1. 劇場版 SHIROBAKO
2014年から2015年まで放映されたTVアニメ「SHIROBAKO」の続編として制作された映画で、2020年2月の公開です。監督はTVシリーズに引き続き水島努。「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード」や「ガールズ&パンツァー」の監督として有名です。
TVシリーズの方は本ブログでも記事を4つ書いてしまうほど珠玉の出来で、近年のテレビアニメ全体の中でも屈指の名作となっております。TVシリーズの感想は以下の通り。
また、主人公たちの高校時代を描いたスピンオフ漫画も発売されており、こちらも中々の出来栄えでした。
これほど質の高い作品の続編映画というだけあって、相当程度の期待をもって劇場に足を運んだのですが、結論としては凡庸な作品に落ち着いていたといわざるを得ません。
アニメ業界の大変さやそれでもアニメを作っていこうとする熱い気持ちを伝えようとしているのは分かるのですが、それを(TVシリーズのように)アニメ業界以外に従事する人々に対して訴求できてはいませんでした。
社会一般に訴えかけられるような普遍的な設定や展開に乏しく、伏線を上手く使って視聴者に驚きと感動を与えるよな場面もありません。全般的にアニメ業界(あるいは主人公たち)の内輪の話という印象になっており、冗長なシーンや無駄な描写も散見されるなど、演出面でもパッとしなかったという感想です。
2. あらすじ
宮森あおい(みやもり あおい)が短大卒業後に就職したのは、アニメーション制作会社「武蔵野アニメーション」。過去に大きな失敗をしたこともあり、あおいの入社時には業界内で弱小制作会社の立ち位置だった。
しかし、あおいの入社後、「えくそだすっ!」と「第三飛行少女隊」の2タイトルを元請として制作して以降、その地位を回復させる。
それから四年後、「武蔵野アニメーション」の地位は再び弱小制作会社へと転落していた。その原因は、「武蔵野アニメーション」が企画したオリジナルアニメ「タイムヒポポタマス」の制作が途中で打ち切りとなり多額の損失が発生してしまったというもの。
社長である丸川正人(まるかわ まさと)は契約の不備について責任を取り辞任。
後任にはプロデューサーだった渡辺隼(わたなべ しゅん)が就くも事業の大幅縮小を余儀なくされ、「武蔵野アニメーション」の人員はあおいが就職した当時よりも大幅に減少している有様だった。
そんな絶望的な状況の中でも希望を捨てずに甲斐甲斐しく働くあおいに、ある日、予期せぬ知らせが舞い込んでくる。制作が頓挫しかけているアニメーション映画「空中強襲揚陸艦SIVA」の制作を「武蔵野アニメーション」で受けてくれないかという話がウエスタンエンターテイメントの葛城剛太郎(かつらぎ ごうたろう)から舞い込んできたのだ。
いまの「武蔵野アニメーション」に普通のテレビアニメどころか劇場版の制作なんて......。「武蔵野アニメーション」のプロデューサーとしてこの案件を渡辺から一任され、悩むあおい。
そんなあおいが向かった先は、前社長である丸川が経営する小さなバーで......。
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