【短編アニメ】おすすめ短編アニメランキングベスト5【オールタイムベスト】
【青春恋愛】漫画 「ママレード・ボーイ」 吉住渉 星1つ
1. ママレード・ボーイ1990年代、毎月250万部近い発行部数を誇っていた全盛期の「りぼん」で看板級の人気を持っていた少女漫画。累計発行部数は1000万部以上、アニメ化及びドラマ化も果たしており、時代を代表した作品の一つだと言えるでしょう。しかしながら、個人的な感想としては凡作を下回って駄作という印象。物語として感動するポイントが全く見当たらず、やっつけ仕事のような展開ばかりが繰り返される光景に辟易としながらなんとか読み切った次第です。2. あらすじ主人公は女子高生の小石川光希(こいしがわ みき)。ある日、両親である小石川仁(じん)と小石川留美(るみ)から、離婚してそれぞれが新しいパートナーと結婚するつもりなのだと告げられる。その新しいパートナーというのも、松浦要士(まつうら ようじ)と松浦千弥子(ちやこ)という夫婦。いわば、小石川夫婦と松浦夫婦でパートナーを取り換えるという話なのである。しかも、新しい家族同士で同居したいとまで言うのだから、光希の頭は大混乱。あまりに無茶苦茶な両親の行動に対して断固反対の立場をとる光希だったが、松浦夫妻の息子である松浦遊(ゆう)はどこ吹く風。なし崩し...
【生き方】「人生の短さについて」 セネカ 星2つ
1. 人生の短さについてローマ帝国時代に活躍したストア派哲学者、ルキウス・アンナエウス・セネカの著作。人生論とでも銘打つべき随筆であり、過激な衝動を抑え、理性によって生きるべきだというストア派哲学の思想を基盤としつつ、「よい生き方」とは何かが語られております。とはいえ、その内容は現代の自己啓発本と比しても凡庸というレベル。随所に顔を出す面白い表現に感心させられることはありましたが、特段に斬新で心に響く書籍というわけではありませんでした。2. 目次章分けなし。岩波文庫版では、表題作「人生の短さについて」のほか、「心の平静について」と「幸福な人生について」を収録。3. 感想「人生の短さについて」というタイトルに反し、本書におけるセネカの主張は「人生は本来、十分に長いものだが、多くの人々は人生の時間を浪費してしまうため人生を短いものだと感じてしまっている」というもの。古典にしてはなかなかタイトルの付け方が上手いですよね。「人生の長さについて」なんてタイトルにするより、よほどキャッチーで煽り文句としては優秀だと思います。そして、本書の主旨はもちろん、「人生は本来、十分に長いものだが、多くの人々...
【娯楽雑記】生配信スタイルのVtuberは落語の正統後継者であり、人気を得るのは当然だと思う
「雑談」だけで1億円?日経新聞の「雑談で1億円」という見出しは煽りも込みなのでしょうが、特に人気有名Vtuberたちが配信で行う「雑談」が辞書的な意味での単なる「雑談」でないのはVtuber視聴者であれば了解済みのことと思います。彼/彼女たちは予め話題を用意し、その話題をどう料理していくかを考え、人によってはリスナーの反応まで先読みして応答を考えているでしょう。「雑談」配信すら作りこまれたネタであり、純粋な「雑談」とは似て非なるものです。まるで雑談をするかのように、作りこまれたネタを話す。そのスタイルはまさに、落語と同じだと言えるでしょう。雑談配信に限らず、例えばゲーム配信でも同じことです。同じネタ(ゲーム等)をプレイしていても、演者によって全く違う配信になるという側面も落語に似ていますし、その日の客層や客席の反応を見て柔軟に演じ方を変えていくのも同じ。しかも、自分自身としてではなく、架空のキャラクターになりきって演じるという点も同じです。加えて、その架空のキャラクターの設定としての個性と、演者の個性が適度にミックスされて作品が完成する、という点もまさに落語と同じ。落語においても、話す...
【雑記】ニコ生での配信経験が履歴書に書ける「実績」となっているこの世界について
1. 記事内容まとめ・人気Vtuberの多くは元生主(ニコニコ動画でのライブ配信者)・若年期に「ゲーム」や「雑談」配信に時間を費やして得た実績が高収入に繋がっている・十代における「発信活動」が「勉強」や「部活」に並ぶ価値を持つ時代が来ているのでは?2. Vtuberがとても儲けているようだ私は以前からVtuberの配信をよく見ており、エンタメとして非常に楽しませてもらっております。そして同時に、新しいビジネスとしての側面にも興味を抱いておりました。Vtuberの方々の収入源と言えば、YoutTubeの広告料やグッズ販売のほかに、スパチャ(スーパーチャットの略)というYouTube上における投げ銭があります。厳密には単なる投げ銭ではなく、生配信にコメントをする際、お金を払うことで自分のコメントに色を付けることができるという機能であり、これによって自分のコメントを目立たされることができ、場合によっては配信者から固有の反応を引き出すことができるという代物です。Vtuber界隈ではこのスパチャを大量に投稿する「スパチャ文化」が盛んで、2020年8月にスパチャ累計額のランキングが発表された際には...
もはや学校は何かを学ぶ場所ではなく、テストを受けに行く場所になっているのではないか
・プロローグ音楽の授業を受けたって歌や楽器は上手くならないし、美術の授業を受けたって絵や彫刻は上手くなっていない。体育の授業で「身体の動かし方」を勉強したから運動が前よりもできるようになったなんて経験もないし、五教科の授業さえ、先生の言ってることがちんぷんかんぷんでどうにも理解できない。学校の授業って、何の意味があるんだろう。もちろん、国数社理英音美体のそれぞれが将来役に立つっていうことくらい、ぼんやりとは分かってる。でも、学校に通ったって、授業を受けたって、授業から得られるものなんてないじゃん。学校の授業が「役に立つ」能力を伸ばしてくれないじゃん。五教科の筆記テストで良い点を獲るのは塾に通っている人ばっかりだし、音楽や美術、体育の授業で活躍するのは、ピアノを習っていたり、絵画教室に通っていたり、部活や学校外のスポーツチームに入って練習している人ばかり。決して、学校の授業や課題を頑張っている人じゃない。・運動塾(体育塾)の誕生この問題を考え始めるきっかけになったのは、幼児・小学生向けの「体育塾」や「運動塾」が相次いで開校され、人気を博しているという新聞記事を随分前に読んだことです。以来...
【青春学園】テレビドラマ 「野ブタ。をプロデュース」 監督:釼持誠 星2つ
1. 野ブタ。をプロデュース2005年に放送され、大ヒットした学園ドラマ。亀梨和也さんと山下智久さんのダブル主演に加え、いまはもう芸能界を引退した堀北真希さんがヒロインを務めておりました。主演の二人が歌う主題歌「青春アミーゴ」が200万枚以上を売り上げ、甲子園の入場曲になるなど、まさに社会的インパクトがあったドラマです。その人気は現在も衰えることなく、2020年には特別編の再放送があり、話題となりました。そんな本作ですが、さすがに大人になってから見返すと痛々しくて見ていられないような場面や演出も多く、第2話までの鑑賞が限界でした。しかし、寒いノリだけに頼った凡百のドラマとは違い、確かに大ヒットドラマになるべきだと思わされるような深い要素も多く、語るべき側面がある作品であるとも感じられました。2. あらすじ主人公は高校2年生の桐谷修二(きりたに しゅうじ)。明るい性格でクラスの人気者だが、それは彼自身が演じている虚像に過ぎない。彼の本当の性格は、計算高い冷徹漢。常にゲーム感覚で生きており、教室での人間関係や自分自身のイメージも打算によって作り上げている。そんなある日、修二の所属する2年B...
【メディア論】NHKが生き残るには、今後どのような番組を製作するべきなのか
より「公共」な存在であるべき「NHKから国民を守る党」の台頭や武田総務大臣のNHKに対する厳しい姿勢など、昨今、公共放送として長くメディア界に君臨してきたNHKに対して逆風が吹いております。個人的には、一部の重厚なドキュメンタリーであったり、社会問題を取り上げる特集などは、他のメディア媒体がなかなか実行することはできないながらも世の中全体にとって重要なことであり、このような番組に対して国民全体で料金を支払えというのは分からなくもありません。しかし、一部のバラエティ番組や歌番組、スポーツ中継など、明らかに「公共」の問題について焦点を当てていない番組も多く見られ、近年、その割合は増加しているように感じます。加えて、ニュース番組の中でもそういった「軽い」話題の放送時間が増加傾向にあるようです。NHKの「バラエティ重視」「バラエティ化」についてはメディアでもその傾向が言及されています。百歩譲って、過去の時代には、民放の放送が少ない地域に歌番組やスポーツ中継を届けることにも一定の公共性があったのかもしれません。しかし、時代は変わりました。NHKにお金を支払う代わりに、インターネット回線やケーブル...
小説 「老人と海」 ヘミングウェイ 星4つ
1. 老人と海「武器よさらば」や「誰がために鐘は鳴る」などの作品で知られるアメリカの小説家、アーネスト・ヘミングウェイの代表作で、ノーベル文学賞受賞のきっかけとなった作品だとされています。新潮文庫の100冊に何十回も選出されるほど日本でも親しまれている作品であり、名実ともに人気を博している古典文学だといえるでしょう。「老人を主人公とした武骨な冒険小説」という類例は現代文学に至ってもなかなか類似例がなく、文学界においていまなお稀有な立ち位置を維持しております。そんな「老人と海」ですが、評判に違わず傑作といえる作品でした。広漠とした海を舞台に、人間とカジキマグロが情熱的な大勝負を闘う。その迫力と余韻の素晴らしさに、思わず感嘆のため息が出てしまいました。2. あらすじ舞台はキューバ、主人公は老漁師のサンチャゴ。大型魚の一本釣りで生計を立てていたサンチャゴだったが、ある日を境に数か月もの不漁に陥ってしまう。いつも漁を手伝ってくれていた弟子の青年マノーリンも、両親の指示によって別の漁船に乗ることになってしまい、サンチャゴは一人で漁に出る日々が続いていた。かつては凄腕漁師だったサンチャゴも、さすが...
アニメ映画 「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 監督:石立太一 星2つ
1. 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン京都アニメーションが手掛ける同名テレビアニメシリーズの映画版で、2020年9月18日に公開されました。既に100万人近い動員数と10億円以上の興行収入を記録しており、十分に大ヒットだと言えるでしょう。しかし、個人的にはやや凡庸な映画だったという印象を受けました。もちろん、美麗なアニメーションや音楽は流石の高品質だったのですが、欠点として、戦争描写の非現実性や、物語の最終目的が「愛している」の意味を知るという点が鼻につきます。手紙の代筆を通じて家族や恋人を繋ぐ役割を果たす代筆屋の物語、という比較的リアル路線の部分が感動への訴求点となっている作品だったので、なおさら、時おり露呈するいかにも「深夜アニメ」や「ラノベ」的側面が本作の足をかなり引っ張っているように思えたのです。2. あらすじ4年間に渡る大陸戦争が終結してから幾何かの時間が経過し、世界には久方ぶりの平和が訪れていた。ライデンシャフトリヒ国の首都ライデンに住む18歳の少女、ヴァイオレット・エヴァーガーデンもそんな平和を享受して暮らす人物の一人である。戦時には陸軍の女子少年兵として従軍し、...
「ジャンヌ・ダルク フランスを救ったオルレアンの乙女」木村尚三郎・高瀬直子 評価:3点|神に愛された最強の英雄物語【学習漫画】
集英社から発売されている「学習漫画・世界の伝記」シリーズ。世界史上で活躍した様々な人物の生涯を漫画で紹介するというシリーズの中から、今回はたまたま興味を持って読んだ「ジャンヌ・ダルク」のレビューをいたします。小学生向けに書かれた学習漫画だけあって非常に読みやすく、(おそらく本作の狙い通りに)ジャンヌ・ダルクの生涯について知見を深めることができました。それにしても、本当に奇跡のような生涯で、時おり起こるまさに漫画のような展開はそれが歴史的事実であるという点において驚愕させられます。あらすじ1412年1月6日、フランス東部ドンレミ村の農家に一人の少女が生まれた。ジャンヌと名付けられたこの赤子こそ、後にフランスの英雄となるジャンヌ・ダルク。このとき、フランスはイギリスとの百年戦争を戦っており、戦況は劣勢。パリを中心とする北部はイギリス側についたブルゴーニュ公の手に落ちており、フランス側を率いるシャルル王太子はシノンという町でひっそりと身を隠している有様だった。そんな戦争の渦中で育っていたジャンヌだったが、13歳のある日、神からのお告げとして「天使の声」を聞く。「王太子シャルルに会い、彼を国王...
【空き家問題を考える】教養書「老いた家、衰えぬ街」野澤千絵 評価:2点【住宅政策】
明治大学政治経済学部の教授で、都市計画やまちづくりを専門とする野澤千絵氏の著作です。近年は報道番組等でも取り上げられることも多い「空き家」の問題について、その現実的な弊害と解決の難しさ、講じられている方策、そして、一人一人が住まいの「終活」をする重要さが説かれています。各論的な項目が多く、包括的な枠組みに欠ける点がやや難だとは思いましたが、空き家が解消されない要因と、関係ないと思っていても思わぬきっかけから当事者になってしまう可能性についての言及、そして、日本や世界で行われている様々な解決策についての紹介など、この分野における多様な知識を得るのにはそれなりに有用な新書でした。目次第1章 国民病としての「問題先送り」症候群第2章 他人事では済まされない相続放棄第3章 世界でも見られる人口減少という病第4章 空き家を救う支援の現場から第5章 さあ「住まいの終活」を始めようはじめに住宅政策は本ブログが継続的に関心を持っている分野であり、これまでも「住宅政策のどこが問題か」や「新築がお好きですか? 日本における住宅と政治」といった著作を取り上げてきました。こうした著作の中でしばしば指摘されてい...
「冬の巨人」古橋秀之 評価:1点|真冬のような虚無が広がる何もない小説【ライトノベル】
「ブラックロッド」で第2回電撃ゲーム小説大賞を受賞してデビューした、古き良きライトノベル作家である古橋秀之さんの作品。本作の人気は非常に根強く、2007年に徳間デュアル文庫から刊行されたのち、2014年には富士見L文庫から新装版が発売されております。フジテレビの「世にも奇妙な物語」で映像化もされた、「ある日、爆弾が落ちてきて」と並ぶ著者の代表作といえるでしょう。そんな「冬の巨人」ですが、全体的な感想としては、あっさりし過ぎ、薄味すぎといったところです。冒険SFファンタジーの定番要素がこれでもかと並べ立てられるのですが、それぞれの掘り下げ方があまりにも浅く、心に引っかかる箇所が何もないからこそすらすらと読めていける作品になってしまっています。あらすじどこまでも極寒の雪原が広がる世界で、黒い塔のような巨人が背を曲げて歩き続けている。そんな異形の巨人"ミール"の背の上に、人間たちは都市を築いて生活していた。主人公であるオーリャも都市の住民であり、神学院でディエーニン教授の助手を務めることで生計を立てている。ある日、野外調査のため気球で上空へと飛び立ったオーリャは、そこで空を舞う謎の少女、レー...
【場末の歌手と厳格な教会】映画「天使にラブソングを」エミール・アルドリーノ 評価:4点【アメリカ映画】
1992年に公開されたハリウッド映画で、大ヒットしたために日本でもよく知られているタイトルとなっております。金曜ロードショウでも合計6回放送されており、最新の放送は2020年の5月と、近年でもその人気は衰えておりません。そんな本作を今回初視聴したのですが、非常に満足できる映画でした。テーマもテンポも物語の起伏も素晴らしく、常にわくわくしながら観ていられる作品です。あらすじナイトクラブで歌手をしているデロリスはマフィアのボスであるヴィンスの愛人でもあった。ある日、ヴィンスから貰ったコートにヴィンスの妻の名前が入っていたことにデロリスは激怒する。怒り心頭のデロリスがヴィンスの部屋を訪れたとき、マフィアの下っ端が裏切りの濡れ衣を被せられてヴィンスとその側近に始末される現場をデロリスは目撃してしまう。必死の逃亡を図って警察署に駆けこんだデロリスは警察の保護下に置かれることになったものの、殺人現場の目撃者としてマフィアから狙われているデロリスを匿う場所を選ぶのは難しい。そんな中、デロリスの警護担当となったサウザー警部補がデロリスの隠匿場所として選んだのは聖キャサリン修道院。修道院になど絶対に馴染...