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【経済学】おすすめ経済学本ランキングベスト4【オールタイムベスト】

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経済学
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第3位 「中国経済講義」梶谷懐

既に中国のGDPが日本のGDPを抜いて久しく、世界の名目GDPの16%を占めるまでになった中国経済。

インバウンドで観光客として来日する姿を見ると、立場は明確に逆転したのだなぁと感じてしまいます。

中国経済の存在感は外交の舞台でも強く発揮されておりまして、現在進行中の米中貿易協議などはまさに象徴的。

アメリカに負けず劣らずの存在感を見せるIT企業群の動向やそれに対する西側諸国の反応、一帯一路を合言葉として世界中にばら撒かれる投資マネーなど、中国経済ニュースを目にしない日はありません。

しかしながら、他の国の経済が好調とあらば粗探しをしたくなるのが人間の性というもの。

隣国であればなおさらという訳なのか、インターネット上では中国を一方的に見下す論調の記事が溢れかえっておりますし、書店でも中国経済「崩壊」などの文字が躍る本が平積みされています。

そんな中、中国経済の「現在」について、特に世間的注目が高い分野を中心にそつなく説明しているのが本書の特徴。

統計の正確性、金融システムのリスクや不動産バブルの今後、中国国内の経済格差や、国営企業を中心とする国家主導経済の効用と限界、一党独裁による経済運営の持続性といった、イデオロギーも影響しながら賛否や意見が分かれる論点を満遍なく抑えている良書です。

・感想記事はこちら

新書 「中国経済講義」 梶谷懐 星3つ 第2章・第3章
1. 中国経済講義 前稿である「序章・第1章」の続きです。前稿はこちら。2. 目次序章 中国の経済統計は信頼できるか第1章 金融リスクを乗り越えられるか 第2章 不動産バブルを止められるか 第3章 経済格差のゆくえ 第4章 農民工はどこへ行くのか 第5章 国有企業改革のゆくえ 第6章 共産党体制での成長は持続可能か 終章 国際社会のなかの中国と日中経済関係 本記事で感想を述べるのは第2章と第3章です。第4章以下は次稿に続きます。 第2章 不動産バブルを止められるか 最近の「中国崩壊論」の主流といえばこれではないでしょうか。投機にだけ使われる居住者のいない集合住宅。いわゆる「幽霊マンション」などがいかにも悪質なバブルを象徴しているように描かれることが多い気がします。不動産の値上がりのせいで住居をなかなか見つけられない都市部の庶民が抱える不満という切り口もありますね。 もちろん、「幽霊マンション」や「鬱憤を溜める庶民」の実在を否定するつもりなど毛頭ありませんが、本書の良いところは「そもそも不動産市場への過度な投資が行われるのはなぜなのか」から出発する点です。それは、「中国人が馬鹿だ...

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