ただ、高校における不登校の割合を見てみますと、その数値は一貫して中学校より低く、 平成17年度(2005年度) は1.66%に対して令和元年度(2019年度)では1.58%と改善傾向にあります。
多くの生徒にとって、高校はどの学校に進学するかをある程度選択する余地があり、中学校で不登校だった生徒も不登校生徒のケアができる高校に進学することで再び学校に通えるようになるのかもしれません。
また、近年はN高校のような新しいタイプの通信制高校が生徒数を増やしている影響も無視できないでしょう。
通信制であれば、おそらく登校していなくても家からオンラインで授業に出ていれば統計上「不登校」扱いではなくなるはずです。
ちなみに、N高の生徒数はいまは1万5000人を超え、生徒数で日本最大の高校となっているそうです。
なお、不登校に対するスタンスとしては、学校くらい気合で行けよという精神論アプローチと、無理して通わなくていいんだよという寛容アプローチに大別されるのかなと考えています。
個人的には、人生を生きるうえで根性も大事な要素だと認識しており、学校くらい行けないようでは社会で通用しないぞ、という理屈もある程度は理解できます。
しかし、昨今の小中学校に楽しくさえもないのに通うほどのメリットがあるのか、という疑問も頭にあるのです。
学校で習ったことのほとんどは社会に出てから役に立たないというのはその通りですし、僅かに役立つ部分もいまやインターネットと参考書を併用しての自習を行えば身に付きます。
テクノロジーの使い方を間違えなければ、むしろ学校の授業なんかに出ない方が学習や情報収集の効率が良く、学校に行かない方が体力的にも時間的にも余裕があるので、インプットをアウトプットに変換するための様々な行動もやる気さえあれば行いやすいでしょう。
もちろん、学校では人間関係や社会性も学ぶことができます、実際、多くの生徒は学校という場で人間関係や社会性を学ぶのでしょう。
とはいえ、どうしても学校に行きたくないと思えるような状況における人間関係など本人には全く利益をもたらさないでしょうし、学校で会得して役に立つ社会性というのは、そういった雰囲気のある教室に無理矢理合わせにいくような社会性ではなく、もっと前向きな協働を行うための社会性でしょう。
そう考えると、気合いさえあれば学校に通えるだろうという理論にはYesですが、じゃあ、楽しくもないのに通うほどのメリットがるかと言われるとNoかな、という気もします。
さて、ここまでは学校がつまらなかったり、あまつさえ不登校になっている児童生徒に焦点を当ててきましたが、ここからは多数派の生徒にも焦点を当てていきましょう。
なんだかんだ言いながらも過半数の生徒は学校生活を楽しんでいるわけで、彼らは学校で知識なり社会性なりの様々な技能を獲得し、大人になった暁には明るく前向きに日本を成長させてくれるかもしれません。
そんな彼らに対して、具体的には、2019年に18歳だった生徒に対して行われたアンケートの結果がこちらです。
Q. あなた自身について、お答えください。(各設問「はい」回答者割合)
Q. 自分の国の将来についてどう思っていますか?
データ元は日本財団という団体が行った「18歳意識調査」という調査の第20回であり、 テーマは「国や社会に対する意識」(9カ国調査)とのこと。
調査方法について、日本財団は以下のように説明しています。
日本財団は2019年9月下旬から10月上旬にかけた20回目の「18歳意識調査」で、インド、インドネシア、韓国、ベトナム、中国、イギリス、アメリカ、ドイツと日本の17~19歳各1,000人を対象に国や社会に対する意識を聞きました。
https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/pr/2019/20191130-38555.html
なんというか、かなり悲惨な結果です。
コメント
筆者って、あんまり人が良くない?