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【現代純文学】おすすめ現代純文学小説ランキングベスト5【オールタイムベスト】

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現代純文学
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第2位 「蹴りたい背中」綿矢りさ

【青春小説の「スクールカースト」はここから始まった】

・あらすじ

主人公は高校2年生の長谷川はせがわ初実はつみ、通称「ハツ」。

クラスで「余り物」になってしまっているハツは、ひょんなことから、同じく「余り物」の蜷川にながわさとしと親交を得る。

蜷川智、通称「にな川」はモデル兼アイドルである「オリチャン」に夢中であり、クラスで孤立していることにも頓着していない様子。

一方、ハツは「スクールカースト」を嫌悪しているがゆえに、自覚的に「余り物」となっている。

理由は別々、けれども、学校では孤独な二人。

そんな「にな川」との交流を通じて、ハツの内面にも変化が表れ始め......。

・短評

「スクールカースト」的な学校観とその中で葛藤する高校生の心情、という枠組みを(おそらく)初めて用いた小説として、文芸界に彗星のように現れた作品です。

当初は「スクールカースト」を軽蔑しながら孤高を貫いていたハツでしたが、次第に「軽蔑しながら孤高を貫く」という態度自体の惨めさや矮小さに気づいていき、現実に折り合いをつけながらも一生懸命に生きていくことの大切さを知っていきます。

作者の綿矢りささんは本作で史上最年少19歳での芥川賞受賞となり、その記録はいまも破られておりません。

個人的にも「スクールカースト」小説の原点にして最高峰の作品だと捉えており、その瑞々しい筆致と心理描写によって夢中にさせられること間違いなしだと思います。

本作は純文学小説ではありますが、日本の高校を舞台とした作品であり、文体も読みやすい中編小説。

純文学入門に最適な親しみやすい作品という点でもお薦めです。

・感想記事はこちら

「蹴りたい背中」綿矢りさ 評価:4点|スクールカーストを題材に青春の焦燥を描いた現代学園小説の古典【青春純文学】
高校在学中にデビューし、史上最年少で芥川賞を獲った超有名女性作家、綿矢りささん。その芥川賞の受賞作が、印象深いタイトルの本作品です。感想を一言で表しますと、「常にクライマックス」。名作を読み終えるときの、あのふわふわした興奮。最後まで読みたい、でも終わらないでという気持ちが常に胸の内から湧きおこってきます。青春時代に、少しでも疎外感や孤独を感じた、あるいは、そのようなことについて思考を巡らせたことのある人にはぜひ手に取ってもらいたい作品です。あらすじ「今日は実験だから、適当に座って五人で一班つくれ」そんな号令が飛ぶと、「余り物」になってしまう高校一年生。名前は長谷川初実、通称ハツ。そしてハツのクラスにはもう一人「余り物」がいる。オリチャンというアイドルのファンである「にな川」だ。いや、にな川のオリチャンに対する執着は「ファン」を超えている。ハツがそう評するくらい、にな川は熱狂的だ。「オリちゃんと喋ったことがある」ハツがそう言ったことをきっかけに、ハツはにな川の家に誘われるのだが......。他人と交わって「薄まる」ことを拒絶するハツと、交わらないことにさえなにも感じていないにな川。孤独...

・解説動画はこちら

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明日も物語に魅せられて

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