第1位 「めぞん一刻」高橋留美子
【爆笑と感動 ラブコメの金字塔】
・あらすじ
東京のボロアパート「一刻館」で浪人生活を送る五代裕作だが、奇人変人ぞろいの「一刻館」住人達に面白おかしくからかわれる生活が続いているため、受験勉強はままならない。
こんな毎日にはもう我慢ならないと「一刻館」出ていく決意をした五代だったが、五代が「一刻館」から出ようとしたちょうどそのとき、玄関で美しい女性と鉢合わせになる。
その女性こそ、新しく「一刻館」の管理人となる音無響子だった。
あっさりと恋に落ちた五代は前言撤回、「一刻館」に残ることにする。
五代は無事大学に受かるのだろうか、そして、若き恋心は実るのだろうか......。
・短評
漫画史上最高のラブコメディだと言って間違いないでしょう。
貧乏で不器用で情けないながらも、いざというときの勇気や優しさを持っている五代と、やきもち焼きで素直になれない管理人さん(=音無響子)が紆余曲折を経ながら一歩ずつ距離を縮めていく姿には非常にやきもきさせられ、これは漫画の中の出来事であるということついを忘れて身悶えてしまうほどです。
五代の恋敵となる金持ちイケメンの三鷹瞬や、五代のガールフレンドで管理人さんのライバルともいえる七尾こずえ、そして「一刻館」の住人達と、魅力的で個性豊かな面子が物語に華を添えます。
また、本作が並みのラブコメと一線を画すのは、五代が就職難に直面したり、資格取得に苦労する、あるいは、管理人さんが母親から結婚への圧力を受けているといったような、現実的な要素がふんだんに取り入れられながら物語が進行することです。
加えて、ラブコメだけあってコメディ的な側面も多い作品なのですが、五代と管理人さんの恋愛という大筋においては人間同士の生々しい心理や社会の現実が二人の恋路に立ち塞がります。
くすりと笑えるコメディ要素に加え、青年漫画という看板に相応しい、リアリティのある展開を擁していることが持ち味なのです。
特に終盤のドラマチックなスピード感は見事で、五代と三鷹さんが喧嘩する場面や、三鷹さんが管理人さんから手を引くきっかけになるエピソード、五代と管理人さんが両想いを確認するシーンなど、感動の波が怒涛のように押し寄せる展開になっております。
人生で一度は読んで欲しい名作中の名作。
当ブログが感動を保証する作品です。
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