教養書 「単一民族神話の起源」 小熊英二 星3つ その2
1. 単一民族神話の起源 その2 「日本人は1つの民族を起源としている」「日本人は全員、大和民族の末裔である」「 日本人は農耕民族」「日本人気質」「島国根性」「統一性が高い」。 日常生活のから政治の場まで、いたるところで耳にする、ある種の「日本人単一民族」論。 厳密な意味であれ比喩的な意味であれ、日本人が単一の属性を持っている、もしくは、単一の民族から構成されているという言説や意識はどこから来るのか。 明治時代から遡り、その起源を明らかにする「単一民族神話の起源」の感想その2です。 前稿である「その1」はこちら。 「その1」では「第一部 『開国』の思想 」について記述しましたので、本稿では「第二部 『帝国』の思想 」及び「 第三部 「島国」の思想」 を取り上げます。 2. 目次 第一部 「開国」の思想第二部 「帝国」の思想第三部 「島国」の思想 3. 感想 第二部では、日本が「帝国化」していく中で唱えられた様々な民族論が紹介されます。 まず最初に紹介されるのは、歴史家である嘉田貞吉の取り組...
2019.08.11
☆☆☆(教養書)社会学・歴史・スポーツ