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「ファイナルファンタジーX 序盤」評価:4点| シナリオ御重視の作風で独自の物語性に期待できる定番シリーズの評判作【RPG】

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ファイナルファンタジーX
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国内外で根強い継続的人気を誇り、ドラゴンクエストシリーズと並んで日本産RPGの二大巨頭と評されることの多いファイナルファンタジーシリーズ。

そのファイナルファンタジーシリーズのナンバリングタイトル第10作が本作「ファイナルファンタジーX」です。

元々は2001年にPS2で発売されたレトロRPGですが、その人気から幾度となく移植が行われており、2019年には「HDリマスター」と銘打ってNintendo Switchでも発売されるなど、その勢いは令和時代になっても留まるところを知りません。

2022年には本作の登場人物を使用した下品なMADがニコニコ動画で流行し、その影響を受けてか最近になってYouTubeでも本作の実況動画が多数アップロードされているように感じられます。

私が本作を初めて手に取ろうと思ったきっかけもそういったニコニコ動画及びYoutubeの動画がきっかけなのですが、シリアスで重厚なストーリーが魅力という前評判に嘘はなく、まだまだゲームを始めたばかりなのですが、本作の世界観に惹き込まれているところです。

旧いゲームでありながらいまなおFFの名作といえば本作であると名前が挙がることも納得の、斬新な独自性がありながら「物語」の王道を真っすぐに進む展開はまさに「名作」という形容が相応しいといえるでしょう。

というわけで、本作はプレイ中なのですがここまでの感想を書いていきたいと思います。

(プレイ済みの方向け:いまのところキーリカ島までストーリーを進めています)

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あらすじ

機械文明が非常に発達した時代のこと、大都市ザナルカンドは夜も煌びやかな光に包まれており、なかでもブリッツボールという球技は娯楽の中心として人々の人気を勝ち得ていた。

主人公のティーダは弱冠17歳ながらブリッツボールのプロチームであるザナルカンド・エイブスのエースであり、地元ザナルカンドでは大人気の選手として忙しい日々を送っていた。

そんなある日、ブリッツボールの試合が開催されているとき、ザナルカンドは正体不明の魔物に襲われ、一夜にしてその姿を海中に消してしまったのだった。

しかし、ティーダは生き残っていた。

知人男性アーロンに導かれ、魔物に襲われ大混乱のザナルカンドをあろうことか中心部に向かって駆けていくと、その後、数度の戦闘を経てから謎の光に包まれ、目が覚めると謎の遺跡に一人取り残されていたのである。

ここはどこなのか、ザナルカンドはどうしてしまったのか。

遺跡内を散策するも、魔物の襲撃に遭って逃走した挙句、命からがら火は熾せたものの食料はない。

そして、再び魔物の姿が彼の前に現れたとき、遺跡の扉を突き破って数人の人間が現れた。

間一髪で助けられたティーダだが、彼らは謎の言語を話していて......。

感想

いきなり異世界に飛ばされるあたりは近年流行している「異世界転生」ものと似ているようですが、決定的に異なっているのはなんといっても主人公の属性です。

プロスポーツの選手がRPGの主人公というのはそれだけで相当異色の存在であり、ゲームが始まった瞬間から「やるなぁ」と思わず感嘆の声を心の中で漏らしてしまいました。

日本のサブカルチャー作品はとにかく「平凡な高校生」主人公が多く、幅を広げても中学生か大学生あたりというのは外国作品との対比でよく語られることですが、少なからず「陽キャ」的な青年を主人公とするのはどちらかというとハリウッド映画風で斬新に思われます。

そして主人公の転生先なのですが、これが1000年先の未来の世界というのもまた独自性があります。

こういった作品ではたいてい過去に飛ぶことが多い(近年の「異世界転生」はその傾向がより顕著ですよね)のですが、そういった定番も覆してくるうえ、しかも、この未来において人類は機械文明を捨て去っており、農林水産業や家内制手工業を中心とした生活を送っているのです。

1000年前にザナルカンドを襲った魔物の名前は「シン」といい、いまなお世界に脅威を与え続けている存在で、1000年前の襲撃は機械文明による贅沢という身に余った生活を送ってしまった人類への罰だったのだ。

ティーダが飛ばされた1000年先の世界ではそのような言説が真剣に信じられており、機械文明を否定するエボン教が敬虔に信仰されているという設定なのですが、いやはや、非常にわくわくさせられます。

1000年前に当たり前だった建造物や価値観は殆どが消え去っており、共通して残っているのは「シン」の脅威と、そしてなんと、ブリッツボールだけ。

ブリッツボールに熱狂しているあいだは嫌なことを忘れられる。

生活の礎を原始的な産業と宗教に置かざるを得ず、それでいて「シン」による定期的な襲撃によって人命を喪い続ける人類にとって、麻薬的な心の拠り所になっているのがスポーツという状況。

近現代における「貧困」を取り巻く言説の影すら感じさせる、痛切かつ迫真性のある設定には、まるっきり嘘の話であると分かっていながらもどこか生々しいリアリティを感じてしまい、物語への没入度合いは高まるばかりです。

しかも、こういった設定が「強力な魔物が跋扈し、それを剣と魔法で撃退する」というRPGの定番的な世界観を上手くサポートしており、元スポーツ選手である主人公のティーダが魔物との戦闘に未来世界における自身の生きる場所を見出していく過程を自然にしています。

魔物(外界・自然)の脅威に晒されながら、機械文明がないためそれらに抵抗する有力な術をもたず、それでいて宗教が人々の生活基盤になっている社会。

これこそまさに、現代異世界転生もの等に見られるような「エセ中世」からは感じ取ることのできない、貧困と恐怖に包まれた「リアル中世」の片鱗なのではないでしょうか。

そして、そんな「リアル中世」観をよくゲームの世界観に落とし込んでいる点が本作の極めて独自性の高い美点なのです。

さて、そんな良い意味で斬新な世界観を持つ本作なのですが、その中で始まる物語はまさに王道そのもの。

物語序盤でティーダが出会うのは、本作のヒロインであるユウナという人物です。

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