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「ドラゴン桜2」三田紀房 評価:3点|丸くなって復活した現代風教育漫画【青年漫画】

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ドラゴン桜2
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少しでも「雑」な人間がどんどん社会から振り落とされていく。

なんとなくですが、そういった社会こそ多様性に対する許容度が低い社会であり、結果としてその潜在的な活力を発揮できる人間が少なくなって衰退する気もします。

人格も能力も優れていて、なおかつ生活力にも溢れたエリート人間でないと生き残れないという意味での縮小均衡社会の方をなんとか変えられないかと思う次第です。

そんなマクロレベルの話に加えて、本作では家庭教育にも言及されているのがポイントだと思います。

家庭が崩壊していない高校生が今回の東大受験者なので、普通の家庭にプラスアルファするためのアドバイスが桜木から提示されます。

それが「東大合格必勝法 家庭の10ヶ条」。

  1. 一緒に朝ご飯を食べること
  2. 何か一つでも家事をさせること
  3. 適度に運動させること
  4. 毎日同じ時間に風呂に入らせること
  5. 体調が悪いときは無理させず、休ませること
  6. リビングはいつでも片付けておくこと
  7. 勉強に口出しをしないこと
  8. 夫婦仲を良くすること
  9. 月に一度家族で外食すること
  10. この10ヶ条を父親と共有すること

東大受験の必勝法にかこつけて紹介されていますが、現代において子供を成功させる安定的な家庭の傾向というのが詰まっているのでしょう。

家庭教育分野についてはあまり詳しくないので深堀できることも少ないのですが、非常に個人的な想い出として、ひらがなが禄に書けなかった小学校一年生時に、ヒステリックに絶叫する母親からひらがなの「指導」を子供部屋で受け続けた記憶が蘇ります。

さて、物語の根幹に関わる部分の感想はこれくらいなのですが、それ以外の点として「女帝」こと龍野久美子という「女性」を悪役にするのは最近の漫画としては珍しく感じました。

作画的に大塚家具の大塚久美子社長を意識しているのかもしれませんが、学歴とキャリアのあるエリート女性を利己的で「大切なもの」を破壊しようとする人物として演出するのは結構攻めているのではないでしょうか。

必ずしも女性を露骨で性悪な悪役にしない風潮にも転換点が来ているのかもしれません。

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