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【猥雑だった昭和の日本】小説「恋人たち」立原正秋 評価:2点【純文学】

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恋人たち
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中森明菜さんの言う通り、昭和58年にあって、ティーンの二人に一人しか毎日シャンプーをしていなかったわけですから。

そして未来においても、いまの時代をあまりにも不潔だった時代として振り返る時がくるのでしょう。

それは、倫理観についても同じです。

きっと、私たちが生きている時代を非倫理的な時代として振り返るときがやってきます。

しかも、今はその是非が問われることなどない、自明的に「正しい」こと、それに反することをする人には、直感的・直情的に嫌悪を覚えるような事柄こそが、反倫理的なことだったと反省されているはずです。

そのように、「未来人の立場から過去の倫理観を分析する」という視点でこの小説を読むと、倫理や道徳について相対化した視点が得られるかもしれません。

そういった経験を通じて、「自分が偏っている可能性」をいつも真摯に見つめられるようになりたいですね。

そのような意味で、ぎょっとするような過去の風俗が平然と出てくる作品はわりと好みです。

そんな作品は、文化や道徳に対するわたしたちの主観のうつろいやすさ・脆さを教えてくれます。

そんな作品を読み、猥雑だった過去に想いを馳せているときこそ、「人間」を少し理解したような気持ちになってわくわくします。

過去の時代の乱れた風紀と、それを楽しんでいた人々の日常。

そして、そんな作品が人気だったという事実。

それらを噛み締めたい人は、本作を読んでみるのも悪くはないのではないでしょうか。

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