映画 「ロミオとジュリエット」 監督:フランコ・ゼフィレッリ 星3つ

ロミオとジュリエット
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1. ロミオとジュリエット

1968年公開の映画で、言わずと知れたシェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」の映画化作品です。近年流行りの「新解釈」などではなく、原作に忠実な脚本となっているのですが、それでいて当時は大ヒット。

アカデミー撮影賞、アカデミー衣装デザイン賞、ゴールデングローブ賞外国語映画賞など様々な賞を受賞しました。

そんな作品を2020年に鑑賞してみたわけですが、なかなか良かったというのが率直な感想です。

シンプルでハイテンポな恋愛劇というまさに古典王道を感じさせる作風で、しらけるような場面もなくずっと見ていられます。

凝った作品が見せる深い感動はありませんが、ハラハラ、ドキドキ、いちゃいちゃ、そして胸を衝く悲しみという要素が揃ったエンタメの良作でした。

オリビア・ハッセー (出演), レナード・ホワイティング (出演), & 1 その他 形式: DVD

2. あらすじ

部隊は中世イタリアの都市ヴェローナ。

この街では、モンタギュー家とキャピュレット家という二つの名家が長年にわたって抗争を繰り広げていた。

そんなある日、モンタギュー家の嫡男ロミオは、友人たちとともにキャピュレット家のパーティーに忍び込む。そこでロミオが出会ったのは、キャピュレット家の一人娘であるジュリエット。たちまち恋に落ちた二人は密会を重ね、ついには二人の支援者である修道僧ロレンスの手引きで密かに結婚してしまうのだった。

しかし、二人の恋はその結婚直後から悲劇へと転落していく。

モンタギュー家とキャピュレット家の若者たちが街頭で喧嘩になり、そこでロミオの親友であるマキューシオが命を落としてしまったのだ。怒りに燃えるロミオはキャピュレット夫人の甥であるティボルトを仇討として殺してしまう。

そして、争いの顛末を聞きつけたヴェローナ太守はロミオを街から永久追放することを決定する。悲しみに暮れるジュリエットだったが、その相談相手となったロレンスには秘策があって......。

3. 感想

ヴェローナの街角でモンタギュー家とキャピュレット家の若者同士が因縁を付け合う場面から始まるという本作。

不穏な空気を醸し出してドキドキさせながら、説明言葉を使わずに上手く舞台設定を視聴者に理解させるというベタながら難しい導入を軽々とやってのけます。

その後、ロミオがマキューシオたちとともにキャピュレット家のパーティに忍び込む場面なんかもコミカルさと夜の悪戯のワクワク感があってたまりません。

もちろん、この展開はシェイクスピア原作に忠実なのでシェイクスピアが凄いのですが、「仮面を被って正体を隠し、仇敵の夜のパーティに堂々忍び込む」なんていう興奮要素を詰め込んだような流れが面白くないはずもありません。

そして、ロミオとジュリエットのロマンスも画面から切なく甘い雰囲気が濃密に漂ってきます。

レナード・ホワイティングとオリヴィア・ハッセー(当時16歳!!)の名演が光りますね。

その後に訪れるのは、物語の転換点となるマキューシオが死んでしまう場面。

もし、何の前触れもなく突然に喧嘩が始まって殺し合いになってなったとすれば、その非現実感に視聴者はおいてきぼりになってしまうのでしょうが、「両家の若者が街頭で因縁を付け合い一触即発になる」という冒頭の演出があったおかげで、殺し合いにまでエスカレートする抗争が常態化していることが頭にインプットされており、このような展開もすんなり受け入れられて物語に没入できます。

抗争の場面の最後ではロミオが復讐としてティボルトを殺してしまい、これをきっかけにロミオが街から追放されるという展開になるのですが、ここでティボルトを殺すからこそロミオが「漢気」のある魅力的なキャラクターに映るという逆説がなんとも興奮を誘うところ。

仲間を殺されっぱなしにしておいて復讐しなければ街から追放されもしないのですが、そんなやつにジュリエットが惚れ続けることなどありますでしょうか。

情熱的な恋愛に一途であり、それでいて殺された仲間の復讐だって立派に果たす。そんな「美点」を持っているからこそロミオには悲劇が襲い掛かってしまう。まさに人生の悲哀が詰まっている箇所だと言えるでしょう。

また、二人を取り巻く人物たちの滑稽な姿もコミカル演出に一役買っています。

お調子者のマキューシオに、お金ですぐ転がされるジュリエットの乳母。望まない結婚を娘に課そうとするキャピュレット夫妻。

こんな人物たちが周囲を固めているからこそ、ロミオとジュリエットの純愛がより一層光り輝くのです。

「若者が純粋な恋心を燃料に大人たちに立ち向かっていく話」という側面もこの作品の魅力を増しています。

それにしても、敵方のパーティに忍び込んだり、勝手に結婚式を挙げたり、それによって婚約を反故にしようとしたりとかなり無分別なロミオやジュリエットですが、実は、原作における彼らの年齢は十四歳。この年齢が持つ特有の情熱と反抗心だからこその行動だといえるでしょう。

なお、十四歳といえば現代でいうところの中学生という年齢ですが、個人的には、こういう年齢の子供たちを中学校という場に縛り付けすぎるのはちょっと、と思っています。

この活動的な時期に、時間の消費場所や消費項目(学校の勉強や部活など)を限定してしまうのはかなり損失が大きいように見えます。

それぞれがもっと自分の得意なことや熱中できることに取り組めて、その分野における技能を伸ばして身を立てられるようにするのが重要でしょう。

ただ学校に「通った」というだけで何の技能もなく、それゆえに不安定で低い給料に甘んじなければならい人が多すぎます。

いろんな分野の勉強などは生活が十分に安定した後でもできますし、安定・安心でいつでもその分野なら稼げるという基盤があってこそ、他の分野にも取り組みやすくなるのですから。

4. 結論

話が逸れてしまいましたが、冒頭で述べた通りエンタメの良作として総合評価は星3つです。

心に永遠に残るとか、人生を変えるとか、長々と語りたくなるとか、そういう魅力を持った作品ではないのですが、あっさりと軽い気持ちで面白い映画が見たいという人にはお薦めです。

オリビア・ハッセー (出演), レナード・ホワイティング (出演), & 1 その他 形式: DVD

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