【創作論】「1518! イチゴーイチハチ!」の設定から考える、現代の学園漫画において生徒の多様性を描く困難

イチゴーイチハチ

「1518! イチゴーイチハチ!」という漫画が好きです。

王道の青春学園漫画であり、真摯に楽しく高校生活を謳歌する登場人物たちの姿に胸をうたれる作品になっております。

そんな「1518! イチゴーイチハチ!」の舞台になっているのが「松栢学院大付属武蔵第一高校」という埼玉県の私立高校。コースが偏差値順に「選抜」「特進」「情報」の3つに別れており、それぞれのコース内でクラスが組まれています。「情報」にはスポーツ推薦で入学した生徒も多いため、スポーツコースと茶化されたりもするという設定。

本作は生徒会活動を中心に描いた作品ですので、それぞれのコースから集まった生徒会役員たちが友情を深めていく物語になっております。

読んでいるあいだは夢中になって気づかなかったのですが、あらためてこの設定を眺めると、上手く考えたなと思います。

現実問題として、都市部であればあるほど一つの高校には同質な生徒が集まりやすい傾向があります。

普通科の高校は偏差値ごとに階層が細かく区切られているため、知能や家庭環境の似通った生徒が集まりやすくなっており、工業や商業、情報系や芸術系といった特色ある学科にはその学科に惹きつけられるような生徒ばかりが集まります。

そのため、リアルな高校を書こうとすればするほど、性格やバックグラウンドが多彩な登場人物を出すのが困難になってしまいがちです。

その点、マンモス私立の学科混合生徒会という設定でこの現実的制約を回避しているのが本作。

情報コース出身者として初の生徒会長になった人物から、東京大学合格に向けて努力する選抜コースの秀才までが集まる生徒会の姿が無理無く描かれているのです。

考えれば考えるほど、現代において多様な生徒を一つの集団に混在させる手法はこれしかないのではないかと思えてきます。

リアル志向の学園物語を描く機会があれば使ってみたい設定です。

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「1518! イチゴーイチハチ!」の感想記事はこちら

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