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【大人になれ、オトコになれ】映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」庵野秀明 評価:3点【アニメ映画】

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ヱヴァンゲリヲン新劇場版序
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1990年代に放映されたアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の劇場版であり、原作を再構築(リビルド)した作品として製作されております。

90年代の作品ではあるものの、凄まじい人気はいまでも健在。

現実世界でも様々なコラボが行われているため、アニメ好きという方でなくとも名前くらいは知っているのではないでしょうか。

そんな名作のリメイクである映画シリーズは4部作となっており、これまで3作品が公開されております。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」

舞楽における幕構成の概念「序破急」からタイトルが取られており、公開年はそれぞれ、2007年、2009年、2012年と、長い時間をかけて製作されているシリーズになっております。

ファンの方々の忍耐強さと、人気の根強さが伺えますね。

そんな三作品を視聴してみたのですが、特に「序」と「破」は良作だと感じました。

頼りなくて幼稚な自己認識・世間理解しか持っていなかった少年が大人の「オトコ」になっていく。

その過程を生々しく迫力満点に描写している側面に文学性すら感じる作品です。

(本記事では「序」の感想を述べ、「破」以降の感想は別記事に続きます)

出演:緒方恵美, 林原めぐみ, 三石琴乃
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あらすじ

地球の総人口の半数を死に至らしめた「セカンドインパクト」から15年後の世界。

中学2年生の碇シンジ(いかり しんじ)は父である碇ゲンドウ(いかり げんどう)に呼び出され、新第3東京市へとやってくる。

しかし、ゲンドウが最高司令官を務める特務機関NERV所属の軍人、葛城ミサト(かつらぎ みさと)が運転する自動車で移動している途中、国連軍と「使徒」との戦いに巻き込まれてしまう。

どこからともなく現れ、人類を襲う「使徒」という怪物。

劣勢の国連軍を尻目に、ミサトはシンジをNERVの地下基地であるジオフロントに案内する。

そこでシンジが目にしたのは、人類が使徒に対抗するために開発された「汎用ヒト型決戦兵器エヴァンゲリオン」。

エヴァに乗って戦え。

ゲンドウがシンジを呼び出した理由、それは、エヴァに搭乗して使徒と戦わせるためだったのである。

命がけの戦闘を強いるために自分を呼び出した父の意図に失望し、戦闘への恐怖から登場を拒否するシンジ。

しかし、その場で代わりのパイロットとして呼び出されたのは、重傷を負って立つことすらままならない綾波レイ(あやなみ れい)という少女で......。

感想

実は中学生の頃に原作となるアニメシリーズを視聴したことがあるのですが、あまり記憶に残らなかったんですよね。

しかし、大人になってからあらためて本作を視聴して見ると、実によくできた作品だということが理解できました。

疎遠な父親から急に呼び出され、期待と不安が交錯する心情の碇シンジ。

そんなシンジに突きつけられるのは、自分は「兵士」になるため呼び出されたということ。

幼少期に母を喪い、父とも疎遠で、愛情に飢えていた碇シンジ少年(※)。

(※といっても、さらに過去の時代においては両親から引っぱたかれるのも普通だったようですし、それこそ、少年時代から労働や育児(下の子供の面倒を見る)のが当たり前だったのですから、両親からべったりと愛情を注いでもらっていないと愛情が不足するなんて、それこそ贅沢な物でしょう。過度な愛情期待に溺れ過ぎている世相を最近では感じます)

そんな少年が抱いていた仄かな期待は見事に打ち砕かれるわけです。

そして、搭乗を拒否するシンジには更なる心理的試練が突きつけられます。

自分と同じ年代の少女が、救急用のベッドに横たわり、包帯を巻かれ、点滴の針が刺さった状態で運ばれてきて、彼女こそが自分の代理パイロットだと告げられるのです。

彼女を乗せるのか、自分が乗るのか。

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