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【中華ファンタジー】漫画 「蓬莱トリビュート」 鮫島円人 星2つ

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蓬莱トリビュート
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1. 蓬莱トリビュート

漫画中心の出版社、リイド社が運営するweb漫画サイト「トーチ」に連載されていた作品。

現在も続編として「蓬莱 エクステンド」が連載されているようです。

内容は中国の古典を漫画化したというもので、2~30ページかそれに満たないくらいの短編が10話収録されています。

いにしえの時代の物語らしい、独特の展開と早すぎるくらいのテンポが特徴です。

2. あらすじ

・第3話 狐の掟

墓守の男はある日、狐が犬の集団に襲われているのを発見し、狐を救助する。

その晩、男の家を訪れてきたのは美しい娘。

「今日はどうも助けて頂いて」。

男はこの娘と恋仲になるのだが......。

・第5話 異類の娘【虎】

官僚としての赴任先に向かう申屠澄は道中、猛吹雪に襲われる。

飛び込んだ人家で申を迎えたのは半獣半人の夫婦とその美しい娘。

一晩で娘と親交を深めた申は娘を連れて行ってもよいかと夫婦に頼むのだが......。

3. 感想

ハッピーエンドから後味の悪い話、切ない話までバリエーションが豊富で、中国古典由来ということもあり獣人が多く出てくるのが面白いですね。

現代的な画風で可愛く描かれているのも親しみが湧くポイントです。

テンポもよく、サクサク読んでいけるのも特徴だといえるでしょう。

ただ、しっかりとした「物語」を求めている読者にとってはあまりにも薄味すぎるといえます。

衝撃の展開への驚きも、キャラクターへの感情移入も、あと一歩というところで終わってしまう印象です。

「あらすじ」で紹介した「狐の掟」は、

「男のもとを訪れてきた美女は救助された狐を騙って男の精気を吸いに来た悪狐なのだが、精気を吸われ気力を失っていく中でも男は美女への依存を深めており、本物の救助した狐がボロボロの身体で男の家にやってきて美女狐を殺すも、男は逆上して本物の狐を追い返してしまう」

という衝撃のオチなのですが、これくらい上手くオチをつけられている話は少ないですね。

4. 結論

物珍しさ目当てで買ってみましたが、物珍しいという以上の評価はつけ難い作品でした。

さらっと読めるので、この類の作品に興味があればというところです。

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