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【アニメ】おすすめアニメランキングベスト5【オールタイムベスト】

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アニメーション
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第2位 「響け!ユーフォニアム」石原立也

京アニが贈る青春吹奏楽スポ根アニメ

黒沢ともよ (出演), 石原立也 (監督)

・あらすじ

中学校では吹奏楽部に所属していた黄前おうまえ久美子くみこだったが、高校では吹奏楽部に入るつもりはなく、入学したのも吹奏楽では落日の古豪である京都府立北宇治高等学校だった。

しかし、級友たちの誘いを断れず、久美子は吹奏楽部に入部することになる。

全体として士気が低く、練習への熱意にも温度差がある吹奏楽部ではあったが、辣腕の音楽教師、たきのぼるが顧問に就任したことで、部の雰囲気も少しずつ変わっていく。

ところが、コンクールに向けて演奏メンバーが選ばれる段になり、吹奏楽部に緊張が走るようになる。

トランペットのソロ演奏者に、三年生であり精神的にも部の中核である中世古香織(なかせこ かおり)ではなく、一年生の高坂こうさか麗奈れいなが選ばれたのだ。

敬愛される功労者と、生意気だが実力のある一年生。

「仲良しクラブ」が「強豪部活」に変わっていく過程で生まれる迸るような熱気と軋轢。

努力・友情・勝利と、繊細な人間関係の妙味が交錯する現代風吹奏楽スポ根アニメ。

・短評

大枠で見れば、公立校の弱小吹奏楽部が全国大会金賞を目指して強くなっていく古典的スポ根作品。

細部に注目すると、「努力・友情・勝利」的なテーマを掲げながらも、「努力」とは何か、「友情」とは何か、「勝利」を目指す意味とは何か、という論点についての現代的な難しさを上手く物語の起伏として取り込んでいる、平成・令和的な「部活」アニメになっております。

現代社会においては、弱小公立校の部活で「努力」をしたって将来の何かに直接結びつくわけではありませんし、盲目的に努力することを是とする風潮もありません。

その中で、なぜ自分たちは敢えて努力をし続けるのか、将来的に音楽関連の仕事をする人間のほうがよほど少数派なのに、どうして自分たちはいまこの吹奏楽部で練習に打ち込むのか。

そんな問いが常に投げかけられ、その「答え」に対する登場人物それぞれの見解や、そこから生まれる行動の差異からドラマが生まれる構造が見事です。

また、「友情」もとい「人間関係」も本作において重要な盛り上がりポイントになっております。

久美子が入部した北宇治高校吹奏楽部が長らく弱小高校に留まり続けていた理由は。

それは、ダラダラと練習することが当然だという雰囲気です。

そんな雰囲気の中で、久美子の入部前には熱心に練習をしたいと考えていた少数派の一斉退部騒動があったと明かされます。

波乱の渦中、吹奏楽部の精神的支柱として踏ん張り続け、吹奏楽部の崩壊をなんとか抑えた中世古香織には、三年生・二年生から敬愛の念が寄せられています。

香織にソロパートを演奏してもらいたい、この人に花道を用意してあげたい。

そんな感情を引き裂くことになったのが、新入生にして瞬く間にエースとなった高坂麗奈。

上級生たちが香織に寄せる想いと、麗奈の「特別な存在」に対する想いと、久美子が麗奈に寄せる想い。

そして、香織が見せるどこまでも人格者で「粋」な振る舞いが生む感動。

みんなで誰か一人を選ぶということ、勝利のために誰か一人を選ぶということ、勝利よりも友情を貫こうとすること。

強い想いが交錯する中で、意外性の強い起伏のあるドラマが展開されます。

スポーツ漫画を筆頭に、最近は「勝利」のための練習法やマインドセット、戦術、戦略といった「メソッド」の解説を重視する作品が増えてきています。

しかし、本作は「弱小校」が「強豪校」に成長していく過程における精神的な痛みに焦点を当てており、人間関係の軋轢や、努力の辛さと達成感を生々しく描くことに重点が置かれております。

非常に「ドラマ」寄りの作品であり、非常に本ブログ好みの作品です。

また、京都アニメーションならではの美麗なアニメーションと、洗足学園音楽大学を起用した豪華でリアルな演奏も見事。

光沢まで再現した楽器を操り、汗を光らせながら練習に励む高校生たちの姿はその「絵」だけで真に迫るものがありますし、実際に「音」があるからこそ、下手な演奏、上手い演奏、彼女たちの上達ぶりが手に取るように分かるのも興奮を掻き立てます。

特に、関西大会当日の様子を描いた第2期第5話ではその前編を全て演奏シーンに割いております。

課題曲及び自由曲がフルで演奏され、カメラは部員たちの表情や手捌き、譜面をひたすらに追っていくのです。

本物の演奏を、本当に演奏している様子と一緒にフルで流すという演出。

実写映画やドラマでは難しく、アニメーションという分野独自だと思います。

実のところ、深夜アニメっぽいな、という幼稚な場面もなくはないのですが、全体としてはリアル志向の爽やか青春部活アニメです。

スタンダードな「青春もの」ながら全ての要素においてレベルの高い作品。

是非、鑑賞してみてください。

黒沢ともよ (出演), 石原立也 (監督)

・感想記事はこちら

「響け!ユーフォニアム」石原立也 評価:4点|せつなく激しい人間関係が交錯する、波乱万丈の吹奏楽スポ根一筋縄ではいかない人間関係が交錯する波乱万丈の吹奏楽スポ根【青春アニメ】
2015年に放送された、高校の吹奏楽部を舞台にしたアニメーション作品。「涼宮ハルヒの憂鬱」や「けいおん!」を手掛け、深夜アニメ界隈では評価の高い京都アニメーションの制作です。原作は武田綾乃さんが著した同名小説であり、ライト文芸が全盛の文芸界ではありますが、どちらかというと昔ながらのジュブナイル青春小説という装いの作品です。「吹奏楽」がテーマなので、音声を入れられる映像表現でさらに磨きをかけられると思ったのかもしれませんが、ライトノベルでもライト文芸でもない原作で勝負をかけてくるところに、京都アニメーションが他のアニメ制作スタジオと一線を画そうとしている気概を感じます.そんな本作ですが、近年の深夜アニメでは稀にみる出色の作品であると感じました。昔ながらの「スポ根」的な要素を上手く現代に蘇らせた作品であり、なおかつ、人間関係を主軸としたヒューマンドラマを魅力的に描けている作品でもあります。時おり挟まる過度な、いわゆる「百合」描写を除けば、そのまま午後6~7時台で放送されていてもおかしくないような、そんな王道青春部活物語になっております。あらすじ舞台は京都府宇治市、主人公は高校の新入生である...

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