海外映画

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アナと雪の女王

「アナと雪の女王」クリス・バック 評価:4点|巧みな比喩表現で語られる「真の愛」【ディズニー映画】

2013年に公開されたディズニー映画。世界中で大ヒットした超有名作です。日本でも興行収入歴代3位となる255億円を記録しており、2019年現在でさえ本映画の名前を知らないという人の方が少ないでしょう。 松たか子さんが歌った劇中歌の"Let it go"(の日本語訳版)もブームになりました。私は今更ながらに初視聴してみたのですが、評判に違わずいい映画だったというのが正直な感想。シンプルに「愛」や「勇気」についての物語として観ても面白いですし、これまでのディズニー、あるいは旧い社会の固定観念を振り払うためのメタ社会的な物語としても深みがあります。表面をさらっても楽しむことができ、それでいて真理や深遠さも備えている。そんな作品の一つです。あらすじ舞台はアレンデール王国、主人公は二人の王女アナとエルサ。姉であるエルサは幼少の頃から氷の魔法に長け、その魔法を使ってアナと一緒に遊ぶことが多かった。しかしある日、エルサは誤って氷の魔法をアナに命中させてしまい、アナは意識不明の重体となってしまう。トロールによる治療でアナは回復した一方、エルサはアナを傷つけてしまったことを悔い、暴走する自分の魔法力を自...
ボヘミアン・ラプソディ

「ボヘミアン・ラプソディ」ブライアン・シンガー 評価:3点|「クイーン」のボーカル、フレディ・マーキュリーの情熱と悲愴を描いた伝記映画【海外映画】

1970~1980年代に活躍したロックバンド、「クイーン」のボーカルだったフレディ・マーキュリーの生涯を描いた伝記映画。現在も日本全国で公開中ですが、既に2018年を代表する大ヒット映画と呼べるほどの興行収入を挙げている作品です。公開後にSNSで大きく話題になったことから、公開から日を重ねるごとに観客が増えていくという現象が起きているらしく、まさに二十一世紀型の大ヒットだと言えるのではないでしょうか。平成最後の年だから思うのかもしれませんが、インターネット隆盛時代だからこそのヒットコンテンツなのかもしれません。というのも、本作はストーリーよりもライブシーンに強く惹かれるタイプの作品であり、まさに「臨場感」が売りの作品だといえるからです。消費が「モノ」から「コト」に移っているとも評される今日ですが、実際、音楽業界でもCDの売り上げが落ちならがらもライブの売り上げが伸びているようです。伝統的な祭りが衰退し、日常でも空気感による抑制で羽目を外しづらくなったいま、「集まって騒ぐ」という機会が希少価値として高まっているのかもしれませんね。個人的にもライブシーンには感じるものがありましたが、やはり...
ローマの休日

【永遠不朽のデートムービー】映画「ローマの休日」 ウィリアム・ワイラー 評価:4点【海外映画】

1953年の公開以来、世界的名作としてその名を轟かせているビッグタイトル。オードリー・ヘプバーンの初主演映画としても有名で、この作品でいきなりアカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得しています。他にも、最優秀衣装デザイン賞や最優秀原案賞を獲得するなど、大きなセンセーションをもたらした作品です。いま観るとベタにも見えるストーリーなのですが、それは本作が新しい「ベタ」をつくりだした作品だから。「『ローマの休日』的物語」という王道を編み出した元祖作品であり、そのベタさは称賛に値すべきなのです。そして、物語だけでなく役者たちの演技も超一流。常に視線を釘づけにされ、画面から目が離せなくなってしまいます。色褪せない新しいスタンダードを築いた輝かしい古典作品。必見の一作と言えるでしょう。あらすじヨーロッパ某国の王女アンは公務でのヨーロッパ周遊中にローマを訪れていた。分単位のスケジュールと、決まりきった形式的対応を迫られる生活に辟易するアン。ローマ滞在初日の夜、我慢ならなくなったアンは、監視の目をくぐり抜けて街へと脱出する。そんなアンに街中で出会ったのは、新聞記者であるジョー・ブラッドレイ。ジョーは当初、ア...
街の灯

「街の灯」チャールズ・チャップリン 評価:2点|切ないラストシーンが印象的なチャップリンの代表作【コメディ映画】

1931年に発表された映画で、映画好きの間では定番の作品だそうです。チャップリンの代表作の一つということで見てみました。筋書きは面白いのですが、やはり全体的に表現が冗長だと感じます。あらすじチャップリン扮する浮浪者の男は、おふざけばかりの生活で日常を過ごしていた。そんな男はある日、花売りの少女に一目惚れしてしまう。本来ならば見込みがない恋だが、花売りの少女は盲目であり、ひょんなことから男のことを別の大金持ちと取り違えてしまう。貧しい盲目の女性に献身しようと男は身を粉にして働くようになるのだが、男は大富豪の家に入った強盗として逮捕されてしまい.......感想もうちょっと圧縮できるのに、というのが正直な感想です。テンポの良い現代の作品と比べてしまうとかなり冗長に感じてしまいます。各コメディシーンも、当時は斬新だったのかもしれませんが、いまとなってはややグダグダ感があり、一般の視聴には堪えないでしょう。映画好きは細かいところをいろいろ褒めるのかもしれませんが、フィクション作品である以上、気づかれなければ存在しないことと同じです。ただ、ラストシーンはやはりジーンときました。短い「You?」の...
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