【経済ビジネス】おすすめ経済ビジネス雑記5選【雑記まとめ】
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【ハチミツとクローバー】甘くて切ない「夢」と「片想い」の青春恋愛漫画 評価:4点【羽海野チカ】
1. ハチミツとクローバー2000年代前半に一斉を風靡した少女漫画。著者は羽海野チカさんで、現在は白泉社の月間漫画雑誌「ヤングアニマル」で青春将棋漫画「3月のライオン」を連載されています。10巻完結ながら累計発行部数は800万部に達し、アニメ化と実写映画化も果たしているなど、名実ともに堂々たる人気作品である本作。2度の掲載紙休刊を乗り越えて連載が続いた作品でもあり、マイナーな掲載紙出身ながら大ヒット作にまでのし上がった経緯にもドラマを感じさせます。そんな本作を今更ながら読了したのですが、評判や販売実績に値するような、素晴らしい感動作でした。多様な登場人物たちの恋模様と夢の探求、もがき続ける中で生まれる葛藤が濃密に描かれており、とにかく一話一話の盛り上がり度合いが著しく高い作品です。中だるみや「捨て回」のような話が存在せず、まさに人生のハイライトを駆け抜けているような、甘くて苦い青春のひとときを自分自身が経験したかのように錯覚させられる名作です。2. あらすじ物語の主な舞台は浜田山美術大学。東京に存在する私立大学で、通称は「浜美」。大学近くにある木造で水回り共用の下宿には、竹本祐太(タケ...
【青春恋愛】漫画 「ママレード・ボーイ」 吉住渉 星1つ
1. ママレード・ボーイ1990年代、毎月250万部近い発行部数を誇っていた全盛期の「りぼん」で看板級の人気を持っていた少女漫画。累計発行部数は1000万部以上、アニメ化及びドラマ化も果たしており、時代を代表した作品の一つだと言えるでしょう。しかしながら、個人的な感想としては凡作を下回って駄作という印象。物語として感動するポイントが全く見当たらず、やっつけ仕事のような展開ばかりが繰り返される光景に辟易としながらなんとか読み切った次第です。2. あらすじ主人公は女子高生の小石川光希(こいしがわ みき)。ある日、両親である小石川仁(じん)と小石川留美(るみ)から、離婚してそれぞれが新しいパートナーと結婚するつもりなのだと告げられる。その新しいパートナーというのも、松浦要士(まつうら ようじ)と松浦千弥子(ちやこ)という夫婦。いわば、小石川夫婦と松浦夫婦でパートナーを取り換えるという話なのである。しかも、新しい家族同士で同居したいとまで言うのだから、光希の頭は大混乱。あまりに無茶苦茶な両親の行動に対して断固反対の立場をとる光希だったが、松浦夫妻の息子である松浦遊(ゆう)はどこ吹く風。なし崩し...
小説 「悲しみよこんにちは」 フランソワーズ・サガン 星4つ
1. 悲しみよこんにちは20世紀後半に一時代を築いたフランスの小説家、フランソワーズ・サガン。その代表作が処女作である「悲しみよこんにちは」です。1954年に出版されるとたちまち世界的なベストセラーとなり、サガンをしてデビュー作でいきなり一流作家の仲間入りを果たさせた名作となっております。そんな高い前評判に違わず、素晴らしい小説でした。非の打ちどころのない情景描写と心理描写に魅了されます。河野真理子さんの翻訳も絶品で、小説における美しさや切なさ描写の極致を極めた作品の一つと言っても過言ではないでしょう。2. あらすじ主人公のセシルは17歳。父親であるレエモンとの父娘家庭育ちである。といっても、レエモンは実入りの良い職業についていて、もう40歳を超えるというのにパリの社交界で女性をとっかえひっかえしている奔放な男性。そんな父に連れられ、セシルも遊びばかりを覚えてこの年まで育ってきた。17歳の夏、セシルは父とともにコート・ダジュールの別荘を訪れている。父の愛人であるエルザとの仲は良好なうえ、海岸ではシリルという大学生と出会って恋仲になった。何もかもが完璧な夏になる。そんな予感がしたまさにそ...
映画 「ロミオとジュリエット」 監督:フランコ・ゼフィレッリ 星3つ
1. ロミオとジュリエット1968年公開の映画で、言わずと知れたシェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」の映画化作品です。近年流行りの「新解釈」などではなく、原作に忠実な脚本となっているのですが、それでいて当時は大ヒット。アカデミー撮影賞、アカデミー衣装デザイン賞、ゴールデングローブ賞外国語映画賞など様々な賞を受賞しました。そんな作品を2020年に鑑賞してみたわけですが、なかなか良かったというのが率直な感想です。シンプルでハイテンポな恋愛劇というまさに古典王道を感じさせる作風で、しらけるような場面もなくずっと見ていられます。凝った作品が見せる深い感動はありませんが、ハラハラ、ドキドキ、いちゃいちゃ、そして胸を衝く悲しみという要素が揃ったエンタメの良作でした。2. あらすじ部隊は中世イタリアの都市ヴェローナ。この街では、モンタギュー家とキャピュレット家という二つの名家が長年にわたって抗争を繰り広げていた。そんなある日、モンタギュー家の嫡男ロミオは、友人たちとともにキャピュレット家のパーティーに忍び込む。そこでロミオが出会ったのは、キャピュレット家の一人娘であるジュリエット。たちまち恋...
小説 「葡萄が目にしみる」 林真理子 星2つ
1. 葡萄が目にしみる小説家としてはもちろん、エッセイストとしても有名な林真理子さんの作品。女性の心理描写が巧みだという評価が一般的でしょうか。直木賞や吉川英治文学賞といった文芸界の賞はもとより、レジオンドヌール勲章や紫綬褒章といった国家レベルの叙勲もされるなどまさに大作家だといえるでしょう。長らく直木賞の選考委員を務めていることや、「元号に関する懇談会」の有識者委員として「令和」制定にも関わっていることからもその大物ぶりが伺えます。そんな林さんが手掛けた青春小説が本作、「葡萄が目にしみる」。林真理子さんの出身高校を舞台としており、林さん自身の容姿を彷彿とさせる主人公と、明らかなモデルが存在する登場人物など、半ば自伝的な要素がある小説とされています。直木賞候補となり、現代的な表紙の新装版も発売されるなど根強い人気のある作品ですが、個人的には凡庸な青春小説だなという感想でした。ありきたり(よりも容姿が少し劣って嫉妬深く自意識過剰な)女子高生の高校生活を良くいえば瑞々しく、悪くいえば淡白でオチなしヤマなしに描いた作品で、これほどまでにイベントが起こらず起伏のない作品でいったい何を楽しめばよ...
小説 「細雪」 谷崎潤一郎 星3つ
1. 細雪戦前から戦後にかけて活躍した小説家、谷崎潤一郎。いまなお評価が高く、ファンの多い彼の代表作ともいえる作品が「細雪」です。新潮文庫版は上中下巻の構成で出版されておりまして、執筆に4年を費やしたという大作。映画化3回、テレビドラマ化6回という数字が文学の古典ながら世俗にも通じる魅力をもった作品であることを表していますね。やや冗長な表現や本筋から外れたエピソードなどが多いながら、やはり読みごたえのある作品だったというのが感想です。もちろん、そういった冗長さや寄り道部分を評価する人もいるでしょうから、私の星3つという評価が低すぎると感じる人はいても高すぎると思う人は少ないのではないのでしょうか。凋落しつつある旧家の娘が結婚相手を探すというストーリーは婚活全盛の今日においてむしろ示唆的ですらありますし、人物の描かれ方の今日との対比という点でも深く読み込んでいける作品だと感じました。2. あらすじ(上巻)時代は1930年代、蒔岡家の次女幸子は芦屋に暮らしていた。同居するのは夫であり婿養子でもある貞之助と、一人娘の悦子、そして蒔岡家の三女である雪子に、四女の妙子。幸子の祖父の代には大阪の船...
アニメ映画 「茄子 アンダルシアの夏」 監督:高坂希太郎 星3つ
1. 茄子 アンダルシアの夏自転車競技を題材にした珍しいアニメ映画で、スタジオジブリ作品のスタッフに原画や作画関連で名を連ねることが多い高坂希太郎さんが監督。近年では人気の児童小説「若おかみは小学生」の映画版でメガホンを取っています。また、以前に本ブログで紹介した「王立宇宙軍 オネアミスの翼」でも原画を務めるなど、アニメ映画界の中心的人物の一人だと言えるでしょう。本人も大の自転車好きということが本作をつくるきっかけとなったようです。映画といっても45分という短時間の作品なのですが、人間の情熱を描いた王道の作品で、テンポも小気味よく飽きさせません。深みという点においては居並ぶ名作たちと比較すると一歩劣りますが、佳作という評価がぴったりの映画だと思います。茄子 アンダルシアの夏posted with カエレバ大泉洋 (C)2003「茄子アンダルシアの夏」製作委員会Amazon楽天市場
アニメ映画 「時をかける少女」 監督: 細田守 星4つ
1. 時をかける少女民放とNHKで延べ12回放映されているアニメ映画で、すっかり夏の定番となった作品と言えるでしょう。筒井康隆さんの有名原作に、「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム」で頭角を現していた細田守さんを監督として迎え、「新世紀エヴァンゲリオン」のキャラクターデザインを務めた貞本義行さんと、「もののけ姫」の美術監督だった山本二三さんが脇を固めるという豪華布陣。ミニシアターでの上映から異例のロングランを成し遂げた出世映画でもあります。非常に凝った脚本が素晴らしく、演出も「静」と「動」のバランスがとれていて、これからも定番中の定番であり続けて欲しいと思わせられる映画になっております。 2. あらすじ紺野真琴(こんの まこと)は高校2年生。男友達の間宮千昭(まみや ちあき)や津田巧介(つだ こうすけ)とキャッチボールやカラオケで放課後の時間を過ごすような平凡な日々を送っている。そんなある日、真琴はひょんなことから自身がタイムリープの能力を得ていることに気づいてしまう。タイムリープの能力を得た真琴は、テストを受けてからテストを受ける前の時間に戻って好成績を収めたり、カラオケで...
アニメ映画 「君の名は。」 監督:新海誠 再考 星2つ→星3つ
1. 君の名は。再考かつて否定的な記事を書いた作品ですが、なぜこの作品が売れたかについてぼんやりと考えておりますと、なんとなく思いついたことがありましたので、「再考」と題してもう一度とりあげようかと思います。フィクションにおける非リアリティと奇跡についての考察です。君の名は。posted with カエレバ神木隆之介 「君の名は。」製作委員会 2017-07-26Amazon楽天市場
【トゥーランドット】中国を舞台にした名作オペラの漫画化 評価:2点【里中満智子】
1. トゥーランドット有名なオペラの内容を里中満智子さんが漫画で描く「マンガ名作オペラ」シリーズの第5巻。全巻揃えようという気はないのですが、表題作である「トゥーランドット」の筋書きが知りたくて購入しました。18世紀に書かれた戯曲をもとに19世紀に書かれたオペラということで、いかにも「古典の短編」という印象です。物語全体の整合性や展開の論理性よりも劇的な展開が優先されており、物語としては粗削りで洗練されていないと思われる側面が多かったのですが、オペラとはそういうものだという心持ちで見るのが正解なのでしょう。2. あらすじ舞台は王朝時代の北京。皇女トゥーランドットはたいへん美しい姫だったが、彼女に求婚する者は彼女が出題する3つの問題に答えられなければ死刑になるという過酷な婚姻条件を掲げていた。今日もまた、求婚に失敗したペルシャの王子が紫禁城の前で公開処刑にされてしまう。その様子を見ていたのが、ダッタン国の王子カラム。彼はトゥーランドットに見惚れ、部下の制止を振り切ってトゥーランドットに婚約を申し込む。3つの難問を出題するトゥーランドット。しかし、カラムはいとも簡単に答えてしまう。婚約を嫌...
小説 「ぼくは勉強ができない」 山田詠美 星2つ
1. ぼくは勉強ができない「新潮文庫の100冊」の常連であることからも知っている人が多いのではないでしょうか。文藝賞でのデビュー以来、直木賞、谷崎潤一郎賞、川端康成賞などを受賞し、純文学とエンターテイメントの両方で活躍する作家、 山田詠美さんの作品です。コミカルな語り口と勉強一辺倒に対する爽やかな反論が面白い一方で、勉強のやり過ぎは悪、恋することこそ善といった二項対立で物事を語ることができた時代に取り残されてしまった作品でもあるように思いました。ぼくは勉強ができない (新潮文庫)posted with ヨメレバ山田 詠美 新潮社 1996-03-01AmazonKindle楽天ブックス
【萌え漫画の古典】漫画 「カードキャプターさくら」 CLAMP 星2つ
1.カードキャプターさくら「なかよし」に連載されていた漫画ですが、タイトルを聞けば98年から2000年までNHK教育で放送されていたアニメの方を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。「魔法騎士レイアース」や「xxxHOLiC」などの人気作を持つ漫画家集団CLAMPの代表作の一つで、原作・アニメ完結後も根強いファンを持つ作品です。原作20周年記念として今年から新連載を「なかよし」誌上で開始していることもあり、読んでみようと思い立ったのですが、色々な意味で「なるほど」と思わされる作品でした。2. あらすじ主人公、木之本さくらは友枝小学校に通う小学四年生。ある日、研究者である父の書庫から奇妙な本を発見する。さくらがその本に触れると、封印されていた魔物、ケルベロスが姿を現した。しかし、その本は魔術師クロウ・リードが作った魔法のカード、クロウカードが封印されていた本でもあり、さくらが触れたことによってカードは町じゅう散ってしまう。カードを回収しなければ「災い」が起こる。その災いを回避するため、さくらは「カードキャプター」として、クロウカードが起こす様々な事件を解決していく......。3. ...