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「GUNSLINGER GIRL」相田裕 評価:4点|テロリストとの闘いに身を投じるのは「義体」を与えられた少女たち【社会派サスペンス漫画】

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GUNSLINGER GIRL
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要人を狙った爆弾テロの阻止、テロリスト組織に対して秘密裏に資金供給を行っている軍人の暗殺、テロリストに占拠されたベネチア時計台への突入作戦、同じくトリノ原発奪還作戦など、緊迫感のある大小の戦いが連続するため「命のやり取り」を感じさせる高揚感も充実しています。

加えて「漫画」としての完成度も高く、くどい説明や幼稚で寒いギャグは一切ありません。

コマとコマの「間」を有効に使いながら印象的な台詞ばかりで紡がれる感動シーンの数々や、ダイナミックかつ分かりやすい戦闘シーンの双方が素晴らしく魅力的だという稀有な作品です。

全十五巻と比較的コンパクトに纏まった物語ですが、内容は非常に濃密で、テンポも速く飽きさせません。

義体となる少女たち以外では肩書のある大人の登場人物が多く、それこそ「学園」ものや、中身が子供な大人たちが繰り広げる緩い「お仕事」ものにはない深い味わいのある作品に仕上がっております。

褒める点を挙げればきりがなく、素直に5点をつけても良かったのですが、義体となる子供が「少女」ばかりな点が不自然であること、女性が男性を好きになってアプローチする恋愛描写ばかりである点はやはりマイナスポイント。

掲載紙の関係でそうなったのかもしれませんが、リアリティと生々しさで魅せる「大人の物語」に一点の悪い「甘さ」を残してしまっている側面だと言えるでしょう。

とはいえ、名作であることは間違いない作品。

4点(概ねどの要素をとっても魅力的な、名作・名著に値する作品)という評価が低すぎることはあっても高すぎることはないでしょう。

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各巻の感想はこちら

「GUNSLINGER GIRL 第1巻」相田裕 評価:4点|もしも誰かを好きで好きでしょうがなくなって、それでも永遠に満たされないとわかってしまったら【社会派サスペンス漫画】
本ブログで一度紹介した作品ですが、あまりにも感動が深いので単巻ごとのレビューを書いていきたいと思います。全体のレビューはこちらテロリズムの脅威に揺れるイタリアで、政府側の対テロ組織に所属する訳あり元軍人・元警察官、そして、彼らとペアを組むことになる、身体改造手術を施されて「義体」となった少女たちの物語。息の詰まるような葛藤の連続、その果てにある悲壮な感動。そんな本作の魅力がいきなり炸裂する第1巻のレビューです。あらすじ舞台は超近未来のイタリア。貧しい南部と豊かな北部という、イタリアが伝統的に抱える格差問題を巡る政争は熾烈を極め、北部独立派によるテロが横行する事態となっている。豊かな北部から搾取された税金が、怠惰な南部人を食わせるための公共事業や補助金に投下されている。そんな主張には北部人の多くが同調しており、テロリスト側の勢いは止まるところを知らない。そんな折、テロとの戦いに勝利して統一を維持したい中道左派政権は「社会福祉公社」という機関を創立する。表向きは身体に障がいを抱える子供を支援するための福祉組織だが、実態は、身寄りがなく命が助かる見込みもない子供の身体に特別な手術と洗脳を施し...

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