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【海外純文学】おすすめ海外純文学小説ランキングベスト7【オールタイムベスト】

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第1位 「日の名残り」カズオ・イシグロ

【戦間期を生きた英國老執事の後悔と再生】

カズオ イシグロ (著), Kazuo Ishiguro (原著), 土屋 政雄 (翻訳)

・あらすじ

主人公は老執事スティーブンス。

舞台は終戦直後のイギリス。

ダーリントン・ホールというお屋敷の執事長であり、幾度の困難を品格ある態度ち行動で乗り越えてきた経験を持つ名執事であるという自覚を持っている。

そんなスティーブンスが久々の休暇を得て、イギリス国内旅行へと出発する。

道すがら執事としての職業人生を回顧するスティーブンス。

しかし、その語り口には少しだけ違和感があって.......。

・短評

作者は2017年にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ。

本作こそがその代表作だと評価されております。

いかにも名執事らしい口調で読者に語りかけるスティーブンスなのですが、本作では「信頼できない語り手」の手法が効果的に使われており、中盤から終盤にかけて驚くべき事実の発覚や心理描写とともに名執事のメッキが剥がれていく展開が特徴となっております。

「品格ある執事」としてどうあるべきか、そんなことばかりに囚われていた人生の中で、仕事においても恋愛においても家族関係においてもスティーブンスは致命的なミスを犯しており、老齢になってようやく、自分の犯したミスとその大きさに気づくという心理的どんでん返しが本作の面白いところです。

建前や形式論にばかりに囚われ、上司や恋人、家族に対して本気で向き合わなかった経験が誰しもあると思います。

そして、加齢とともに感じるのは「無難にこなした」ことへの誇りよりも「本気で向き合わなかった」ことへの後悔ではないでしょうか。

外見上は立派な人生を生きてきたように見えるにも関わらず、内心では激しく後悔するスティーブンス。

彼が夕陽の中で涙を流し、そしてある決意をくだしたとき、思わず小さな笑いと大きな感動を覚えてしましまいました。

翻訳の評判も非常に高いことで知られる、名実ともにノーベル賞級の名品。

「情熱」と「品位」がテーマになっている格式高い大人の純文学です。

カズオ イシグロ (著), Kazuo Ishiguro (原著), 土屋 政雄 (翻訳)

・感想記事はこちら

・解説動画はこちら

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明日も物語に魅せられて

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