漫画 「うたえ! エーリンナ」 佐藤二葉 星2つ

うたえ!エーリンナ
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1. うたえ! エーリンナ

星海社(講談社100%子会社)が運営する4コマ漫画サイト「ツイ4」で連載されていた作品。古代ギリシアの女学校を舞台に、詩人を目指す女学生エーリンナの学校生活と合唱祭での奮闘を描くという異色のテーマとなっており、著者である佐藤さんがギリシア悲劇に造詣が深く、古代ギリシアの竪琴「リュラー」の演者でもあることからこそ描けたテーマだと言えるでしょう。

そういった作品ではありますので、「古代ギリシア(の女学校)文化」にまつわる部分は興味深く読めました。ただ、物語自体は凡庸で、いかにも「漫画っぽい」展開をなぞっただけという感が否めません。百科事典的な面白さだけが評価できる作品でした。

2. あらすじ

舞台は古代ギリシアのレスボス島。ギリシア史上最高の女詩人サッポーが運営する女学校には嫁入り前の女性たちが集められ、日々、花嫁修業に励んでいた。

そんな女学校に入学したエーリンナだったが、機織りのような花嫁修業科目には全く興味なし。彼女の夢は詩人になることであり、サッポー先生には特別な敬慕の念を抱いている。

しかし、古代ギリシャにおいて女性が自由に振舞えるのは学校に通っている時期だけ。ひとたび嫁入りすれば、彼女たちは主人の物となり家事に精を出さなければならない。そんな現実に複雑な感情を抱きながらも、詩吟と竪琴の練習には余念がないエーリンナ。

そして、そんなエーリンナにまたとない機会が訪れる。春の祭典の競技会では乙女歌という合唱叙事詩を女学校の生徒が歌うことになっていて、サッポー先生は今回新たに独唱パートを入れて競技会に挑むことにしたのだ。

競技会に向け気合を入れるエーリンナ。彼女は独唱者の座を掴むことができるのか、そして競技会はどのような結末を迎えるのか。自由が少なかった時代に、歌う自由を追い求めた少女たちの物語。

3. 感想

詩人を夢見る純真な少女が校内予選を勝ち抜いて独唱者の地位を獲得し、競技会ではライバルからの嫌味や「新しいこと」「女性が独唱すること」への反発を受けながらもそれを跳ね返して堂々と詩を歌いきるという王道の物語です。

エーリンナの友人であるバウキスとのいわゆる「百合」的な展開や、ライバルであり女性を見下す性格の「嫌な男」リュコスが次第にエーリンナのことを認めていったり、彼の複雑な家庭事情が明らかになって同情を誘ったりと、出尽くしたパターンがこれでもかと使われていきます。

もちろん、「学習まんが 古代ギリシアの女学校」であればこれで良いのでしょうが、純粋なエンタメ漫画としては物語の起伏そのものがベタすぎてさすがに「古代ギリシアの女学校」以外のオリジナル要素に欠けます。丸っこくて柔らかい絵柄もコメディパートでは日常系4コマ感のよく醸し出せているのですが、こと「古代ギリシアの競技会」ではイマイチ緊張感に欠けます。もう少し書き込みが多く、頭身の高い絵柄のほうが全体的に悲壮感や高揚感が出たのではないでしょうか。バウキスとの絡みもそれはそれでロマンティックな印象を醸し出すと思います。

4. 結論

さらっと読めてまずまず楽しめますが、これといって高く評価すべき箇所もなく、星2つが妥当でしょう。

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