☆☆(教養書)

生き方・自己啓発

【メンタリストによる恋愛指南】教養書「イケメンはモテない」仮メンタリストえる 評価:2点【恋愛心理学】

恋愛テクニックについての動画を専門とし、登録者数35万人超を誇る人気YouTuber「仮メンタリストえる」さん。 彼がYouTubeで紹介した恋愛テクニックを凝縮した著作が本作となります。 数多くの「モテテクニック」が紹介されており、ハウツー本として一定の価値はあるのでしょう。 ただ、「恋愛慣れしていない男性」向けであると銘打ちながら不親切な部分が多く、本当に「恋愛慣れしていない男性」が本書を使いこなせるかと言われればかなり疑問です。 加えて、アカデミックな心理学解説本や面白い雑学本という枠組みとしてもイマイチ。 最近流行している心理学ベースの「恋愛テクニック」を知識として仕入れることができるという程度の価値しか持っていない本という評価です。 目次 Part1 出会いPart2 LINE編〈初デートまで〉Part3 待ち合わせPart4 ランチPart5 LINE編Part6 ディナーのお店決めPart7 水族館デートからディナーまでPart8 帰路Part9 告白前Part10 告白 感想 主人公であるリョウタが懇親会会...
生き方・自己啓発

【転職支援】教養書「転職の思考法」北野唯我 評価:2点【ビジネス書】

博報堂やボストンコンサルティンググループで働き、いまは就職支援サービス会社ワンキャリアの取締役を勤める北野唯我さんの著書。 「転職の思考法」というタイトルの通り、転職するにあたって考えるべきことや、業界・会社選びのコツが述べられているほか、そもそもどのような環境で働くべきなのかという普遍的な「仕事論」にまで言及されている著作です。 一人のサラリーマンが転職について考え始めてから実際に転職するまでの物語に沿って著者の主張が述べられていくという形式を取っており、物語自体もそれなりに面白いので、読み易さという点では万民向けになっております。 ただ、全体としては凡庸なビジネス書であったというのが本ブログにおける評価。 良いことを言っっておりますし、間違ったことを言っているわけではないのですが、巷に溢れる転職論や仕事論からさらにもう一歩踏み込んだ言説に乏しく、やや内容的に薄い本だったと感じました。 目次 プロローグ このままでいいわけがない。だけど...... 第1章 仕事の「寿命」が切れる前に、伸びる市場に身を晒せ 第2章 「転職は悪」...
生き方・自己啓発

【生き方】「人生の短さについて」 セネカ 星2つ

1. 人生の短さについて ローマ帝国時代に活躍したストア派哲学者、ルキウス・アンナエウス・セネカの著作。 人生論とでも銘打つべき随筆であり、過激な衝動を抑え、理性によって生きるべきだというストア派哲学の思想を基盤としつつ、「よい生き方」とは何かが語られております。 とはいえ、その内容は現代の自己啓発本と比しても凡庸というレベル。 随所に顔を出す面白い表現に感心させられることはありましたが、特段に斬新で心に響く書籍というわけではありませんでした。 2. 目次 章分けなし。 岩波文庫版では、表題作「人生の短さについて」のほか、「心の平静について」と「幸福な人生について」を収録。 3. 感想 「人生の短さについて」というタイトルに反し、本書におけるセネカの主張は「人生は本来、十分に長いものだが、多くの人々は人生の時間を浪費してしまうため人生を短いものだと感じてしまっている」というもの。 古典にしてはなかなかタイトルの付け方が上手いですよね。 「人生の長さについて」なんてタイトルにするより、よほどキャッチーで煽り文句と...
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住宅・土地政策

【空き家問題を考える】教養書「老いた家、衰えぬ街」野澤千絵 評価:2点【住宅政策】

明治大学政治経済学部の教授で、都市計画やまちづくりを専門とする野澤千絵氏の著作です。 近年は報道番組等でも取り上げられることも多い「空き家」の問題について、その現実的な弊害と解決の難しさ、講じられている方策、そして、一人一人が住まいの「終活」をする重要さが説かれています。 各論的な項目が多く、包括的な枠組みに欠ける点がやや難だとは思いましたが、空き家が解消されない要因と、関係ないと思っていても思わぬきっかけから当事者になってしまう可能性についての言及、そして、日本や世界で行われている様々な解決策についての紹介など、この分野における多様な知識を得るのにはそれなりに有用な新書でした。 目次 第1章 国民病としての「問題先送り」症候群第2章 他人事では済まされない相続放棄第3章 世界でも見られる人口減少という病第4章 空き家を救う支援の現場から第5章 さあ「住まいの終活」を始めよう はじめに 住宅政策は本ブログが継続的に関心を持っている分野であり、これまでも「住宅政策のどこが問題か」や「新築がお好きですか? 日本における住宅と政治」といった著作を...
創作論・物語論

【小説を売る工夫の数々】教養書「拝啓、本が売ません」額賀澪 評価:2点【ビジネス書】

タイトルからは内容が判りづらい本なのですが、発行部数の伸びない作家が編集者と一緒に「本を売る」ことを得意とする人々にインタビューをして回るというもの。 そのインタビュー記録とそこから著者が得た気づきが載っている、いわばインタビュー集&著者エッセイのような本です。 そんな本を書く著者のプロフィールなのですが、こんな人が「本が売れない」ことに悩むなんてという経歴を持つ作家さんです。 私立の中高一貫校から日芸(日本大学芸術学部)の文芸学科に進学。 卒業後の就職先は広告代理店で、在職中に若くして松本清張賞と小学館文庫小説賞という二つの新人賞を別々の作品で受賞してデビュー。 翌年発売した「タスキメシ」は高校の課題図書に選ばれるという、まさに文芸の王道を進んできた人物。 高校在学中にも全国高等学校文芸コンクール小説部門で優秀賞を受賞しているなど、まさに「野良育ちとは違う」感のある小説家だといえるでしょう。 しかし、こんな黄金ルートを歩んできた作家でも「拝啓、本が売れません」を書かなければならないほどの窮地にあることが本書の序盤で明らかになります。...
経済・金融・経営・会計・統計

新書 「リサイクルと世界経済」 小島道一 星2つ

1. リサイクルと世界経済 リサイクルという言葉が人口に膾炙するようになってからずいぶん経ちましたが、資源の制約や環境問題がクローズアップされる中で、その概念は今日においてますます輝きを増しているように感じられます。 そして、より一体化する世界経済の中で、リサイクルという行為もずいぶん前から国際貿易の中で行われるようになっております。日本の中古自動車や中古家電が発展途上国でよく利用されているのは有名な話ですし、紙やプラスチックの再生工場も多くは発展途上国に立地し、先進国から廃棄物を輸入し、原料として使用可能な状態にしてから再び先進国に輸出するというサイクルはもはや当たり前のこととなっているのです。 そのような、国際貿易の中でのリサイクル過程がどのように変化し、どのような問題を孕んでいて、どのように解決しているのかということが本書には記されています。著者はジェトロ・アジア経済研究所の小島道一氏。肩書は研究者ですが、本書の筆致には実務担当者として国際貿易の規制や促進に携わってきた側面が色濃く現れております。 2. 目次 第1章 国境を越えてリユースさ...
☆☆(教養書)

新書 「江戸東京の明治維新」 横山百合子 星2つ

1. 江戸東京の明治維新 帯の煽り文は「150年前の胸に刺さる現実」。明治維新といえば通常、政府高官として新しい日本をつくりあげていく明治の元勲たちに焦点が当たるか、もしくは、幕府側の将軍とその側近であったり、最後まで佐幕派として戦った武士たちに焦点が当たるかの2択になってしまいがちなところ、本書は旧江戸・新東京に生きた庶民たちの生活について説明しようとしているという点で差異化が図られております。 著者は国立歴史民俗博物館教授の横山百合子さん。東大の学部を卒業後、社会科教員として勤めた後に博士課程を経て大学教員としてのキャリアを歩み始めたという人物です。本筋からは逸れますが、リカレント教育の重要性が盛んに言及される中で、今後、日本でもこのような経歴を持つ人が増えるといいな感じます。 そして肝心の中身ですが、題材は新鮮だけれどもやや散漫というイメージ。庶民の生活変化の全体像をとらえるというよりは事例集という形式になっており、下級武士の誰それはこう生きた、遊女の誰それはこう生きた、賤民の誰それはこう生きたというような記述が続きます。その生き様の書かれ方は具体的で面白いの...
経済・金融・経営・会計・統計

【経済学】 「ゲーム理論はアート」 松島斉 星2つ

1. ゲーム理論はアート 松島斉東京大学教授によるゲーム理論の紹介本です。 体系的な教科書や専門書ではなく、かといってエッセイ的な本や時事問題解説本でもないため、「紹介本」としておくのが適切でしょう。 近年、社会科学の分野で一大巨頭となりつつあるゲーム理論の考え方が現実とどう関連しているのか、また、ゲーム理論の考え方を現実の状況改善にどう適用しうるのかが事例検討を中心に説明されております。 そんな本書ですが、全体的にとても中途半端な本に思われました。 ゲーム理論に馴染みのない人にもわかりやすく書いていますといった論調にも関わらず、碌な説明もなしに専門用語やアカデミックな言い回しが多用され、事例も社会科学に興味のある人しか関心を抱かないだろうというものばかり。 かといって、体系性や網羅性、専門的な深みがあるかといえばそうではないという本に仕上がっており、ところどころ面白い部分はあったものの、惹きこまれるというよりは購入した義務感で読み進めてしまった本になりました。 2. 目次 第1部 アートとしてのゲーム理論第1章 ゲーム理論は...
経済・金融・経営・会計・統計

【政治経済】「平成の通信簿」 吉野太喜 星2つ

1. 平成の通信簿 元号が平成から令和に変わり、様々な「平成総括本」は出版されている今日。 本書もそのバリエーションの一つですが、「識者が平成を語る」という形式ではなく、平成という時代において日本がどう変化したのかを様々なデータをもとに数値で見ようという変わり種。 最近のベストセラーの一つである「FACTFULNESS」を意識していると著者自身が本書の中で著している通り、二重の意味で流行を追った本です。 そんな本書に対する感想としては、面白いが薄いといったところでしょうか。 なるほど、平成元年から現在までというと、ちょうどバブル崩壊直前から令和元年までの期間ですので、様々な指標の数値的変遷には鮮烈なものが多くあります。 そしていまの日本には、高度経済成長を経験した世代から、バブルはもちろん2000年代前半にあった一瞬の好景気すら知らない世代が住んでいるわけで、高度経済成長を経験したことで「強い日本」の幻想をいまでも持っている人々にも、逆にバブル崩壊以降に生まれて「化け物じみ(ているように見え)た日本」を知らない世代にも、非常にいい刺激になる時期の切...
政治制度・統治機構・法学

新書 「世論」 W・リップマン 星2つ

1. 世論 20世紀を代表するジャーナリストの一人、ウォルター・リップマンによって著された評論エッセイで、タイトル通り「世論」について取り扱っております。華々しい経歴を持つリップマンですが、「ステレオタイプ」という言葉を世に根付かせたと書けばその偉大さが伝わるのではないでしょうか。新聞・ラジオ・テレビという近代型メディアの登場と民主主義の組み合わせが人々の世界に対する「見方」をどのように規定していくのかという箇所に論の重点がおかれ、人々が抱いてしまうバイアスの傾向について現代にも通じる鋭い指摘を行っております。 「評論エッセイ」と表現しました通り、かなり散漫で体系だっていないのが決定的難点ですが、それでも1922年という発表年を考えるとその叡智は驚くばかり。「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」という警句の示す通り、社会に対する考え方が纏まってきた時期に読むと「自分の考えなど車輪の再発明にすぎないなぁ」と思ってしまうこと請け合いです。 2. 目次 <上巻>第1部 序第2部 外界への接近 第3部 ステレオタイプ 第4部 さまざまの関心 ...
経済・金融・経営・会計・統計

教養書 「ウォール街のランダム・ウォーカー」 バートン・マルキール 星2つ

1. ウォール街のランダム・ウォーカー 1973年の書版発行以来、投資界隈で読み続けられている本であり、2016年発売の日本語最新版が第11版の訳書になります。ネット証券が台頭し、NISAやiDECOといった個人向けの投資制度も充実してきた昨今、投資についての基礎を身に着けておいて損はないでしょう。年金がGPIFによって運用されるようになったことで、年金の現状について一家言持つにはGPIFのポートフォリオを語れる必要が出てきたため、政治学に興味がある立場としても面白いのではないかと手に取りました。 評価としては微妙だった、というところですね。全般的に誤ったことが書いてあるとは思わないのですが、世界史や経済・金融の知識が全くない人向け(大学で学んでいない人)の説明が全般的に目立つ一方で、前半のほとんどを世界史上に起こったバブル事例の説明に消費してしまうなど、レベルの統一感がない構成になっており、どういった層を満足させられるのだろうという疑問を感じてしまいました。 ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理 posted with ヨメレバ バー...
政治制度・統治機構・法学

教養書 「有権者の選択」 平野浩 星2つ

1. 有権者の選択 以前に紹介した「二大政党制の崩壊と政権担当能力評価」と同じく、アンケート調査から日本の有権者の投票行動を研究する本です。「二大政党制の崩壊と政権担当能力評価」は「政権交代期における政治意識の全国的時系列的調査研究」というシリーズでまとめられているのに対し、本書は「変動期における投票行動の全国的・時系列的調査研究」シリーズの一つとして刊行されています。とはいえ、その二つの研究が看板を変えただけの続きものになっているのが実質らしく、むしろ継続性のある統計データとして双方の中で扱われているくらいです。 しかし、本書は星を一つ下げて星2つとしています。理由は、「データや統計結果に驚きや新鮮さがないこと」と「論全体に有用で核心的な主張がないこと」です。データセットに近いという点では「二大政党制の崩壊と政権担当能力評価」と同じなのですが、それでも、投票行動についてうまく「説明している」とは言い難い、ピントを外した統計処理の当て方や文章での論証がされているように感じました。 有権者の選択―日本における政党政治と代表制民主主義の行方 posted with ヨメレバ...
☆☆(教養書)

新書 「スポーツ国家アメリカ」 鈴木透 星2つ

1. スポーツ国家アメリカ 著者は慶応大学教授でアメリカ文化研究が専門の鈴木透教授。「民主主義と巨大ビジネスのはざまで」というサブタイトル通り、政治や経済との関わりが意識された内容でした。帯には伝説の野球選手であるベーブ・ルースや、近年興隆するアメリカ女子サッカーの一場面を捉えた写真と共にトランプ大統領がプロレスのイベントに参加する写真も掲載されており、本書の雰囲気が伝わってきます。 ただ、内容の質としては、知識面においてWikipedia記事の寄せ集め、論理面においてやや強引なこじつけが多くみられました。「アメリカ・スポーツ・政治・ビジネス」に関心があり、最初からある程度の知識がある人は読む必要がなく、そうでない人にわざわざ推奨するほどの本でもないというのが正直な感想です。 スポーツ国家アメリカ - 民主主義と巨大ビジネスのはざまで (中公新書) posted with ヨメレバ 鈴木 透 中央公論新社 2018-03-20 Amazon Kindle 楽天ブックス
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