そんなわけで面白く読めた本なのですが、それでも評価を3点(平均以上の作品、佳作)に抑えたのは以下の二つの理由のためです。
一つは、著者に介護を受ける登場人物のほとんどが一定の地位と資産を築いたうえ家族にも恵まれた人々であり、あくまでそういった人々の「後悔」だけが紹介されているという点。
人間はないものねだりをするものですから、お金がなくて困り続けた人は、もっと働いてお金を稼げばよかったと思うのではないかという疑念が最後まで拭えませんでした。
もう一つは、著者の人生についてのエピソードがやや多すぎると感じた点。
面白いエピソードもあるのですが、スピリチュアルでヴィーガンな生き方のありがちな宣伝のような部分や、若い頃に友人とドラッグをやったりクラブに行ったりしたときのあまり面白くないエピソードもあり、その部分は「死ぬ瞬間の5つの後悔」という本書の主題ともいまいち関係性が見いだせなかったので、ちょっと著者の自分語りが過ぎるかなと感じました。
とはいえ、全体的には面白かった作品です。
人生をどう生きるべきか、迷っている人には是非、お薦めの本になっております。
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