小説 「リリアとトレイズⅠ&Ⅱ」 時雨沢恵一 星1つ

一つの大陸の物語 リリアとトレイズ アリソン
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1. リリアとトレイズⅠ&Ⅱ

「一つの大陸の物語」シリーズの第2幕にあたり、第1幕である「アリソン」の続編になります。「アリソン」のレビューはこちら

小説 「アリソン」 時雨沢恵一 星2つ
1. アリソン「キノの旅」シリーズで有名な時雨沢恵一さんの作品で、後続のシリーズ作品群と合わせて「一つの大陸の物語シリーズ」と呼ばれています。戦闘機が出始めごろの時代における架空の大陸を舞台に、孤児院育ちの青年男女が国を跨いで活躍する冒険活劇、というなかなか珍しいジャンル。「剣と魔法」ならぬ「銃と戦闘機のファンタジー」という形容が相応しいかもしれません。深い感動、というわけにはいきませんでしたが、ライトノベルというよりは往年の児童向けファンタジーを思い起こさせるポップな文体でスラスラ読むことができました。アリソン (電撃文庫)posted with ヨメレバ時雨沢 恵一 メディアワークス 2002-03-01AmazonKindle楽天ブックス楽天kobo

活躍するのは「アリソン」で主人公だったアリソンとウィルの子供世代。

「アリソン」が「世界を救うアドベンチャー」だったのに対して、「リリアとトレイズ」は突発的に起こるテロと対決する内容がメイン。しかも、「孤児院出身の二人が知恵と勇気で」という部分がなくなってしまい、「豊かな階層出身の二人が両親から授けられた特殊技能で」となってしまったのが痛いところ。

ワクワクドキドキを呼ぶような作品にはなっていませんでした。

2. あらすじ

大きな海に一つの大陸が浮かぶ世界。

その大陸では、山脈と大河を挟んで二つの国が対峙していた。東側がロクシアーヌク連邦。通称ロクシェ。西側がベゼル・イルトア王国連合。通称スー・ベー・イル。

長年の対立状態にあった両国だが、とある「お宝」の発見により対立も解消の兆しを見せ始め、世界は久方ぶりに平和を取り戻しつつあった。そんな中、ロクシェ首都の第四上級学校に通うリリアは、母親であるアリソンとの旅行を夏休みに計画していた。

しかし、軍人であるアリソンに急な訓練が入り、「母親と」行く計画は挫折。その代わり、幼馴染であるトレイズと一緒に行くことに。二人が目指したのは伝統ある観光地、ラーチカ。しかし、近年は他の観光地の興隆により観光客が減少しているようだった。

そんな中、街を散策する二人は遊覧飛行を体験する。その途中、遭難した機体を発見。救助に向かう二人とパイロットのマテオ。しかし、遭難機の主はマテオを撃ち殺してしまい......。

「銃と戦闘機のファンタジー」、第2幕の顛末やいかに……。

3. 感想

世界が平和になってしまったうえ、主人公二人は中産階級の娘と王子様なのでいまいち緊張感がありませんし、共感もなかなか難しいです。フィクション作品なのですから、単に登場人物の命が危ないだけでは読者がハラハラすることはありません。

読者にとって応援したい人物か否か、そこが冒険モノの命運を分けるのにもかかわらず、いまいち魅力的ではないところが残念。ストーリーも一本調子なうえ、伏線が上手いわけでもなく、結局のところ飛行機操作技術で勝負がついてしまいます。

これでは一部の航空機マニア以外面白くないでしょう。シリーズとしては失速を感じました。

リリアとトレイズⅢ&Ⅳに続く

小説 「リリアとトレイズⅢ&Ⅳ」 時雨沢恵一 星1つ
1. リリアとトレイズⅢ&Ⅳ「一つの大陸の物語」シリーズの第2幕、「リリアとトレイズ」の第2話にあたります。ⅠとⅡで第1話、ⅢとⅣで第2話、ⅤとⅥで第3話という変わったナンバリング構成。Ⅰ&Ⅱの感想はこちらです。今回も王家を狙ったテロを解決する話。雄大な冒険譚が魅力だった「アリソン」と比べると、シリーズもののドラマのような、お決まりパターンな展開でした。リリアとトレイズ〈3〉イクストーヴァの一番長い日〈上〉 (電撃文庫)posted with ヨメレバ時雨沢 恵一 メディアワークス 2006-03-01AmazonKindle楽天ブックス楽天kobo

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