漫画 「AKIRA」 大友克洋 星3つ

AKIRA
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1. AKIRA

言わずと知れた、80年代を代表する漫画の一つです。

リアル路線の人物描画や近未来的なガジェットのデザイン、そして漫画における超能力の画期的な描写など、以降の漫画・アニメ作品に多大な影響を与えたと言われています。

また、国際的評価が高いことでも知られ、国外の漫画賞を受賞し、映画も8ヶ国で公開されるなどしています。

ストーリーがやや難解で風呂敷を畳みきれていないところもありましたが、上述の特徴においてはまさに漫画界の金字塔の一つと言えると思いました。

2. あらすじ

舞台は2019年の「ネオ東京」。

1982年に新型爆弾が投下された東京に代わる新首都は繁栄を謳歌し、林立する高層ビル群が威容を放っている。また、復興がなされていない「旧市街」も、東京オリンピックが開かれる2020年を皮切りに再開発が進もうとしていた。

そんなある日、不良更正のための訓練校に通う主人公、金田正太郎が暴走族仲間と共に旧市街を走っていると、道路上に子供のような背丈の人間が突如現れる。そして、金田の仲間の一人、鉄雄が避けきれず衝突してしまう。

その子供こそ、軍の研究機関によって作られた超能力者の一人、「タカシ」であった。金田と鉄雄は共に軍の研究機関に連行され、その後、訓練校に復帰するが、鉄雄はかつての鉄雄ではなく、超能力を目覚めさせた凶悪な人物になっていた。

一方、 金田は反政府ゲリラのメンバーであるケイと出会い、協力して鉄雄の謎を探ることになる。こうして政府の秘密を追い始めた金田は、やがて、軍によって作られた他の超能力者の存在、そして、その中でも最も強大な「アキラ」の正体を知ることになっていく。

3. 感想

大きな組織の秘密に、様々な立場の集団、個人が複雑に絡み合う中で主人公が立ち向かっていくというある種の王道ストーリーです。異様なまでの書き込みから生まれる疾走感や迫力は圧巻で、巧みなコマ割りも読者を熱いアクションシーンへ引き込みます。そして何より、いまでは当たり前となったアクション描写のパターン(超能力等で壁を破壊するときの演出など)の初出がこの漫画だというのですから、感動を禁じえません。

また、政府の陰謀や様々な組織同士の戦いと駆け引きは存在するものの、それは心理描写のためというよりは大規模な戦いを演出するためであり、日本版「ハリウッド超大作」的な作品になっています。

私個人はこのような、いわゆる「ハリウッドアクション」的な漫画や映画はあまり好まないのですが、やはりこのAKIRAだけは別格で、胸躍る気持ちに時間を忘れさせてもらいました。

心理の繊細な動きや、現実の比喩としての解釈等が存在するような作品ではないので、あまり長々と書くような考察もありませんが(それが星を減らした理由でもありますが)、この圧倒的古典を読んだ後は、アクション描写において「AKIRAをパクリきれてさえいない」諸作品の程度が低く見えてしまうかもしれない、そんな気さえ起こさせる作品です。

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