人生観

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生き方・自己啓発

「幸福論」バートランド・ラッセル 評価:3点|様々な自己啓発本の種本になっている「幸福」についての古典的佳作【生き方】

数学、論理学、哲学、そして文学の世界で多大な功績を残したイギリスの学者、バートランド・ラッセルの著作。1950年のノーベル文学賞を受賞するほどの文筆家であったラッセルが著す「幸福論」は、ヒルティ及びアランの「幸福論」と並ぶ三大幸福論の一つとして知られています。その内容は、この「幸福論」こそが様々な自己啓発論の源流になっているのだなと思わせられるものでした。目新しくはないものの、現代でも様々な本で言及される「人生を幸福に生きるコツ」の最大公約数が網羅されており、やや難解な英文翻訳調の文章に対して抵抗がなければ、安っぽい自己啓発書を読むよりも本書を一読する方が良いと思われます。また、賢者の誉れ高いラッセルらしく、自己啓発の域を超えた社会論的な側面も記述されています。ラッセルという賢人が世の中をどのように見ていたのか、世の中がどのように変化していくと考えていたのかという思索を覗き見られるという利点も備えた作品になっております。目次・第1部 不幸の原因第1章 何が人びとを不幸にするのか第2章 バイロン風の不幸第3章 競争第4章 退屈と興奮第5章 疲れ第6章 ねたみ第7章 罪の意識第8章 被害妄...
生き方・自己啓発

【生き方】「人生の短さについて」 セネカ 星2つ

1. 人生の短さについてローマ帝国時代に活躍したストア派哲学者、ルキウス・アンナエウス・セネカの著作。人生論とでも銘打つべき随筆であり、過激な衝動を抑え、理性によって生きるべきだというストア派哲学の思想を基盤としつつ、「よい生き方」とは何かが語られております。とはいえ、その内容は現代の自己啓発本と比しても凡庸というレベル。随所に顔を出す面白い表現に感心させられることはありましたが、特段に斬新で心に響く書籍というわけではありませんでした。2. 目次章分けなし。岩波文庫版では、表題作「人生の短さについて」のほか、「心の平静について」と「幸福な人生について」を収録。3. 感想「人生の短さについて」というタイトルに反し、本書におけるセネカの主張は「人生は本来、十分に長いものだが、多くの人々は人生の時間を浪費してしまうため人生を短いものだと感じてしまっている」というもの。古典にしてはなかなかタイトルの付け方が上手いですよね。「人生の長さについて」なんてタイトルにするより、よほどキャッチーで煽り文句としては優秀だと思います。そして、本書の主旨はもちろん、「人生は本来、十分に長いものだが、多くの人々...
なんだこの人生

【なんだこの人生 日曜しか生きた心地がしない社畜OLの日常】労働に打ちひしがれ虚無な日々に絶望する新米社会人の苦悩 評価:2点【橋本ゆの】

1. なんだこの人生奇妙なタイトルの作品ですが、調べてみるとTwitter発のコミックエッセイということでそれも納得できます。橋本ゆのさん(@riko3_)という現時点で4.5万人のフォロワーを抱える人気ツイッタラー(インフルエンサー?)さんが出版する初の単行本とのこと。ポップな雰囲気の表紙やタイトルに違わず気軽に読める内容ですが、反面、現代社会においてサラリーパーソンとして働くことの意義について考えさせられる作品でもありました。社会から受ける暗黙の要請に応じて学校に通い、これまた暗黙の要請に応じて会社に入って働いているのに、まさに「なんだこの人生」と思ってしまうような生活を送っている方々には刺さる作品だと思います。2. あらすじ 藤井香菜子(ふじい かなこ)は都心で働くOLで、社会人二年目。しかしながら、キラキラした生活とは縁遠い日々を送っている。「毎日満員電車に乗りつらい思いをして働き、土曜は一日中寝ていて活動しているのは日曜だけ……という1週間を過ごす。こんな生活が1年後も5年後も10年後もずっとずっと続くと考えると本当に心が折れそうになる。社会人生活はこんなはずではなかった」な...
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