都市部の低所得労働者は自民党の支持基盤に組み込まれていないため、自民党と公明党の連立は支持基盤が重複しない見事な補完関係になっている。
(インターネットでは熱心な自民党支持者の保守層ほど公明党との連立解消を唱えているように思われるが、個人的には公明党がよくこの連立を我慢できているなと感じる。自民党中心内閣は都市部の高所得層と地方の団体票基盤に対して政策が手厚い印象があり、むしろ公明党が体よく利用されている印象である)
・立憲民主党
典型的なバラモン左翼政党。
高齢層からの支持が厚いのは旧社会党の支持基盤を引き継いでいる可能性があるものの、それ以外の世代で立憲民主党を支持しているのは間違いなく高学歴リベラル思想層。
「立憲⺠主党基本政策」にもアイデンティティ・ポリティクスやSDGs的な項目が並び、決して所得再配分については語らない。
主要な支持母体である総評系の労働組合は自治労や国労といった公務員or実質公務員系ばかりで、彼らの利益を代表しようとすると、より不安定かつ低所得な雇用体系の人々を代表するのは難しいのかもしれない。
自治労や国労の構成委員を「恵まれた人」認定して、彼らの所得を再配分の原資にすることなど立憲民主党にはできないからである。
・日本共産党
参院選の公約を見る限り、再配分に重点を置き、低賃金長時間労働の是正を図ろうとしているので旧来型の社会民主主義政党に近い感じはする。
だが、貧困化が進む中でも支持の広がりは見られない。
よほどアプローチの仕方が悪いのだろうか。
個人的にも解釈に迷うところである。
・日本維新の会
いわゆる「ネオリベ」政党で、都市部における中高所得層に訴求する政策を掲げている。
元々は大阪自民党の分裂によって出現した政党だが、特権的地位に安住している(と思われている)公務員叩きをバネに小さな政府を目指そうとしていたのがその原点となっている。
包括政党であるがゆえに極端に都市部寄りの政策を実行できない自民党への不満を吸収していると思われるため、今後、自民党を最も脅かす存在になるかもしれない。
(各国会議員の掲げる政策は党派よりも出身選挙区の都市/地方区分に影響されているという記事をどこかで見た気がするものの、見つけられなかった)
また、そういったネオリベ的な態度は旧民主党の支持者にも見られたため、そういった層の支持もあると思われる。
・国民民主党
立憲民主党のバラモン左翼ぶりに耐えられなかった議員たちと、旧同盟系労組出身議員で構成されている。
中道改革政党を掲げているものの、旧同盟系労組出身議員以外が今後どのように振る舞うかは悩ましいところだろう。
立憲民主党的なバラモン左翼でもなく、日本共産党的な”共産主義”でもなく、日本維新の会くらい苛烈なネオリベではなく、それでいて自民党と異なる立場など存在しうるのだろうか。
理論上存在していても、そこに票田となる支持基盤などあるのだろうか。
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