気がします。

なんとなくですが、シンジの性格や周囲の対応がまだ明朗な気がするのです。

テレビ版はもっと陰鬱で抑圧的で、それこそ一種のカルト感さえも漂う、新世紀というより世紀末な感じのアニメだったように思います。

シンジがエヴァに乗るかどうか、という場面でも、シンジの口から「エヴァに乗ります」という台詞が放たれるまでの間が短い気がして、テレビ版ではもっと卑屈な葛藤があったような記憶があるのです。

加えて、テレビ版に比べて色々な説明が丁寧な気もします。

ジオフロントやネルフ本部についての説明がミサトの口から為されますし、いま何が起こっているかの説明が比較的丁寧になっているように思われるのです。

テレビ版は本当にちんぷんかんぷんでしたね。

ただ、雰囲気の暗さといい、説明不足感といい、暗くて説明不足なほうが「エヴァ」なんだという意見もありそうで、人気アニメって得てしてそういう側面があるよなと思います。

最後に述べるのは、クラシックが似合うアニメだという点。

作中でも幾度かクラシック調の音楽流れるのですが、ロボットアニメのくせに奇妙な荘厳さがあって、人間の本質を描こうとしている側面もあり、クラシックがとても嵌っているんですよね。

幼い情熱を前面に押し出したアニメなのに、どこか成熟感もあるような気風。

そんな空気感がクラシックとマッチする。

これこそが「エヴァ」らしさなのかもしれません。

さて、さんざん褒め倒しましたが、評価は3点ということで、減点した部分についても言及しておきましょう。

まず第一に、いかにも深夜アニメっぽい部分があるのは個人的に不快ですね。

恋愛シミュレーションゲームやご都合主義ラブコメを下地にしたような身体的・精神的女性描写が時おりあって盛り下がります。

第二に、使途やNERVを中心とした世界観や物語の分かりづらさが挙げられます。

少年シンジの心理的葛藤や成長を軸に見ていくと面白い作品なのですが、世界を危機に陥れている使途や、人類側組織として描かれているNERVについての描写があまりに分かりづらく、大きな物語としての面白さに欠けるのです。

意味不明な超常概念言葉が連発される場面も多く、そこだけ切り取ると三流B級アニメっぽさがあります。

それこそが良いのだ、という感性もあるのでしょうが、それはあまりにも偏ったオタクであるように思われ、少なくとも、普遍的な物語作品を志向する本ブログの評価方針とは合いません。

つまり、個々の戦闘や登場人物たちの心理的葛藤・関係性の描写は良いものの、それらを包み込む大きな物語や世界観の魅力に欠けるのです。

そういった点を加味すると、4点寄りの3点(平均以上の作品・佳作)が妥当なあたりだと思います。

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