「ヨコハマ買い出し紀行」芦奈野ひとし 評価:4点|滅びゆく世界が生み出す静かな感動【近未来日常系漫画】
1994年から2006年まで「月刊アフタヌーン」に連載されていた漫画であり、敢えてジャンル分けするならば「近未来日常系」とでも呼べる作品です。誰もが知っているような有名作ではないかもしれませんが、2007年の第37回星雲賞コミック部門を受賞するなど、SFとしての評価も界隈では高い漫画となっており、隠れた実力派という位置づけが適切でしょう。文明が後退した世界を長閑に生きる人々の、少し不思議でなぜだかとても感動的な日常に打ちのめされること間違いなしの傑作です。あらすじ海面上昇に伴って現在の沿海部が水の底に沈み、文明が後退してしまった日本が舞台。女性型ロボットである初瀬野アルファ(はつせの あるふぁ)は三浦半島の「西の岬」で「カフェ・アルファ」を経営している。といっても、一日に2,3人お客さんが来ればよいほうの暇なお店で、アルファはとても長閑に日常を暮らしていた。近所に住む「おじさん」や、その孫である「タカヒロ」と交流したり、ヨコハマへ買い出しに出かけたり、少し長めの旅に出たりする中で、アルファは様々な人々との出会いと別れを経験する。よもや人類には滅亡の運命しか残されていない「夕凪の時代」に...
2022.01.24
ヨコハマ買い出し紀行☆☆☆☆(漫画)作品の感想