【社会学】「孤独なボウリング」 ロバート・パットナム 星4つ
1.孤独なボウリング 「社会関係資本」という概念に光をあて、様々な分野に影響を与えた本です。 著者のパットナム教授はこの本で一躍スター研究者となりました。 ご近所づきあいや会合などの社会的紐帯の減少という、誰もが個人としては感じていることを米国全体というスケールで分析し、その原因、そして影響を社会的・政治的なものに結びつけた大著。 もはやどの分野でも無視できなくなった「社会関係資本」をアカデミック界に知らしめた作品として、非常に読みごたえがありました。 2. 感想 本書は5部構成となっており、そのうちメインとなるのは第2部から第4部までです。 第2部では、社会関係資本の濃淡が20世紀のあいだにどのように推移してきたかが膨大なデータとともに語られます。 政治参加・市民参加・宗教参加・職場でのつながり・慈善活動・インターネット。 わたしたちをとりまくあらゆる「繋がり」が分析の対象となりますが、驚くことに、どの分野を分析しても結論はただ一つに収斂していきます。 それはすなはち、米国における「社会関係資本」が、20世紀初頭に増加→大恐慌期に一時的減少→...
2017.05.24
☆☆☆☆(教養書)社会学・歴史・スポーツ