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「ポケットモンスター ヴァイオレット」評価:2点|オープンワールドを採用した世界的大人気シリーズの最新作【テレビゲーム】

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ポケットモンスター バイオレット
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(配達員やタクシードライバー、ビジネスマンは男性ばかりで、やまガールやモデルは女性ばかりというのもなんだかなぁという印象でした。いかにもな「労働」は男性が担当していて、山登りのような「趣味」や芸能系の仕事は女性、というのはポリコレ的にも不味いのではないかと思うのですが......。今回のポケモンのポリコレ意識はルッキズムや年齢差別に偏っている気がします)

そして、トレーナーの種類が少ないうえに手持ちに個性がないぶん、純粋な戦闘として面白くなっているか、つまり、凝った技構成や手持ち構成によって「難敵」になっているかというとそうでもなく、基本的にはタイプ相性とレベル差で押し切るようなバトルばかりです。

もちろん、小学生にも全クリしてもらわなければならないという性質上、著しく難しくすることはできませんが、それでも、ポケモンバトルにおける「工夫」とはこういうことなんだ、と感じられるような敵を用意しておいた方がどの年代にとっても印象深いバトルとなって思い出に残るのではないでしょうか。

旧い作品でいえば、異性を行動不能にする「メロメロ」で行動を封じつつ、連続して実行するたびに威力が上がる「ころがる」を連発し、ピンチになれば「ミルクのみ」でリセットを図ってくるアカネのミルタンクなんかは好例であると思います。

というわけで、順当に進めていけば難易度が低く、かつ、各トレーナーとの戦闘もいまいち面白くない作品となっているのですが、それでは、まかり間違っても全滅などしないかというと、そうでもないのがネックなところです。

というのも、攻略順が自由になっていることもあり、フィールドを自由に探索しているといつの間にか高レベル地域に迷い込んでいて急に著しく高レベルな敵と戦ってしまって全滅したり、ジムリーダー戦等でも公式が想定している順序を意図せず無視してしまって、為す術もなく全滅するということもありました。

事前に情報知っていて、敢えて順番を無視するようなプレイを行うならともかく、攻略情報をつぶさに確認することなくカジュアルに楽しもうというプレイヤーにとって、これはちょっと理不尽だなと感じた次第です。

物語の設定上、非常に強いとされているキャラクターがやや場違いな強さで挑みかかってきた結果として自分が敗北してしまったり、あるいは、知能派キャラの見事な戦術によって自分が敗北してしまうのならばまだ納得感もありますが、何の前触れもなくいきなり超高レベルポケモンと戦うことになって全滅というのではゲーム的楽しみがありません。

さらには、通常の1対1バトルとは異なる形式のバトルにおいても、やはり戦闘を盛り上げようという工夫に欠ける点が散見されます。

まずは第二世代から登場したダブルバトルですが、本作ではフリッジジムというジム戦のみがダブルバトルの対象となっております。

フリッツジム戦はジムリーダー戦前に戦うトレーナーたちともダブルバトルを行うのですが、このトレーナーたちは全員、ポケモンを二匹ずつしか保有していないため、初ターンに一匹を倒せば敵側一匹対味方側二匹の一方的な勝負となり、瞬殺できてしまいます。

さすがにジムリーダーは四匹持っているのですが、ダブルバトルならではの連携ギミックもなく、一匹を集中攻撃するようなAIもないため、意味のあるダブルバトルを行っている気がしませんでした。

こんなことならば、ダブルバトルなしでもよかったのにと思ってしまいます。

旧作では双子であったりカップルであったり、いかにも「二人ペア」なトレーナーがダブルバトルを挑んでくるというキャラ付けもあったため、たとえバトルが弱くともポケモン的な世界観の補助線となっていたのですが、そういったダブルバトルをする理由のようなものも見当たらなかったため、ダブルバトルの実装がゲームを楽しくしているのか、という点についてかなり疑問が残りました、

次にヌシポケモンとの勝負やレイドバトルといった、強力な一匹の敵に対して複数の味方が挑みかかるという勝負方式で、こちらは凄く悪いかといえばそうでもなかったのですが、かといって強力に推す点も見当たらず。

一般的なRPGにおけるボス戦をイメージしたのかと思いますが(レイドバトルはソシャゲの影響かもしれませんが)、ヌシポケモンやレイドボスが強力な全体攻撃をしてくるとか、二回行動で畳み掛けてくるとか、体力が減ってくるとパターンを変えて行動してくるとか、そういった面白さがないため、普通のバトルがやや長引いているくらいに感じました。

とはいえ、通常のバトルよりも面白くないということはありませんし、これから改善されていけばいいのかなとも思います。

最後に「レッツゴー」による勝負ですが、こちらは最悪でした。

フィールドでポケモンをボールから出し、「レッツゴー」の指示を与えることで野生ポケモンと勝手に戦って経験値を稼いでくれるという代物で、まどろっこしいバトルを繰り返さずとも経験値稼ぎができるという点で、新しいポケモンを一から手間をかけずに育てたいときとか、レベル不足による手詰まりを安易な手段で解決したいときには役に立ちます。

要はレベル上げ作業の簡略化のために存在する機能であり、気に食わない人はやらなければいい機能です(わたしは意識して使わないようにしていました)。

ところが、本作の最悪な点は、この「レッツゴー」による戦闘を物語中での強制戦闘の一つに据えたことです。

具体的には、悪役であるスター団(それほど「悪」でもないですが)の基地に乗り込んでスター団を撃退していくというイベントが本作ではジムリーダー攻略と並行して実施されるのですが、このスター団の下っ端たちとの戦いが「レッツゴー」で行われるのです。

その戦闘ぶりには何の感慨も抱けません。

ボタンを押してボールを投げ、ポケモン同士が体力ゲージを削り合っている様子をぼんやりと眺め、敵ポケモンのシンボルが消えたら、また別の敵ポケモンに向かってボールを投げる。

まさか、純粋な「作業」を「戦闘」だと言い張って物語のメインバトルに据えてくるとは思わず、初めてこの「レッツゴー」形式の戦闘をスター団と行ったときにはただただ呆然としてしまいました。

「レッツゴー」形式の戦闘をスター団とおこなうときには、相手のポケモンを30匹倒すことになるのですが、こんな形式の戦闘をさせられるくらいならば、通常戦闘の三十連戦(あるいは、3匹持ちトレーナーとの十連戦とか、6匹持ちトレーナーとの五連戦)を行った方がよほど面白いでしょう。

主人公に連戦を強いる方が悪の組織感もあります。

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