小説 「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」 七月隆文 星1つ

ぼくは明日、昨日のきみとデートする
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1. ぼくは明日、昨日のきみとデートする

ミリオンセラーを達成し、人気俳優・女優主演での映画も公開間近という本作。

時流に乗った人気要素を持っているのは分かりますが、後年には忘れ去られているか、少なくとも評価が割れていてほしい作品です。

2. あらすじ

美大生の南山高寿(みなみやま たかとし)は、通学電車で一人の女性に一目惚れする。彼女の名前は福寿愛美(ふくじゅ えみ)。容姿端麗な専門学校生であり、何故か携帯電話を持っていない。

初デート以来、二人の仲は順調に深まるのだが、愛美は過剰なくらい泣き虫で、ときどき、少しおかしなことを言う。そしてある日、愛美が高寿に衝撃の告白をする。可憐で心優しい彼女の秘密とは?

そして、二人の明日は....。

3. 感想

あらすじが非常に短くなってしまいまいたが、それくらい起こることが少ない小説なのです。

ざっくり言いますと、

高寿と愛美が付き合う

いちゃいちゃする

愛美の時間は未来から過去へと流れていて、
日が経つごとに二人の別れが近づいているとわかる。

悲しい、でも幸せで楽しかった。

という具合です。

繊細な心理や二人の恋を邪魔する何かが現れるわけでもなく、ただ凡庸な表現でカップルが出来上がりましたと述べたあと、極端なSF設定が明かされるというだけです。しかも、そのSF設定の独自性が何か活かされるわけでもなく、要は二人が不可抗力で別れることになれば悲しいというだけ。

起こるあらゆることに必然性や驚きがなく、よく出版を決意したなと思ったくらいですが、これだけ売れているのだから成功なのでしょう。

どんな拙い表現でもいいから恋人同士ベタベタする表現が好きであるとか、どんな理由でもいいから恋人同士が別れることになると(それがフィクションでも)泣いてしまうとか、そういった特別な体質の人だけが楽しめる作品だと思います。

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