「月刊アフタヌーン」で2000年から2002年にかけて連載されていた作品。
タイトルが「茄子」だけというなんとも不思議な漫画ですが、名は体をしっかりと表しており、野菜の「茄子」が出てくるのであればどんな物語でもよい、という制約のもとで書かれた短編集となっております。
こういった短編集を出すくらいですから、著者の黒田硫黄さんはいくつか著作がありながらもそれほどメジャーな漫画家ではありません。
それでも「セクシーボイスアンドロボ」くらいは聞き覚えのある人もいるのではないでしょうか。
第6回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門で文部科学大臣賞を受賞しており、松山ケンイチさん主演でテレビドラマ化もされています。
本作の内容に話を戻しますと、ありがちなマイナー漫画だなぁという印象。
全体的に気たるげな雰囲気が漂い、ちょっと変わった人たちがちょっと変わった行動をする様子が淡々と描かれるという作品です。
私としては可もなく不可もなくですが、漫画好きでなければつまらないと思ってしまうかもしれない、というのが全体的な感想ですね。
あらすじ
〇3人(前後編)
田舎でのんびりと茄子農家を営む男性のもとに、ある日、二人の子供が訪れてきた。
女の子は18歳、男の子は13歳。
やむなくこの家出少年少女を泊める男性だったが、男性が自宅に銃を保有しているということに少年は気がついてしまったようで......。
その他、19編を収録。
感想
「茄子」を出すこと以外に制約なしというだけあって、物語の種類はバラエティに富んでいます。
親が夜逃げした女子高生とモテない中学生男子の出会いだったり、高校を卒業したもののどうにも人生にやる気が湧かずダラダラと暮らしている女性と、彼女と同じような性格で若隠居を目論む男性の話。
江戸に茄子の初物を買いに行く武士の話や、トラック運転手とヒッチハイクのフィリピン人女性の話、富士山の調査団を襲う茄子型宇宙人の話など、まさにやりたい放題。
それでいてどれも取り留めのない話と言うのが本作の特徴になっています。
全体的に脱力感が漂い、どことなく現実感のない作風です。
独特の絵柄ながらさらさらと読めるのですが、だからこそ読み応えがありません。
私が本書を手に取るきっかけとなった「アンダルシアの夏」及び「スーツケースの渡り鳥」に僅かながら人間味のある切ない熱気を感じたくらいです。
この2編はアニメ映画になっており、本ブログで感想も書いております。
原作よりもアニメ映画の方が良い、というか、よくこの原作でここまでのアニメをつくれたなと思うばかりです。
同じだけの時間を費やすならば本作を読むよりこれらのアニメ映画を見るべきでしょう。
結論
決してつまらない作品ではないのです。
読んでてイライラするとか、途中で投げ出すレベルではありません。
けれども、これといった良い点を見出しづらい作品でした。
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