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【エンタメ小説】おすすめエンタメ小説ランキングベスト10【オールタイムベスト】

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第3位 「暗いところで待ち合わせ」乙一

【視覚障がい者の女性と殺人容疑者の切ない友情】

・あらすじ

視力を失い、保険金で日々を静かに暮らすミチル。

そんなミチルは、最近、自宅で奇妙な気配を感じていた。

擦れるような小さな音が頻繁に聞こえ、誰もいないはずの空間から空気の揺らぎを感じる。

その気配の正体は、殺人事件の犯人として追われているアキヒロ。

ミチルの運命やいかに。

・短評

サスペンス調の不穏な空気で始まる物語なのですが、非常に心温まるエンディングを迎える作品となっております。

それぞれの抱える事情ゆえに、双方とも人見知りがちだったミチルとアキヒロが奇妙な同居生活の中で少しずつ距離を詰めていく様子が優しく丹念に描かれており、二人の関係が上手く行くのか否か、その緊張感と期待感を絶妙に綱引きさせながら物語は展開していきます。

あまり見かけない突飛な設定を起点としながらも、そこから友情と成長の王道物語に引き寄せていく著者の手腕には驚くばかりです。

「視覚障がい者の女性と殺人容疑者の奇妙な同居生活」という設定に引っかかるものがあれば是非、読んで欲しい一作。

小説に親しんできた人ほど、本作の珍しさと素晴らしさを理解できるはずです。

・感想記事はこちら

【暗いところで待ち合わせ】視覚障がい者の住む家に身を潜めた殺人容疑者の運命やいかに 評価:4点【乙一】
人気作家、乙一さんの文庫書き下ろし作品です。類を見ない斬新な設定と普遍的で温かな感情を共存させたこの作品。私としては乙一さんの最高傑作だと思っています。あらすじ視力を失い、保険金で日々を静かに暮らすミチル。そんなミチルは、最近、自宅で奇妙な感覚に襲われていた。擦れるような小さな音が頻繁に聞こえ、誰もいないはずの空間から空気の揺らぎを感じる。一方、とある殺人事件の犯人として追われていたアキヒロは、ミチルの家に逃げ込み、部屋の一角を居場所としていた。偶然が起こした不思議な同居。それぞれが異なる理由で怯える両者だったが、やがてその関係にも変化が訪れる。死んだように暮らしているミチルと、孤独に生きてきたアキヒロ。二人の運命やいかに......。 感想素晴らしい作品、傑作です。人との関りが苦手、という二人が出会う物語なのですが、まず、その「孤独」描写が秀逸。ただ単に「暗いと呼ばれていた」「人を避けがちだった」と描写するだけでなく、馬鹿にされたときの心理や、悔しくやり切れず、怒りを感じながらも何もできない感情。他人に「怯える」とはどういう状態かということが緻密に描かれており、物語に切迫感と現実感を...

・解説動画はこちら

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