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アニメ映画 「ルパン3世 カリオストロの城」 監督:宮崎駿 星3つ

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1. ルパン三世 カリオストロの城

いまでも根強い人気を誇る漫画/TVアニメシリーズ「ルパン3世」のアニメ映画第2作ですが、それ以上に宮崎駿の初監督作品として有名でしょう。 「ジブリ」の原点の一つであるといっても過言ではありません。 1979年の映画でありながらこれまで16回もTV放送されており、直近は2018年というところも宮崎監督の地力を感じさせます。

感想としても「ジブリ」だなぁという印象を受けました。物理法則を無視した充実のアクションと凝ったダンジョンを攻略していく冒険要素。ストーリーの整合性や場面場面の説得力よりも演出と雰囲気で「観させる」映画でしたね。

出演: 山田康雄, 増山江威子, 小林清志, 井上真樹夫, 納谷悟朗 監督: 宮崎駿

2. あらすじ

いつものようにカジノの金庫から大金を盗み出したルパンと次元。しかし、よく見るとその札束は「ゴート札」と呼ばれる偽札だった。ゴート札とは極めて精巧であることで有名な偽札で、今回もルパンだからこそ気づけたものの、一般的にはその真贋を見極めるのは非常に困難である。

大量のゴート札の出現を怪しんだルパンと次元は一路、ゴート札と関係が深いという噂のあるヨーロッパの小国「カリオストロ王国」に向かう。その道中、女性の乗った自動車が別の自動車に追われている場面に遭遇するルパンと次元。見事、女性を救出するものの、その女性こそカリオストロ王国の王女クラリスだった。救出劇の最中にクラリスが落としていった指輪を返すため、ルパンはカリオストロ城へと急ぐのだが......。

3. 感想

冒頭にも書きましたが演出がいいですね。「ラピュタ」などが典型ですが、宮崎駿作品では登場人物たちが超人的な身体能力を持っているので、例えば「高所から落ちそう」のような場面でも基本的に危機感を覚えないんですよね。それまで見せている主人公たちの頑強さや腕力があればどうせ何かに掴まって助かるのだろうと。ただ、それでもなお特別に緊迫感のある場面もあって、伯爵に追われるクラリスが時計塔から出るも足場が異様に小さかったり、「切り札はとっておく」の台詞とともに機械装甲の指が発射される展開なんかは息を飲みました。

また、ルパンが一度撃退されてからもう一度クラリスを助けに行くという展開も面白いですね。「ルパンがやられてしまう」という場面があることで適度な絶望感が生まれてその後の展開での上昇感が強くなりますし、「何度だって助けに行く」というルパンの固い意志がも伝わってきます。銭形が偽札製造を世界の首脳に告発して認められず挫折するシーンも「もう正義は達成されないのか」という緊迫感とやるせなさが出ていて物語に起伏を生んでいます。

とはいえ、上述した「どうせ何とかなるだろう」感により大量の敵が出てきてもあまり「主人公がやられてしまうのでは」という危機感もないですし、それらが倒されても「そりゃぁそれだけ物理法則を無視したらできるだろ」と思うだけで爽快感がありません。加えて、ルパンの銭形変装の仕掛けや二回目突入時にどうやって祭壇の中に次元や五ェ衛門が入ったのか、水中で敵戦闘員の戦闘服を奪う方法など、敵を出し抜くやり方もほとんど説明がなく、戦略や戦術を楽しめないばかりか「ご都合主義」を感じさせてしまうのは減点せざるを得ません。

ただ、やはり最後の名台詞は心に響くものがあり、「普通」を意味する星2つよりは上を付けたいと思わせます。「そういえば、今回ルパンは何も盗めなかったなぁ」とぼんやり思っているところに「あなたの心です」はベタに見えて実際に観てみると斬新。加えて、ルパンの行動原理全体が「一杯の水の恩返し」になっているのも心に沁みます。借りを返してチャラになっただけ、だから、ルパンはクラリスを得ることなく離れていかなければならないのです。

4. 結論

どんな人にとっても見て損はない映画。特にジブリファンなら是非とも見て欲しい作品です。

出演: 山田康雄, 増山江威子, 小林清志, 井上真樹夫, 納谷悟朗 監督: 宮崎駿

コメント

  1. 映画マン より:

    みどりさん、こんにちは。またまたお邪魔します。
    カリオストロの城、懐かしいですね~。ジブリファンなので、何回も観ました。
    古い映画ですけど、ストーリー展開がスピーディでとても面白いですね。
    宮崎駿作品の原点ともいえる作品なので、ジブリ好きなら見ない手はないですね!
    また何回も見返したいです。

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