加えて、最終的な推理の正解も納得はできるのですが、あまり驚くべきものでもなく、それでいて、その推理結果とはあまり関係のない理由で鏡の世界でのルールを七人のうちの一人が破ったことから物語は最終盤に突入します。
あれだけ上巻で鏡の世界でのルールについて餌を撒いたからには、ルール破りや「願い」の使い道を相当凝ったものにしてくるはずだと楽しみにいたのですが、その点もややおざなりで、納得できるが感動はできないという展開で物語は締めくくられます。
全体的に、悪くはない程度の話がだらだらと続いていく印象で、文庫では上下巻に分割される超長編にも関わらず大きな中盤の山場は一つだけではあまりに「薄い」と言わざるを得ません。
酷評するほどでもないけれど、100万部売れていい作品なのか、というのが総合的な評価。
というわけで、点数は2点(平均的な作品)といたします。
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