スポンサーリンク

「タイム・リープ あしたはきのう」高畑京一郎 評価:1点|SFギミックの完成度だけが高い、小説というより単なるパズルのような作品【ライトノベル】

スポンサーリンク
タイム・リープ あしたはきのう
スポンサーリンク

それらをどう料理して独自性を持たせるのか、その点こそが各個別作品の良しあしを決定づける分水嶺となるはずなのに、ただ単にそれらの要素を、ぽん、と放り出して「重大ですね」でお終いになってしまっています。

さらに、強姦対策として為されるのが、和彦の友人で柔道部に所属する関鷹志せきたかしが翔香に対して付け焼き刃の護身術を教えることであり、しかも、その護身術を翔香がいきなり使えてしまうのですから、安っぽさは底抜けです。

全体的に、タイム・リープからの脱出というSFギミック以外の部分があまりにも粗くて雑であり、物語を読んでいるというよりは、作者が自作パズルを自分で解いている様子を見せつけられているだけのような、無味乾燥な光景だけが眼前に広がる感覚に陥る作品となっております。

想像力をもって小説を読もうとしている人を馬鹿にしているとしか言いようがありません。

高評価を与えている人々はこの「パズル性」に対して高い評価を与えているようですが、それならば小説など読まずにパズルをすればよいのでは(あるいは他人がパズルを解く動画でも見ていればよいのでは)と思ってしまいます。

こういった類の小説が好きなSF・ミステリマニアもいるのでしょうが、少なくとも、小説に物語性を期待している人は読まない方がよい作品です。

スポンサーリンク

当ブログを訪問頂きありがとうございます

応援クリックお願いします!

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
このエントリーをはてなブックマークに追加

おすすめエンタメ小説ランキング

【エンタメ小説】おすすめエンタメ小説ランキングベスト10【オールタイムベスト】
本ブログで紹介したエンタメ小説の中からベスト10を選んで掲載しています。「エンタメ小説」の定義は難しいところでありますが、本記事では、肩の力を抜いて楽しめる作品でありながら、同時に深い感動も味わえる作品を選ぶという方針でランキングをつくりました。第10位 「時をかける少女」筒井康隆【学園SF時間移動ジャンルを生み出した読み継がれる古典】・あらすじある日、中学3年生の芳山よしやま和子かずこは、同級生の深町ふかまち一夫かずお・浅倉あさくら吾朗ごろうと一緒に理科室の掃除をしていた。掃除を終え、隣の理科実験室に用具をしまおうとすると、理科実験室から奇妙な物音が聞こえてくることに和子は気づく。恐る恐る理科実験室の扉を開ける和子。しかし、和子が明けた瞬間に中にいた人物は別の扉から逃亡したようで、残っていたのは液体の入った試験管だけ。しかも、試験管の一つは割れて液体が床にこぼれている。そして、液体から微かにラベンダーの香りがすることに気づいた瞬間、和子は失神してその場に倒れ込んでしまう。そんな不思議な体験をした和子は、その数日後、悲劇に襲われる。登校中、信号無視のトラックが和子に突っこんできたのだ。...

コメント