「リサイクルと世界経済」小島道一 評価:2点|国際貿易の中におけるリサイクルの立ち位置【経済学】
リサイクルという言葉が人口に膾炙するようになってからずいぶん経ちましたが、資源の制約や環境問題がクローズアップされる中で、その概念は今日においてますます輝きを増しているように感じられます。そして、より一体化する世界経済の中で、リサイクルという行為もずいぶん前から国際貿易の中で行われるようになっております。日本の中古自動車や中古家電が発展途上国で利用されているのは有名な話ですし、紙やプラスチックの再生工場も多くは発展途上国に立地しています。先進国から廃棄物を輸入し、原料として使用可能な状態にしてから再び先進国に輸出するというサイクルはもはや当たり前のこととなっているのです。そのような、国際貿易の中でのリサイクル過程がどのように変化し、どのような問題を孕んでいて、どのように解決しているのかということが本書には記されています。著者はジェトロ・アジア経済研究所の小島道一氏。肩書は研究者ですが、本書の筆致には実務担当者として国際貿易の規制や促進に携わってきた側面が色濃く現れております。目次第1章 国境を越えてリユースされる中古品第2章 国境を越えてリサイクルされる再生資源第3章 中古品や再生資源...
2020.01.18
経済・金融・経営・会計・統計作品の感想☆☆(教養書)