☆☆☆☆(小説)

☆☆☆☆(小説)

小説 「老人と海」 ヘミングウェイ 星4つ

1. 老人と海 「武器よさらば」や「誰がために鐘は鳴る」などの作品で知られるアメリカの小説家、アーネスト・ヘミングウェイの代表作で、ノーベル文学賞受賞のきっかけとなった作品だとされています。 新潮文庫の100冊に何十回も選出されるほど日本でも親しまれている作品であり、名実ともに人気を博している古典文学だといえるでしょう。 「老人を主人公とした武骨な冒険小説」という類例は現代文学に至ってもなかなか類似例がなく、文学界においていまなお稀有な立ち位置を維持しております。 そんな「老人と海」ですが、評判に違わず傑作といえる作品でした。 広漠とした海を舞台に、人間とカジキマグロが情熱的な大勝負を闘う。 その迫力と余韻の素晴らしさに、思わず感嘆のため息が出てしまいました。 2. あらすじ 舞台はキューバ、主人公は老漁師のサンチャゴ。 大型魚の一本釣りで生計を立てていたサンチャゴだったが、ある日を境に数か月もの不漁に陥ってしまう。 いつも漁を手伝ってくれていた弟子の青年マノーリンも、両親の指示によって別の漁船に乗ることになってしま...
☆☆☆☆(小説)

小説 「悲しみよこんにちは」 フランソワーズ・サガン 星4つ

1. 悲しみよこんにちは 20世紀後半に一時代を築いたフランスの小説家、フランソワーズ・サガン。その代表作が処女作である「悲しみよこんにちは」です。1954年に出版されるとたちまち世界的なベストセラーとなり、サガンをしてデビュー作でいきなり一流作家の仲間入りを果たさせた名作となっております。 そんな高い前評判に違わず、素晴らしい小説でした。非の打ちどころのない情景描写と心理描写に魅了されます。河野真理子さんの翻訳も絶品で、小説における美しさや切なさ描写の極致を極めた作品の一つと言っても過言ではないでしょう。 2. あらすじ 主人公のセシルは17歳。父親であるレエモンとの父娘家庭育ちである。といっても、レエモンは実入りの良い職業についていて、もう40歳を超えるというのにパリの社交界で女性をとっかえひっかえしている奔放な男性。そんな父に連れられ、セシルも遊びばかりを覚えてこの年まで育ってきた。 17歳の夏、セシルは父とともにコート・ダジュールの別荘を訪れている。父の愛人であるエルザとの仲は良好なうえ、海岸ではシリルという大学生と出会って恋仲になった。...
☆☆☆☆(小説)

小説 「李陵・山月記・弟子・名人伝」 中島敦 星4つ

1. 李陵・山月記・弟子・名人伝 高校の教科書掲載作品としてお馴染みの「山月記」ほか、中島敦の代表的作品を連ねた短編集です。「李陵」及び「山月記」は巻末の「参考文」にある通り実在する中国の古典を改変したもので、オリジナル作品かと問われれば結構答えに窮するのではないかと思うのですが、「山月記」の教科書掲載によりフィクション作家として多くの人に名前を知られているのが中島敦という小説家です。 「山月記」はやはり名作で、多くの(国語・文学好きの)心を掴んで離さない作品としてこれからも輝き続けるのだろうと思わされました。それ以外では「名人伝」がそれなりに楽しめましたが、そのほかの作品は淡々とし過ぎてあまりよく分からなかったというのが正直な感想です。 2. あらすじ ・名人伝 紀昌という男が天下一の弓の名人を目指し飛衛という名手に弟子入りする。しかし、飛衛は紀昌に弓を持たせず、基礎訓練として瞬きをしない訓練や視力を上げる訓練を命じるのだった。紀昌は素直に従い、鍛錬を続けること五年、ついに飛衛から奥義伝授を許可され、瞬く間に腕前を上げていく。最後には飛衛との弓...
綿矢りさ

小説 「蹴りたい背中」 綿矢りさ 星4つ

1. 蹴りたい背中 高校在学中にデビューし、史上最年少で芥川賞を獲った超有名女性作家、綿矢りささん。その芥川賞の受賞作が、印象深いタイトルの本作品です。 感想を一言で表しますと、「常にクライマックス」。名作を読み終えるときの、あのふわふわした興奮。最後まで読みたい、でも終わらないでという気持ちが常に胸の内から湧きおこってきます。 青春時代に、少しでも疎外感や孤独を感じた、あるいは、そのようなことについて思考を巡らせたことのある人にはぜひ手に取ってもらいたい作品です。 蹴りたい背中 (河出文庫) posted with ヨメレバ 綿矢 りさ 河出書房新社 2007-04-05 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo
☆☆☆☆(小説)

小説 「暗いところで待ち合わせ」 乙一 星4つ

1. 暗いところで待ち合わせ 人気作家、乙一さんの文庫書き下ろし作品です。 類を見ない斬新な設定と普遍的で温かな感情を共存させたこの作品。私としては乙一さんの最高傑作だと思っています。 暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫) posted with ヨメレバ 乙一 幻冬舎 2002-04-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo
☆☆☆☆(小説)

小説 「僕と1ルピーの神様」 ヴィカス・スワラップ 星4つ

1. 僕と1ルピーの神様 第81回アカデミー賞(2009年)で最多8部門を受賞した映画「スラムドッグ$ミリオネア」の原作です。 著者のスワラップ氏はインドの現役外交官であり、リアルなインドの描写がスリリングな物語を引き立てています。 ぼくと1ルピーの神様 (RHブックス・プラス) posted with ヨメレバ ヴィカス スワラップ,ヴィカース スワループ 武田ランダムハウスジャパン 2009-02-20 Amazon Kindle
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