これがあるからこそ、努力のための次の一歩を踏み出すことができ、それができてようやく、人生において「実利」と呼ばれているもの、労働やお金にありつくことができるのです。
そんな自信喪失と「レズ風俗」による再生のノンフィクションという作品なのですが、著者の語り口が終始自分中心であり、「レズ風俗」という衝撃を除けば物語として面白い点はあまりありません。
自身の経験を客観視したうえで社会的な分析に結び付けられているわけでもなく、その点では浅い作品だといえるでしょう。
「親からの虐待」と「レズ風俗」の組み合わせは強烈ですが、そういった著者の外側に存在する要素以外から面白さが出ていないのが残念でした。
著者に近い立場の人は共感できるものの、それ以上の領域に達するような普遍性に欠けるという意味で、評価は2点(平均的な作品)とします。
コメント