☆☆(漫画)

砂時計

【00年代の恋愛漫画】漫画「砂時計」芦原妃名子 評価:2点【少女漫画】

2003年から2005年まで小学館の漫画雑誌「ベツコミ」で連載されていた少女漫画。 全十巻ながら発行部数は累計700万部を突破しており、2007年にはドラマ化、2008年には映画化されるなど、大ヒットした作品です。 とはいえ、個人的には凡庸な作品だったという印象。 序盤こそドキドキする恋愛展開が続きますが、その後は特筆すべき場面もなく、淡々と普通の少女漫画が続いていきました。 あらすじ 主人公は12歳の植草杏(うえくさ あん)。 両親の離婚をきっかけに、東京から島根へと引っ越してきた。 田舎の雰囲気に不安と緊張を感じていたちょうどそのとき、杏は同い年の北村大悟(きたむら だいご)と出会い、打ち解けていく。 地元の名家である月島家の子息と令嬢、月島藤(つきしま ふじ) と椎香(しいか)兄妹とも知り合い、杏はこの町に馴染んでいくのだった。 そんな折、杏のもとに凶報が届く。 杏の母、美和子(みわこ)が自殺を図ったのだ。 あまりの衝撃に、美和子に買ってもらった砂時計を遺影に投げつける杏。 そんな杏に対して、大悟...
僕は愛を証明しようと思う

【恋愛工学でモテる】漫画「ぼくは愛を証明しようと思う」藤沢数希・井雲くす 評価:2点【ハウツー漫画】

外資系銀行出身で現在は作家として活躍する藤沢数希さん。 そんな藤沢さんは「恋愛工学」と題した恋愛術も発信しており、その技術を纏めた著作として小説「ぼくは愛を証明しようと思う(幻冬舎刊)」があります。 本作はその漫画版であり、藤沢さんが提唱する「恋愛工学」理論が物語に絡めて紹介されていくという作品になっております。 先日紹介した漫画「ピックアップ」が「成長物語」を描くための道具として恋愛技術を用いていたのに対し、本作は「恋愛工学」という恋愛技術を紹介することが漫画の目的であり、そのための道具としてストーリー形式が用いられている点が対照的です。 そんな本作ですが、まさに「恋愛工学入門」という位置づけに相応しい漫画であると思います。 一般的な発想ではまず思いつかない「恋愛工学」の理論と技術が次々と紹介され、主人公による実践を通してその具体的な方法と成功までの道筋が描かれていきます。 聞き慣れない用語が心理学的な補足を伴って上手く説明されており、そんなに都合よく「モテ」を解決してしまえるのか、と疑問に思うこともなくはないのですが、それなりに理解...
なんだこの人生

【なんだこの人生 日曜しか生きた心地がしない社畜OLの日常】労働に打ちひしがれ虚無な日々に絶望する新米社会人の苦悩 評価:2点【橋本ゆの】

1. なんだこの人生 奇妙なタイトルの作品ですが、調べてみるとTwitter発のコミックエッセイということでそれも納得できます。 橋本ゆのさん(@riko3_)という現時点で4.5万人のフォロワーを抱える人気ツイッタラー(インフルエンサー?)さんが出版する初の単行本とのこと。 ポップな雰囲気の表紙やタイトルに違わず気軽に読める内容ですが、反面、現代社会においてサラリーパーソンとして働くことの意義について考えさせられる作品でもありました。 社会から受ける暗黙の要請に応じて学校に通い、これまた暗黙の要請に応じて会社に入って働いているのに、まさに「なんだこの人生」と思ってしまうような生活を送っている方々には刺さる作品だと思います。 2. あらすじ 藤井香菜子(ふじい かなこ)は都心で働くOLで、社会人二年目。 しかしながら、キラキラした生活とは縁遠い日々を送っている。 「毎日満員電車に乗りつらい思いをして働き、土曜は一日中寝ていて活動しているのは日曜だけ……という1週間を過ごす。こんな生活が1年後も5年後も10年後もずっとずっと続く...
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蓬莱トリビュート

【中華ファンタジー】漫画 「蓬莱トリビュート」 鮫島円人 星2つ

1. 蓬莱トリビュート 漫画中心の出版社、リイド社が運営するweb漫画サイト「トーチ」に連載されていた作品。 現在も続編として「蓬莱 エクステンド」が連載されているようです。 内容は中国の古典を漫画化したというもので、2~30ページかそれに満たないくらいの短編が10話収録されています。 いにしえの時代の物語らしい、独特の展開と早すぎるくらいのテンポが特徴です。 2. あらすじ ・第3話 狐の掟 墓守の男はある日、狐が犬の集団に襲われているのを発見し、狐を救助する。 その晩、男の家を訪れてきたのは美しい娘。 「今日はどうも助けて頂いて」。 男はこの娘と恋仲になるのだが......。 ・第5話 異類の娘【虎】 官僚としての赴任先に向かう申屠澄は道中、猛吹雪に襲われる。 飛び込んだ人家で申を迎えたのは半獣半人の夫婦とその美しい娘。 一晩で娘と親交を深めた申は娘を連れて行ってもよいかと夫婦に頼むのだが......。 3. 感想 ハッピーエンドから後味の悪い話、切ない話までバリエーションが豊...
☆☆(漫画)

【幼馴染に恋をした】漫画「ご近所物語」矢沢あい 評価:2点【少女漫画】

「NANA」「天使なんかじゃない」「Paradise Kiss」など多くの代表作を持つ少女漫画家、矢沢あいさんの作品。 1990年代の中盤に「りぼん」で連載され、同時期にアニメが放映されていたことから、若手社会人世代にとって懐かしい作品だといえるのではないでしょうか。 「天使なんかじゃない」からゲスト出演しているキャラクターがいたり、「Paradise Kiss」が同舞台での数年後の話になっているなど、他の矢沢あい作品とのリンクが楽しめるのも特徴です。 そんな本作ですが、総合的な評価としては凡作だと感じました。 少女漫画の肝である恋愛面、そして、デザイン系の高校を舞台にしているというところから発される夢を追う若者という面。 その両面においてやや盛り上がりに欠けてしまった印象です。 あらすじ 幸田実果子(こうだ みかこ)は矢沢藝術学院に通う高校一年生。 夢はファッションデザイナーとして自分のブランドを立ち上げることで、服のデザインについてはその才能と熱意が学院内でも認められている。 そんな実果子には同学年の幼馴染、山口ツトム...
☆☆(漫画)

漫画 「ピンポン」 松本大洋 星2つ

1. ピンポン 1996年から1997年までビッグコミックスピリッツで連載された卓球漫画です。長年にわたり根強い人気を誇る作品で、メディアミックスでは2002年に実写映画化、2014年にアニメ化、書籍としても2002年に新装版が発売、2012年に文庫版が発売、そして2014年にアニメ化記念の大判が発売されるなど、近年においてもその勢いは衰えておりません。著者の松本大洋さんも漫画好きのあいだでは知られた存在で、本作のほかに「鉄コン筋クリート」が代表作として挙げられることが多いです。 そんな作品なのですが、個人的には巷の高評価ほどの作品には感じられませんでした。確かに、独特な絵のタッチが醸し出す迫力のある試合風景は良いと感じましたが、なんといっても物語がいまいちなうえ、極端すぎるキャラクター造形がせっかくのリアリティ的良さを削いでいます。 2. あらすじ 主人公は"スマイル"こと月本誠(つきもと まこと)と"ペコ"こと星野裕(ほしの ゆたか)。二人は幼馴染であり、県立片瀬高校の1年生として同じ卓球部に所属している。しかし、練習嫌いのペコは部活をサボって遊ん...
☆☆(漫画)

漫画 「藤子・F・不二雄 異色短編集」 藤子・F・不二雄 星2つ

1. 藤子・F・不二雄 異色短編集 「ドラえもん」や「パーマン」、「エスパー魔美」といった人気作品で知られる藤子・F・不二雄。ハードではないSF設定を中心に日本の漫画界を作り上げてきたレジェンドはブラックな短編の書き手としても漫画好きに知られておりまして、選りすぐりの作品が纏められた商品としてこの「藤子・F・不二雄 異色短編集」が小学館から発売されております。 ただ、いまになって読むとやや古臭い印象は拭えません。1970~1980年代に発表された作品が多いのですが、いくつかの作品を除いては特に意外性のないブラックユーモアという感想を抱いてしまいます。もちろん、当時は斬新だったのでしょうし、こういった作品群を基礎に今日の発展した物語構築が存在するからこそ稚拙に感じるのかもしれませんが、いまなお輝きを失っていない作品たちという評価にまでは至らないだろうと思いました。 2. あらすじ 〇定年退食 息子夫婦と穏やかに暮らす老人。健康増進効果があるといって「塩コーヒー」を好み、少し遠い区役所にも健康を意識して徒歩で向かう。無邪気に遊ぶ子供たちを見る視線も温...
茄子

漫画 「茄子」 黒田硫黄 星2つ

1. 茄子 「月刊アフタヌーン」で2000年から2002年にかけて連載されていた作品。タイトルが「茄子」だけというなんとも不思議な漫画ですが、名は体をしっかりと表しており、野菜の「茄子」が出てくるのであればどんな物語でもよい、という制約のもとで書かれた短編集となっております。 こういった短編集を出すくらいですから、著者の黒田硫黄さんはいくつか著作がありながらもそれほどメジャーな漫画家ではありません。それでも「セクシーボイスアンドロボ」くらいは聞き覚えのある人もいるのではないでしょうか。第6回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門で文部科学大臣賞を受賞しており、松山ケンイチさん主演でテレビドラマ化もされています。 本作の内容に話を戻しますと、ありがちなマイナー漫画だなぁという印象。全体的に気たるげな雰囲気が漂い、ちょっと変わった人たちがちょっと変わった行動をする様子が淡々と描かれるという作品です。私としては可もなく不可もなくですが、漫画好きでなければつまらないと思ってしまうかもしれない、というのが全体的な感想ですね。 2. あらすじ 〇3人(前後編) ...
☆☆(漫画)

漫画 「足摺り水族館」 panpanya 星2つ

1. 足摺り水族館 同人誌掲載作を集めた作品集ながら「このマンガがすごい! 2014 オトコ編」において第14位にランクインして一部界隈で注目を浴びた作品。著者であるpanpanyaさんは同人活動を中心とされている漫画家でしたが、現在は白泉社発行の漫画雑誌「楽園 Le Paradis」にて作品を連載しております。 感想としては、「このマンガがすごい! 2014 オトコ編」 へのランクインに著者自身が驚いたと述べているように、明らかに万民向けの作品ではありません。独特な絵柄と不思議な世界観が魅力だとするファンもいらっしゃるのでしょうが、一般人にとっては意味不明の一言でしょう。私もどちらかというとマイナー分野好きの人間ですが、この作品はあまり受け付けませんでした。 2. あらすじ 〇足摺り水族館 少女は親戚から貰った本に「足摺り水族館」の入場チケットが挟まっているのを発見する。翌日、チケット裏に記されていた道順を頼りに「足摺り水族館」を目指すのだが、だんだんと不思議な世界に迷い込んでしまい……。 〇イノセントワールド 京都での修学旅行の途...
うたえ! エーリンナ

漫画 「うたえ! エーリンナ」 佐藤二葉 星2つ

1. うたえ! エーリンナ 星海社(講談社100%子会社)が運営する4コマ漫画サイト「ツイ4」で連載されていた作品。古代ギリシアの女学校を舞台に、詩人を目指す女学生エーリンナの学校生活と合唱祭での奮闘を描くという異色のテーマとなっており、著者である佐藤さんがギリシア悲劇に造詣が深く、古代ギリシアの竪琴「リュラー」の演者でもあることからこそ描けたテーマだと言えるでしょう。 そういった作品ではありますので、「古代ギリシア(の女学校)文化」にまつわる部分は興味深く読めました。ただ、物語自体は凡庸で、いかにも「漫画っぽい」展開をなぞっただけという感が否めません。百科事典的な面白さだけが評価できる作品でした。 2. あらすじ 舞台は古代ギリシアのレスボス島。ギリシア史上最高の女詩人サッポーが運営する女学校には嫁入り前の女性たちが集められ、日々、花嫁修業に励んでいた。 そんな女学校に入学したエーリンナだったが、機織りのような花嫁修業科目には全く興味なし。彼女の夢は詩人になることであり、サッポー先生には特別な敬慕の念を抱いている。 しかし、古代ギリシャ...
少女終末旅行

漫画 「少女終末旅行」 つくみず 星2つ

1. 少女終末旅行 新潮社が運営するweb漫画サイト「くらげバンチ」に掲載されていた作品。単純な線が却って趣を醸し出すような絵柄が特徴的で、いわゆるバトル漫画やラブコメ、ギャグ漫画、萌え漫画という分類とは一線を画す作風です。2017年にアニメ化されており、アニメの方は本ブログでも感想を書きました。 アニメ版にオリジナル要素がほとんどなく、展開が漫画版をなぞっていることから抱く感想もほとんど同じなのですが、荒廃した世界で繰り広げられる単純な会話劇だったからこそアニメ版の方がその良さを際立たせられていたという印象です。また、漫画がアニメの終了後に完結したため双方でエンディングが異なっている(アニメ版は漫画版の途中のエピソードを締めに使っている)のですが、ここもどちらかといえばアニメ版の方が心に残る終わり方だったように思います。 2. あらすじ 舞台は激しい戦争の末に回復の見込みがないほどに荒廃した世界。人類は僅かに生存しているのみで、集団を形成するほどの人口さえ残っていない。 そんな世界を旅するのが、チトとユーリの二人組。半装軌車ケッテ...
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