比呂を全打席敬遠しつつ、他の選手たちの後ろめたい過去話を収集して下品なささやき戦術で揺さぶるとか、あるいは、千川高校に貧乏な家庭の選手を登場させてその選手を買収するだとか、まだもう少し現実的な線があるべきだったのではと思います。
さらには、家族や親戚関係を使ったお涙頂戴展開も過多であると感じました。
各キャラクターのエピソードがほとんど家族・親戚関係絡みとなっており、特に、既に亡くなった親族かあるいは作中に都合の良いタイミングで亡くなる親族を持ち出して感動エピソードを仕立て上げることが多く、中盤以降は「またか」と思うことが多かったので、もう少し感動話のバリエーションが欲しかったところです。
他には、強いて言えば、恋愛の描写が所詮は少年誌の恋愛だなとは思いましたが、さすがにそこの生々しさまで求めるのはやり過ぎでしょう。
恋愛話を長くし過ぎると野球の展開に支障がでますので、欠点としては挙げますが、他の良さとのトレードオフになっている仕方のない欠点だとは思います。
とはいえ、最終話を読み終わったあとは感動の余韻を引くほどに面白い漫画ではありましたので、評価は4点(概ねどの要素をとっても魅力的な、名作・名著に値する作品)です。
是非、読んで頂きたい作品です。
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